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「んだ?こりゃ?手紙?誰からだ。」
リオは優勝者であるソウカを祝してやろうと思ったが、姿を消し何故かガストルからソウカより頼まれた手紙をもらう。
火の英雄…裏では狂炎と呼ばれているリオの前では、流石のガストルも萎縮してしまう。
「…わかりません…ただ、彼…ソウカに頼まれた物でして、私の方でも中身までは…」
鎧の隙間から漏れでる程の熱を感じながら、ガストルは言い訳がましく語る。
リオは受け取った手紙の表紙をまじまじと確認し、害が無いものと判断したのか、乱雑にします。
「ふん!」
その後はつつがなく閉会の儀は終わり、闘技大会は幕を下ろすこととなった。
リオは閉会の儀が終わると、私室に戻る。再び、誰も入れる事ない様に注意を促し、部屋の鍵を閉める。
リオは早速鎧を投げ捨て、ガストルにもらったソウカからの手紙とやらを乱雑に破る。
出てきたのは折りたたまれた手紙が一通だった。
「んだよ。やっぱり手紙じゃねぇか。」
彼ほどの実力者が渡すのだ。もしかしたらリオとお近づきになるために何かしらの価値ある物を渡してくるのだと少しだけ期待していた。
期待が外れたが、リオは手紙の中身を覗く。
「なになに…」
手紙にはこう書かれていた。
『拝啓 リオ・パドラックスへ
随分と印象が変わっているな。もう誰かの後ろに隠れる事は止めたのか?
お前にお似合いの舞台を今夜準備する。
闘技場でお前を待つ。
お前は必ず来るだろ?
人の影に隠れながらも人一倍暴虐性を秘めた貴女なら。
秘密を知るもの ソウカより』
英雄を挑発する様な手紙。簡潔に書かれた手紙を読んだリオは手紙を握りつぶして焼き捨てる。
「舞台だぁ?…貴女…秘密…誰だ?誰が俺の琴線に触れやがった。」
熱く滾った試合を見た後で、最高の晩餐を楽しもうと思っていたが、リオは考えを改める。
その後、立てかけていた自身の愛剣を掴むと兜を被る。むしゃくしゃしているのか、扉を蹴破り部屋をでる。
「直しとけぇ!!」
理不尽な暴君の指令に対し、メイド達はリオに怯えながら作業を進める。
火の英雄と呼ばれたリオ・パドラックスの最後の出陣だ。
「……どうしてソウカがいるのよ…」
闘技場の影に身を隠したリムルは小さく呟く。
あの日ソウカに負けた後、私は彼に過去を告げた。しかしソウカはそれを踏まえた上で復讐を窘める様な態度をとった。
…私には復讐しか残されていないのに…
強く槍を握りながらリムルは考える。あの場ではリオを殺す事はできなかった。さらに言えば、実行したとしても、彼女に刃は届かなかっただろう。
だからリムルは考えたのだ。
それは去年のリオの挙動についてだ。
彼女は何故か、大会が終わった後の闘技場に1人で足を運ぶ。何をしているかはわからないが、彼女は1人で夜に佇んでいた。
リムルはそこを狙う。気配を殺しながら彼女は静かな殺意を胸に闘技場に向かっていた。
そんな中、闘技場の入り口を同様な手段で忍びこもうか悩んでいた時、別の方向から闘技場に向かう人影を見つける。さっと隠れて人影をのぞき込む。少しずつ見えてきたのは、昨日まで一緒にいた人だった。
(ソウカ…?)
仮面を付けることなく、ソウカは闘技場にゆったりとした足取りで歩いていた。それ以上に気になるのは、大会の時に腰に携えていた長剣を持たず、ずっと気になっていた茨だけを持っていた。物陰からソウカを見守っていたが、ソウカは入り口に近づき警護している人に近づくと、何かし始めた。
何をしていたかはわからなかったが、警護の者達は事切れたかのように倒れ込んでしまった。
リムルの所からは見えていなかったが、ソウカは警護の者達にポピーを咲かせて眠らせていた。
ガラ空きとなった入り口をゆったり歩いて行くソウカを見やり、リムルも気配を殺しながら後に続く。舞台が見えるギリギリの所に身を隠し、リオがたどり着くのをリムルは待ち続ける。
(ソウカというイレギュラーがいるけど構うものか!…パパとママの復讐のため…)
人知れず槍に火を灯し、彼女を待つ
こうして、闘技場に三者三様の思いを胸に巡り合うこととなる。
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