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「朝か…?それにしては日が高い…」
あの後、リムルが寝息を立てているのを確認し、ソウカも眠りについた。翌日は決勝でリオへの復讐を決行する日だ。遅くまで起きている必要はなく調子を整える必要があった。
決勝は開催が遅く、午後からになるので早く起きている必要はなかった。
大きく伸びをして、リムルが眠っていたベッドに目をやるが
「…そりゃ居ないよな」
隣のベッドは綺麗に整えられており、もぬけの殻となっていた。しかし、ベッドの真ん中には書き置きだろうか紙が落ちていた。さっと拾い書かれた文字列をみる。書かれていた内容は単純かつ明解だった。
「『バカ』か…。嫌われたものだな」
紙をしまい、自分の持ち物をもって、部屋をでる。
階段を降りて、食堂へ向かうと受付に宿屋の娘さんがいつも通りいた。
「遅いお目覚めだね~。って決勝は午後からか。…驚いた~てっきりリムルのお姉ちゃんが勝つと思ってたのに、お兄ちゃんが勝つなんてね~。そうだ!早く座ってよ!もうお昼だけど朝食の準備してあるから!」
「ん?俺はまだ朝食代を支払ってないが?」
昨日はリムルを運んでいたので特に次の日の食事については話してなかったはずだ。
「あれ?もうもらっているよ。…リムルのお姉ちゃんに聞いてないの?」
受付の子はあっけらかんと告げる。どうやら、リムルがさりげなくソウカの分も朝食代を支払っていたらしい。
(バカと呼ばれていたが…)
リムルが勝手にいなくなったという事を特に告げることなく、朝食をあやかるために席につく。朝食はすぐに出てきて遅めの朝食を摂る。
この宿で食べる最後の朝食。少し感慨深く感じながら口に運ぶ。
さっと朝食を食して荷物を持ち仮面を着ける。出された料理を持って娘さんのところに向かう
「ご馳走様。それと世話になったな」
娘さんは別の仕事が残っているのだろうか少しだけ忙しそうにしながらもソウカに応える。
「んにゃ?あぁ置いておいてちょうだい。気にしないでいいよ。…また使ってちょうだいね?」
「…そうだね…機会があったら使わせてもらうよ。」
おそらくリオを殺せばこの街に来ることはないだろうが、それでも来ることがあったら使わせてもらう約束をして、宿をでる。
宿を出たところで特に誰かに囲われることなく、ゆっくりと試合会場へ向かう。
最終日ということもあり、街はとても賑わっていた。今日でこの祭りが終わるのだと思いながら、色々な屋台を周りめぼしい食べ物などを見つけて、買い物をする。
(せっかく見たことのない食材が多いんだ…。師にもらった収納袋があって助かった…。)
師が別れの際にくれた収納袋。開けてみると光を飲み込みそうなくらい暗い闇が広がる。
(…にしても、ホントに収納されているんだよな…)
中は暗くて全く何も見えないため少しだけ不安を覚えてしまうが、師がそんなへまをする事はないだろうと思い収納袋の口を閉じる。
屋台の店主礼をいって、会場へ向かう。
「あっお兄ちゃん!」
会場に向かう最中の屋台から聞き覚えのある声がする。ソウカが目を向けると、屋台から大きく手を振っているニーチャを見つけた。ソウカは手を振り応えながら屋台へと向かう
「ニーチャじゃないか。お手伝いかな?」
「うん!お友達の屋台でお手伝いだよ~」
ニコニコとしながら、エプロンをひらひらと見せつけながら笑う
「似合っているね…えぇ~っと…」
ニーチャの隣でソウカに少し怯え、屋台の影に隠れる存在を見つける。隠れている子に気がついたのか、手を引っ張りながらその子を連れてくる
「ちょ…ちょっとニーチャちゃん…!」
「大丈夫だよ~見た目はともかく優しいよ!ねっ!?」
さりげなく見た目をけなされた気がするが、子供のいうことなので無視をする。
「あはは…それで君がニーチャのお友達かな?」
ソウカは子供達の目線に合わせる様にしゃがみながら尋ねる。しかし、彼女はすぐさまニーチャの後ろに隠れてしまう。
「も~~マロンちゃんは恥ずかしがり屋だな~」
さらっと隠れた彼女の紹介をするニーチャ。
「も…もうニーチャちゃん!…だってこのお兄さん…怖いんだもん…」
「え~~そんな事ないよ。確かに仮面は少し変だけどね!!あっはは!!」
「……(こくり)」
リムルにも不評だったが、どうやらニーチャ達にも不評らしい。少し悲しく思いながら、ソウカは仮面を着けたまま悲しく笑う。
「どうせ変ですよ~だ。それで、ニーチャとマロンちゃんはお手伝いなのかな?」
「そうだよ!マロンのお父さんのお手伝い!ねぇねぇみていってよ。」
結局ニーチャに捕まり、マロンちゃんのお父さんのお店で勧められるがままに大量の串焼きを買わされる羽目になってしまった。
「試合がんばってね~~!!」
大きく手を振るニーチャの隣で小さく手を振るマロンに軽く手を振り、少し急ぎながら試合会場へ向かう。
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