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花亡き世界で~唯一の花属性で、裏切って廃棄した家族だった奴らにたむけを贈る  作者: アロ紙
火の英雄編

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閲覧ありがとうございます。

開けた道を走り、たどり着いた村。

所々で火の手が上がり、人々の叫び声などは既に枯れてしまったのだろうか。

『はっ!ちと遅かったかぁ?ほとんど滅んでんじゃねぇか?こりゃ救う必要があんのか?あぁ!?』

『お前が遅れたのが原因だ。文句を抜かすな』

『はぁ?ったくこっちにも準備が必要なんだよ。くみ取ってくれねぇとモテねぇぞ…』

『隠しているというのに意味があるのか?化粧というのはわからんな…』

リオが何故悪態をつくのかキャプリコーンはわからなかっただろう。

リオは英雄であることを誇りに思っている。それと同時に英雄という称号に固執している。



だからこそ既にほとんど滅んだ村というのは、無意味であると思っている。英雄と決めるのは誰だ?当事者であるリオ達であろうか?…………リオは違うと思っている。

英雄とは誰かが呼ぶ称号だ。誰かを助けるために誰かのためにある。そしてそれに縋り希望を見いだし、願う存在。それが英雄だ。



だからこそ、リオは誰も居ない滅んだ村など意味がないと考えている。

なぜなら、誰も彼女を英雄と縋らないからだ。誰も彼女に期待しない。救ってくれと伸ばす手すらない。だからこそ、この滅んだ村を救う必要があるのかと思ってしまう。

家が残っていれば、人が戻ってくる?魔王がこの村の南に城を構えた。そんな場所に力無き者が帰ってくるのだろうか。恐らく誰も戻ってこないだろう。



先程キャプリコーンが言った特産と呼ばれる綿は燃え、食を支えていた家畜は死に絶えて魔物のエサとなった。




見方を変えてしまえば、英雄達が間に合わなかったと呼べるだろう。しかし、そう呼ぶのは少ないだろう。バスラ村の生き残りからしたら、間に合わなかったというだろう。

しかし、他の人々からしたら自分の村や街に来る前に食い止めてくれたありがとうとなってしまうだろう。



故に彼女はこの街を救う必要があるのかと問うのだ。





しかし、英雄という称号に固執するのと同じくらい彼女は暴れたい。もてはやされる事は嫌いではない。むしろ、好ましいのだが、少しは羽を伸ばしたい。英雄という象徴であることは想像以上にストレスだった様だ。



だから、人が見ていないこの場所こそ、己の力を存分に発揮し、暴れ回れることができると思った。



そして彼女は先程仕舞った大剣を抜く。抜くと同時に体の奥底から湧き上がる炎を大剣に宿す。ある日、彼女達英雄と呼ばれる12人が手にした武器。魔物の屠り統べる王を殺すために与えられた武器。火を宿すリオが持つのは、数多の魔物を焼き払い人々のために道を切り開くための剣。



そして彼女達は口上を述べる。一つ残らず魔物を屠ると決めた時にだけ述べる口上を

『…英雄が1人。闇のキャプリコーン・パドラックス。参る』

『英雄がぁ1人!!火のリオ・パドラックスだ!!派手に暴れるぜ!!』

黒と紅の蹂躙が始まる。





『ぎゃぁあぁあぁあぁあぁ!!』

襲いかかってきたギガントホークスを焼き払う。刀身が紅くなった大剣を担ぎ一息つく

『ふぅ。こんなもんか』

リオが振り向いた先には数多の魔物の死体が転がる。どの魔物も損傷が激しく所々炭化している。それに付近は何故か開けており、魔物と同じくらい多くの木々が倒れて焼かれている。

守る者が居ない中で彼女は木々への被害を気にする事なく暴れ回った。

雑多に放置された魔物達の死体に向けてリオは手を伸ばし、

『浄炎』

手から数多の炎が出現し、触れた死体から消し炭にしていく。少し経つと何もなくなった焼け野原となる。満足がいくくらい暴れたのだろうか。

リオは一緒に来たキャプリコーンを探す。



キャプリコーンはすぐに見つかった。彼の近くには数多のオークなどの雑魚が原形をとどめていない状態で散らばっていた。

(なんだ…もう終わってやがったか。…にしても今回は俺の勝ちだな。オークやゴブリンばっかじゃねぇか)

リオは自分の戦果を自慢しに、少し熱くなったので兜を脱ぎ、近くに落ちていたゴブリン等の頭を蹴り飛ばしながらキャプリコーンへと向かって行く。

『ははっ!戦果はどうだ?キャプリコー………ン』

リオがキャプリコーンに近づいた後で目の前の光景に固まってしまう。



リオが来たことに気がついたキャプリコーンは振り返りながら

『リオか。お前が来たということは、そちらは片付いたようだな。…っとなんだ兜を……っつ!?』

キャプリコーンは即座に持っていた槍でリオの大剣を弾く。

激しく猛る炎が近づくが、闇を駆使し熱や勢いを飲み込む。

『落ち着けっ!リオ!たかが顔を見られたくらいで憤慨するな!』

怒鳴り落ち着かせようとするキャプリコーンに対し、リオは聞く耳を持つことなく

『だ…黙れっ!見られたからには殺す。…言っただろ?俺は…素顔を見た奴は殺すと!』



大剣を弾きキャプリコーンは

『数少ない救えた命だ!たかがお前の中だけの契りで散らす命ではない!!』

『たかがだと!?仲間だろうがふざけてんじゃねぇぞ!!』

リオは見てしまったのだ。キャプリコーンの近くで1人の女性を抱きかかえすすり泣く男と、その男に寄り添う様に手を添える2人を。

息を引き取っていたのはシューニ。シューニを抱き泣くのはロワ。そして彼らに寄り添うのはリムルの両親であるイトラとシャンナだった。



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