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「来たか…」
思ったより早かったと思い、ソウカは選手の入り口に目を向ける。
入り口から、歪んだ殺気をはらませて彼女が豪快な足取りでやってくる。
「………………」
無言で赤い大剣を担ぎ、鎧で身を心を顔を隠したリオがやってくる。
「…んだここは?…ちっ!汚ぇ雑草生やしやがって!」
敷き詰める様に咲き誇る植物に嫌悪感を持ったのか、入り口付近の植物を蹴り散らかす。
「大切にしてくれよ…。君のために準備したんだぞ?」
「はっ!やっぱりてめぇはソウカだな?」
準備した植物なんて気にしていないような顔でリオはソウカに剣を向けて笑う。
「………」
あえて応えないでいると、リオは炎を吹き出し
「……てめぇは誰だ?俺の秘密を知っているそうじゃないか?それを話せ。そして話して死ね!」
ソウカが無視をしている事を気にすることなくリオは、自分が上位の立場であるかのように語る。
ソウカの反応を待っているリオだったが
「…ふふふっ。………はははっ!!…あーはっはっはっ!」
突如笑い出すソウカに警戒を高める。ひとしきり笑ったソウカは目に涙を浮かべ
「はははっ!…改めて聞くと随分と印象を変えたなリオ。…似合わないなぁ…昔みたいにおどおどしながら誰かの影に隠れなくて良いのか?」
「…何を言っていやがる…あぁ!?」
怒気をはらんだ声に対しても、リオに臆することなくソウカはリオを煽る。
「「あぁ!?」だって?あっはっはっ!鎧で顔を隠した程度でこうも変わるのか?そこは、「な…何をしているの?」じゃないのか?」
冷静な素振りをしていたソウカからは想定できない様子でリオをバカにする。
まるで、リオの本当の姿を知っているかの如く。
流石にソウカの言動に疑問を憶えたリオはいぶかしげにソウカを睨む
(…マジで誰だ?俺の昔…消し去りてぇ弱い時を知っている?…だが、俺をバカにしてきたやつは皆殺しにしてきたはずだ…)
答えにたどりつけなかったリオを残念に見下しソウカは、しゃがみ近くに咲く花を一つ摘む。
「綺麗だろ?最近は見かけない様だな…。シロツメクサって言うんだ。クローバーといえばなじみ深いのかな?…と思ったが、最近は花を咲かせないんだよな」
ピッと摘んだ花をリオに向けて飛ばす。リオはうざったそうに掴むと
「花言葉は「復讐」」
「!?」
手に握った花を見てリオは一つの記憶が呼び起こされる。それはかつて英雄と呼ばれる事となった12人の始まりで最初の罪。己達の力のために、彼女の元で家族となっていた13人いた義兄妹の1人を贄にした日。
落ちていく彼と目が合った瞬間を、今も時々夢に見るあの日を
「……「絶対に殺してやる」……か。」
落ちゆく中に言われた言葉を復唱する。それを聞いたソウカは突然拍手をする。
リオはそんなソウカを見て確証にいたる。
「……なるほど…、生きてやがったのか…」
リオは捨てた過去に怯えながらも、やっと悪夢を払拭する事ができるという感情の中、兜に隠された顔を歪めながら笑う。
「……フラウ」
聞き覚えのない名前をリオは呟くのだった。
(フラウ…?彼の名前はソウカじゃないの?それに何だがかなりの古い顔なじみなの?)
物陰に隠れながら、リムルは思ってしまう。
ソウカはリオの言葉に少しだけ顔をしかめ、
「残念だが俺はフラウじゃない。俺はソウカだ。」
断言する様にソウカはリオに吐き捨てる。
「けど…思い出してくれて嬉しいよ。憶えていなかったから、どのような手段で思い出させてあげようと思っていた所だったんだ。」
ソウカの周りに咲く花たちを愛でながらリオへと対峙するソウカだったが、突如リオから盛大な笑い声が聞こえる。
「くっくっくっ!…あーーはっはっはっ!!生きていやがったか!てめぇみたいな使えない、無能な属性を授かったクズを!俺たちを英雄とするために産まれた贄が!生きていやがった!!そうか…わざわざ闘技大会で属性を使わなかったんじゃねぇ…使えないんだよなぁ?何だったかなぁ~てめぇの属性は…?」
突如上機嫌になったリオは手を大きく広げ
「花属性っ!!花咲かせるだけの属性っ!そりゃ何もできねぇよなぁ!!」
笑いながらリオはソウカを指刺すと
「…だから俺たちに捨てられたんだよなぁ~。あ~あおもしれぇ。何があったか知らないが、属性使わないで勝てるくらいの力を付けたところで…使えない属性を持っている手めぇが……持ってる俺に………ぐぉあ!!!」
ソウカを罵倒していたリオだったが、突如リオは兜を被っている顔に衝撃を受ける。
「…俺はお前と雑談しに来たわけじゃないんだ。言っただろう?殺しに来たって。………臆病者のリ・オ・ちゃ・ん?」
思ったよりソウカの掌底に威力があったのだろうか、リオの兜が歪み衝撃で闘技場の壁にぶつかっていた。
「クソがぁ!」
壁が炎を巻き起こしながらはじけ飛ぶ。崩れた壁から兜の投げ捨て素顔を出したリオが顔を出す。リオが掴んだ壁が溶けるように焼き焦げる。
「無能な属性のフラウの分際でえぇ!!英雄の俺に手ぇだすとは良い度胸じゃねぇかぁ!!」
鎧の隙間から炎が溢れるように燃ゆるリオは炎の推進力を生かしてソウカに飛びつく
「雑草がぁ!てめぇは地べたに這いつくばるのがお似合いだぁ!」
英雄の中で己が力を傍若無人に振る舞うのがリオだ。技術も細工も使わない。ただただ強大な暴力をもって、魔物を灰に変えていた。獣的で野性味の溢れる一撃がソウカへと降りかかる。
「…まるで獣だな。」
ソウカは触れてしまえば燃えてつきてしまう程の熱をもった拳を、穏やかな水面の如き静けさであしらう。猛々しい一撃を避けられ、隙ができたリオの脇腹に、先程の静けさから一転して激しい激流の様な掌底をぶつける。
「ぐぉおぉ!?」
再び転げ飛ぶリオだったが、野性味溢れる動きで持ち直す。
その後も、猛々しく暴れ回るリオに対し、時に凪、時に激流といった緩急をつけた武の舞をソウカが披露する。まるで舞踊の様な動きに影に隠れ2人を見ているリムルは見とれてしまう。
「はぁ…はぁ…クソがぁ!花の…無能の分際でぇ!!」
先程から一撃も与えられていないリオは、顔を歪めおとなしい見た目とは思えない程の形相でソウカを睨む。だが、突然落ち着くと
「あぁ…つまらねぇ…つまらねぇ…確かに力はあるようだ。クズの分際で俺に手をあげるなんて愚かな行為に走りやがる…。だがな」
そういってリオは手を空中に掲げると、
「てめぇじゃどんなに望んでも与えられねぇ力があることを教えてやろうじゃねぇか。昔のなじみだ。少しでも良い夢を見られて良かったな。
ニタァと顔を歪め
「炎剣イフリート」
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