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リオは名前も顔も見た事が無かったが、親の敵といわんばかりの殺気を込めて彼らに大剣を振るう。リオの殺気を浴び怯えてしまった彼らを守る様にキャプリコーンは大剣をはじき続ける。実力という点において、キャプリコーンの方が優れているため、リオの大剣の勢いは少しずつ落ちていく。
『くそがぁ!そこを退きやがれ!俺はそいつらを殺す。良いか?てめぇも知っているだろ?俺の顔を見ることは許さねぇと!!』
落ちた勢いとは裏腹に彼女の炎が衰えることはない。素顔を見た奴は殺すという明確な使命のために。
そんな勢いをものともせず、キャプリコーンは正確に対応するが、ここで一つの失態をおかしてしまう。それは突然聞こえてきた
『あぁ………お前1人に先には逝かせねぇ。…お前は方向音痴だから迷っちまうよな…』
小さく聞こえた声にキャプリコーンは先程助けた彼らをみる。
見た先では、キャプリコーンが間に合わなかった女性を抱きかかえる男性が、恐らく懐に持っていただろう短剣で自らの命を絶とうとした姿だった。
『っつ!?止めろぉ!!』
咄嗟に彼の持つ短剣を弾こうと彼の影から闇を出現させるが、間に合わず彼、ロワはシューニと共に逝くことなった。
リオから目を離した瞬間をリオが活用しない手はない。リオは、即座に彼らの元に回り込み、弁明も贖罪も聞くことなく、シャンナの胸元に大剣を仕向ける。
大剣はシャンナの心臓へと吸い込まれていくが、寸前で別のものを貫く感覚を感じる。
『あぁ?』
『ぐふぅ…』
呻き声を上げたのはシャンナと同じく、ロワの死を見届けたイトラだった。イトラはリオが出す殺気の中、シャンナに危機が近づいたと感じた瞬間、考えるよりも先に体が動きシャンナを庇ったのだ。
リオの大剣に手をかけ、これ以上先には進ませないように押さえ込むイトラ。刀身に炎を宿している大剣だ。イトラの腹を、手を焼く様に猛威を振るう。
『うぐっぅ!…はぁはぁ…英雄さんは気が短いね…』
『ああぁ?んだと?』
所々が焼かれ呻きたいはずのイトラが絞り出したのはリオに対する皮肉だ。
『いや~…顔を見られた位でこんなことするんだろ。誰だってそう思いますぜ?言われなかったですか俺と同じような事?…それとも今みたいに口止めを?』
腹が貫かれているとしても構わずにイトラは笑う。
『………』
『はっははっ!無言は肯定ですよ…。…きっと女だから。おとなしそうだから。そんな決めつけで何か言われたことがおありで?………悲しいですね。』
恐らく、いや確実にイトラは死ぬ。それでも命乞いや怨嗟の言葉を彼は紡がない。
本来なら、リオの事を無視して、シャンナへ最後の言葉を伝えるべきだろう。または最愛の娘であるリムルに伝えて欲しい言葉を残すべきだろう。
しかし、彼が最後に言葉を伝えるのは、刃を己が身に突きつけたリオだった。
『…数多の声から、小さな声だけを気にする…。小さな声を無視するなとは言いません。』
どこから力が出てくるのかわからないが、リオが持つ刃を抜く素振りをする。
『ですが……気にしてばかりだと、身を焦がす。英雄に言うのもなんがだな…』
イトラは死ぬ寸前だというのに、強い気迫の籠もった顔で
『…あんたなんか周りはそんなに気にしてねぇよ。…小心者が!』
リオは無言で剣に宿らす炎を抑える。一瞬助けるのかと思ったが、再度剣を握る手に力を込めて、貫通した穴を拡げる様に突き刺す。剣はイトラが庇ったはずのシャンナまで伸びシャンナをも突き刺す。
『黙れ…てめぇら見てぇな雑魚が俺に意見するな…』
イトラの言葉はリオに刺さることはなかったが、突き刺すリオの横から炎の鞭が飛ぶ。イトラと共に刺されたシャンナによる攻撃だ。イトラとリオの会話に口だしをする事はなかったが、ここにきてリオに言葉を浴びせる
『………淋しい人』
それだけ言うと、シャンナはイトラへと
『…リムルになんて言いましょうか?』
『……そうだね…俺と君の娘だ。きっと俺たちの死を乗り越えてくれる…』
『そうね…あの子の大切な人を見られないのは心残りだけど…』
お互いに涙を浮かべながら会話をするが
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