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『パパァァあぁあぁぁ!!ママァァァあぁぁぁ!!!!』
『『っつ!?リムル!』』
事が切れかけた時に、木の陰から最愛の娘の声が聞こえる。
何故来てしまったんだ?どうしてこの場に?…最後に君を見ることができた。と様々な感情が溢れるが、イトラとシャンナの命の灯火は消えかけている。その姿を見てしまったリムルは本能なのか、イトラが渡した槍に火を纏い、土を隆起させながらリオに向けて突進してくる。
ちゃんと使えるのか…やはり私達の娘は才能がある。そう思いながら、涙が溢れてくる。
『あぁ!?パパとママだぁ?ちっガキがいやがんのか、……邪魔くせぇ』
イトラとシャンナを刺した剣を担ぎリオはリムルへと体を向ける。
『見ちまったからなぁ…わりぃが産まれてきたことを恨めや』
剣を構えようとするリオだったが、突如頭を何かにつかまれそのまま地に叩きつけられる。
『ぐぅう!?なんだぁ!?』
『……黙れ…』
リオの頭上には翁の仮面の隙間から黒き煙が漏れ出した、キャプリコーンだった。
キャプリコーンはリオを押さえつけ、リオに槍を突き出しているリムルの首に黒き影を使って衝撃を与え、気を失わせる。倒れ込むリムルを作り出した影で支える。
『っつう!退きやがれ!俺はそいt『黙れと言っている…』
遮る様に、どす黒い感情を露わにしてリオを黙らせる。
『お前は…お前はっ!!救えた命をなんだと思っているっ!!』
『はっ!んだと?救えた命だぁ?俺たちが掌握した命だ。どうしようが俺の勝手だ。所有者だぞ!文句ぬかしてんじゃねぇぞ!!』
押さえつけされながらもリオは怒号をあげるが、実力差と何よりもキャプリコーンの怒りの琴線に触れた。そのため、リオは動くこともできず押さえ込まれたままだ。
キャプリコーンは仮面の隙間から涙を流し
『…何故だ。…救えた命。つなげられた命を絶ちきるなんて…。俺とお前は友だ。身寄りの無い俺たちはあの人の元で家族だった。…だからこそっ!友の…家族の過ちを許すことができない…。』
涙しながら紡ぐ言葉と共に、キャプリコーンの腕が黒く染まる。闇を使う彼ならではの力だ。黒く染まった腕で押さえ込まれたリオの頭はギリリっと音を立てる。
『俺たちに…俺に……二度と友を、家族を殺させようとしないでくれっ…』
リオはキャプリコーンの言葉について目を見開き、抵抗を止める。
『……あぁわかった。離してくれ。もう大丈夫だ。』
語気を荒げることなく落ち着いたと判断されたのか、キャプリコーンは掴んでいたリオの頭を離す。開放されたリオは立ち上がり、身だしなみを整え兜を被り
『取り乱した…。………それと、俺たちは一度も家族を殺しちゃいねぇ』
素っ気なくリオはその場から去って行く。
思い出しながら、あのとき殺した奴らが告げた言葉、逃した少女。そして弱かった自分に嫌気がさし、再び酒をあおる。
「淋しいか…はっ!何がわかんだ。」
今自分がいる部屋を見る。
あんな村では到底手に入る事ができないであろう工芸品の数々。貴族達が喉から手が出るほど欲しがる魔物の素材。貴族ですらパーティーでしか口に出来ない様な酒などが並ぶ。
これだけ見て、誰しもが成功者であると思える。実際にリオも成功者であるという自覚がある。だからこそ、彼らに言われた淋しい人という感覚がリオにはわからなかった。
「あぁ~せっかく明日が血湧き肉躍る最高の日になるっていうのに、あんなつまらない事を思い出さなきゃならねぇんだよ」
むしゃくしゃする過去を思い出し、彼女は残り少なくなった酒を一気に口に含む。
空となった瓶を投げ捨てて、
「ちっ!もう空か。スコーピオに頼んどくとするか。」
誰も居ない部屋の中で1人悪態をつく。
リオは知らない。これが彼女の最後の晩酌となるということを…
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