44
閲覧ありがとうございます。
「世界は今、『13』を拒絶している。それはここも同様だ。」
マキダの声に耳を傾けながら、クミドは怒りをこらえるように震える。
「……つまり、お前達はこの子達が『魔王』になる可能性があると言っているのかい?」
「可能性があるということだ。」
突如クミドから火が噴き出す。
「家族を私の子供達を疑ってんじゃないよ!!」
豪っと音を立てた炎はマキダを焼きそうになるが、
「ガオサ」「はっ!」
呟くと後ろから騎士が現われて薄く水を張り火を防ぐ
「…ガオサ!!お前!!」
どうやら顔なじみだったようで、クミドがガオサへと叫ぶ。
「…マキダ様。発言する許しを。」「構わん。そのためにお前を連れてきた」
「…ありがとうございます。クミド様…いえクミド。あまり感情的にならないでください。」
「はっ!言うようになったじゃないか!主が変わって性格も変わったかい?」
バカにする様に、どこか寂しそうにガオサへと呟く。ガオサも悲しさを滲ませながら、
「そうですね…確かに変わったのかもしれませんね。ですが、これも国を、世界を…人々を守るためです。どうか…元主のあなたに剣を向ける事が無い様にお願いします…。」
絞り込む様に語る言葉には悔しさと申し訳なさと、切なさが込められていた。
「ガオサ…もうよい。クミドよ…」
マキダはクミドに近づくと小さな声で何かを喋る。
聞き終えたクミドはハッとした顔をして俺たちをみると
「わかった。投降するよ。…連れて行っておくれ」
「「「義母さん!!」」」
突如対応を変えた彼女に混乱しながら、俺たちはクミドを呼ぶ。
「どうして行くの!!」「待ってよ義母さん!!」「そんな奴ら倒しちゃえよ!!」
各々の言葉をクミドにぶつけるが、クミドは振り返らない。
「「「「「「義母さん!!!」」」」」」
俺たちの声がちゃんと届いたのか、クミドは振り返り、ガオサに一言二言会話し、何かをもらい咥える。指を鳴らし火を付けて咥えたものから煙が出てくる。
クミドが俺たちに近づいてくると、煙を俺たちに吹きかけ
「誰だい?あんた達は?」
「「「えっ?」」」
子供を見るような優しい目ではなく拒絶する様な目で俺たちを見る。
「…なんだいガキども。私には子供なんていないよ。大体てめぇらみたいなガキが私みたいな若い女の子供な訳あるか。」
「なにを…なにを言っているの?」
震えて上手く声が出てこない俺たちだったが、再び煙りを吹きかけ
「聞こえねぇのかガキども。てめぇら…てめぇらなんて私のガキじゃない!!」
「いいかい!!お前達は私の子供なんかじゃないんだ!!どっか行っちまいな!!」
それだけ言うと、クミドは一度も振り返ることなく俺たちの元を去ろうとする。
「まってよ…まってよ義母さん…。俺たちもっと良い子になるよ?『魔王』なんてなるわけないよ?みんなで助け合って頑張るよ?この前も、皆で魔物を倒したよ?もっと頑張ってお金を稼いで、笑ってたくさん美味しい物を食べようよ?義母さんも一緒。行っちゃやだよ…。まだ……まだ…まだっ…!」
震えながらも、前へクミドの手を掴もうと伸ばそうとするが、突如横から押さえ込まれる。
「ぐっ!」
「止めろ…止めるんだ…」
どうやらこの騒ぎを聞きつけたギルド長であるバダイが抑えるつける。
「はなせっ!!義母さんが…義母さんがどっかに行っちゃうんだ!離せよ!…はなせっ!!」
「止めてくれ…彼女のクミドの犠牲を無駄に…しないでくれ」
バダイから何か滴る物がたれたが
「知るかっ!あいつが義母さんを連れて行くんだ!!関係無いだろ!13がなんだよ!!知るかよそんなの!!離せ…はなせっ―――――!!うっ!」
首に衝撃を受け、意識が遠のく感覚を覚える。最後に映るのは、雨に打たれながらこちらに少しだけ振り返ったクミドだった。頬に伝うのは雨か、はたまた涙なのかは遠く離れたクミドを見てもわからなかった。
あの日、クミドに出会ってから今まで一緒に過ごしてきて一つだけ決めていた事があるんだ…。必ず義母さんより大きくなるまで生きて、
差してもらった傘を俺が次は差すんだ。少し早いけど、稼いだお金で傘を買ったんだ。
ほら…今日みたいな雨の日には傘が必要だろ?
母さん………傘を忘れているよ。
最後は意図的に義を抜いています。
「続きが気になる」と感じていただいたら、下の☆の評価をお願いします。
★★★★★:★の数が減らぬよう精進して参ります
★★★★☆:★の数を増やせるよう一層努力します
★★★☆☆:一つでも★の数を増やせるよう頑張ります
★★☆☆☆:一つでも★の数を増やせるよう頑張ります
★☆☆☆☆:評価を糧に「続きが気になる!」と言わしめるように頑張っていきます。
ブックマークも頂けると更に頑張れます。




