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花亡き世界で~唯一の花属性で、裏切って廃棄した家族だった奴らにたむけを贈る  作者: アロ紙
火の英雄編

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閲覧ありがとうございます。

時は少し戻る。

ソウカがガストルの短剣を受ける直前までだ。

突如ソウカの動きを予測する様な発言をしたガストルを不思議に思っていた。

(確かに俺の動きを読んでいるのか?むしろ闇雲に……………………っつ!?)

ガストルが飛ばした短剣の軌道は、ソウカがこれから移動しようと考えていた先ではない。

あえて言えば的外れもいいところだ。しかし、その軌道を何故かソウカは目で追ってわかった。



(ふざけるなっ!あの方向は…!)

ソウカはガストルへと向かう軌道を修正し、的外れに飛ばされた短剣を追って、自らの体を使って短剣を食い止める。

「ぐぅう!?」

刺さった短剣に少し痛みを覚えるが、気にすることなく短剣を抜いて砕く。

砕いた短剣の柄を睨みながらソウカは思う

(そこまでして………








子供を狙ってまでも勝利を得たいか老害っ!)

チラリと受け止めた短剣の軌道の先を見る。目線の先にいたのは、この前初めて会話した子。迷子になりながらも明るく笑っていた、ニーチャとその友達であるマロンがいた。





ガストルは、短剣をあたかもソウカの移動先を予測して投げている様に語ったが、実際はある程度ランダムにソウカの移動先に飛ばすが、その中にソウカと親しいとされるニーチャに向けて短剣を飛ばした。

ガストルはこれまでのソウカの戦いっぷりを見て、底が知れないと判断した。

徒手空拳で弟子であるネイルを倒し、前回の大会で暴れたガルフィードとリムルを余裕で制した。そこでガストルは少しでも勝率を上げるために情報を収集する。

そこで見つけたニーチャだ。小さき子供という立場に彼は優しく応対していた。試合中の冷徹さとは打って変わった態度だ。



そこでガストルは勝つためにニーチャを人質とする事とした。ガストルとて子供を使うのは気が引ける。しかし、勝つために必要な犠牲ならば致し方ない。

それに、弟子をこっぴどく倒されたソウカを倒すためなら仕方ないと決めた。

(儂は負けることはできぬ!肩書き…元ではあるが風剣という象徴の肩書きを名も無きガキに汚される訳にはいかぬ!!)

決断したガストルは全部の短剣をニーチャめがけて投擲する。それに加え、短剣の速さを高めるため風という自身の属性を使う。

「デアブレスっ!!」

上空から地面へ叩き付ける程の風が吹き荒れる。

(調子に乗ったガキよ!年季の差を知るが良い!時には勝利のために犠牲は厭わん!)



ニーチャを狙う数多の短剣が今にも降り注ぐ。







試合会場全体を覆う程の激しい風が吹き荒れる。観客の多くは目をつむり、風の脅威に驚きを覚える。さすがは前風剣だ。会場全体に及ぶ風を使えるという強さに観客達は興奮を覚える。そして観客は思う「確かにソウカは強かった。しかし、これでは無理だろうと」と。



ガストルが起こした風によって煙が待っていたが、少しずつ煙が晴れていく。









数多の短剣と嵐が起きたにも関わらず、会場では大きく腕を拡げ、降り注いだ短剣の全てを身で受けたソウカが立っていた。庇った先には、激しい風の中でも特に影響がなかったかの様に見えるが、激しい戦闘に怯えるニーチャとマロンが抱き合っていた。

「…っつ!流石にこの数は少し痛いな…。まぁ師の刺突には劣るか…」

ガストルの短剣と嵐を受けても、特に大きなダメージが無かったかのように悪態をつく

しかし、所々から出血し、会場を赤く汚している。

「お…おにいちゃん?」

「ん?どうしたんだニーチャ?」

これまでソウカに守られているなんて思わなかったのだろう。血を出すソウカに少しだけ怯えながらも声を絞り出す。今までは、いち早くソウカが駆けつけており、ニーチャやマロンが狙われていると感じなかったのだが、流石に数多の短剣が飛んできた時に自分達が狙われていると感じた。



それを察しているのか、ニーチャはこれまで守ってくれたソウカに声をかけなければならない気がしていた。

「ご…ごめんなさい。ニーチャ達が…仲よ「謝るな」………えっ?」

ニーチャの声を遮る様にソウカは告げる。今までの様な暖かい声ではなく、諭すような声色で

「ニーチャ。こんな云われもないことで謝るな。俺と仲良くなった君が悪いとでも?仲良くなったからガストルに狙われる…俺の弱点になってしまう。っと思っているのか?」

冷たく語る言葉にニーチャは少し怯えてしまうが、途端にソウカの声が優しく暖かい声に変わる。

「…この街には、今回限りだと思っていた。俺の目標を達すれば二度と足を踏み入ることはないと思っていた…。だが…」

刺さる短剣を抜き、砕きながらソウカは語る。決してガストルに何かさせないためにもガストルには最善の注意を払いながら。

「少しだけ、この街に再び立ち寄っても良いと思える出会いがあったんだ…。おてんばな君がどんな成長を遂げるのかをね。……それに料理の腕も期待しているよ?」



短剣を全て抜き終わり、ニーチャの方を向いていた体をガストルに向け直し

「だから君が…君達が気に病む必要はない。謝る必要もない。悪いのは誰か?んなもの決まっている。」

自身の全力をものともしないソウカに驚愕するガストルを指差し

「そこの老害だ。」

「…っつ!!」

「謝るな。今の君達に必要な言葉は謝罪じゃない…」

言葉の意味を理解したのかマロンは少し驚きながら、ニーチャに耳打ちをする。ニーチャも意味がわかったのか、目尻に溜まった涙を拭い、ニカッと元気に笑いながら

「「ありがとっ。おにいちゃん(ソウカさん)」」

「どういたしまして。…子供は純粋でないとな。」

後ろ手で手を振り歩き出す。先程まで抜くことはなかった剣と剣の鞘を強くつかみながら。

そして、ガストルに静かでそれでいて激しい殺意を抱きながら





最初に感じたのは、流石の年季だ。属性の使い方が上手く、衰えたといわれているが技巧を強く感じる。だが、それだけだ。技に特化したと思ったが、師達の様な積み重ねの重みを感じる事はなかった。


剣を交えてわかったのは、要所要所で光る技。多くのものはこれに敗れてしまうのだろうが、ソウカは違った。これまで培ってきた技術で問題なく対応できた。


そして、ガストルが行った観客をニーチャを狙った行動を起こした時に心の奥底から、煮えたぎるものを感じた。弱者を…力無き者を狙ってまで勝ちに行く手段をとった事が許せない。たかが名声のためにガストルは未来の種を摘もうとした。




…あんな老害を勝たす必要は無い。そう思いソウカは決意する。今なお鞘から抜かれる事のない剣を見つめる。……師にもらった剣を



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