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火の英雄目線です。
豪快に通路を歩く音がする。燃ゆる様な紅と飲み込まれそうな黒の鎧を身につけた者は自室に着く前に、メイド達に告げる。
「では…誰も入ってくるな」
「「「「「畏まりました」」」」」
深々と頭を下げるメイド達を見送り部屋の主が部屋に入っていく。
無人の部屋につくと、鎧の者は着けていた鎧を外す。大柄な印象を与える程の巨躯を彷彿させる鎧を脱ぐと、現われたのは、髪を目元まで隠し、どこかおとなしそうな印象を与える女性が顔をだす。目はどこかおどおどした印象を覚える。先程までの口調や佇まいからは想像できない見た目だ。
彼女、リオ・パドラックスは鎧を脱ぎ一息つくと、豪勢な椅子にぞんざいに座る。
「はぁ~~~。だっりぃ!」
やはり見た目とは真逆の言葉遣いだ。
リオは、机に用意してあった、酒精の強い酒に手を伸ばす。同じく英雄と呼ばれた1人のスコーピオが発明したとされる花を必要としない芋を用いた酒だ。味は人を選ぶと言うが、リオはこの味が好きだった。酒精が強いと言われている酒をグラスに注ぐことなく、そのまま飲み出す。
「んくっ…んくっ……ぷはぁ!」
酒精の強い酒が喉を焼く感じが彼女は好きだった。そしてリオは今日の選手達の戦いを思い出す。
「いや…良い戦いっぷりだ。やはり、武器を交えて戦うというのは良い。……だが、命をかけての戦いができないというのは歯がゆいなぁ…」
獰猛な笑みを浮かべニタリと笑う。だが、ふと冷静な顔になると、試合をしていた者を思い出す。
「…あの女どっかで見た気がするんだよな…火に土…紅い槍……ん~
あ~殺した奴らなんて覚えてねぇからわかんねぇな~」
リオは確かに英雄だ。数多の魔物を己が炎で焼き払ってきた。もしかしたら助けられたかもしれない者達ごとだ。
そんな彼女だが、どうしても気になったので思い出そうとする。
「ん~~~…。
あっ!思い出したぜ!せっかく俺が助けてやったのに罵倒した奴だ。」
思い出したら、そのときの事で少し苛立ちを覚える。
「ちっ!キャプリコーンの奴に口うるさく言われた時か…」
そして、リオはリムルの知らない過去の真実を思い浮かべる
リオとキャプリコーンは地を駆けていた。英雄と世間に評価され始めたころ。様々の地域に時には12人で時には別れて向かい、魔王の手下とされる魔物達を屠っていた。
そんな事が続いていたが、最近は魔王達の動きが活性化してきた。
そして今回の依頼だ。魔王は複数箇所を同時に攻め込むという行動に出た。
これに対し、人類は英雄を必要に応じて振り分けるという事で解決しようとした。
『にしても、バスラ村か…聞いた事もねぇな。』
リオは国王に渡された地図を見て、改めて派遣された先の村を確認するが、やはり聞いた事もない。そんなリオの隣で
『勉強不足だな。バスラ村は木綿で盛んな村だ。質は上から下まであるが、最高級なものとなると王へ献上されているものもある。』
隣でリオをバカにするのは、同じ英雄の1人で闇属性のキャプリコーン・パドラックスだ。
博識ではあるが、少し相手を小馬鹿にする態度があり、リオは昔から少し苦手だった。
だが、実力は申し分なく、悔しいがリオよりも実力があると謳われていた。
『はっ!そんな有象無象どもの事なんてどうでも良いんだよ。いちいちそんな小さなもん気にしてたら息苦しいったらありゃしねぇ!』
キャプリコーンがひけらかしてくる知識なんて、必要ないとバカにしていると、森が見えてきた。地図を見ればこの先に襲撃されている村があるとされる。
森の入り口につくと
『…めんどくせぇな。燃やしても良いか?』
剣を抜き、火を宿そうとするとリオに対し、
『いい加減にしろ。燃やしてしまえば救える命も散ってしまう。……時間がないか。今回ばかりは仕方がない。』
リオを制止し、キャプリコーンは愛用している槍を構えると、闇を纏う。
いつ見ても不気味だと感じてしまう。どこか締め付けられるような感覚。
キャプリコーンは闇を槍に纏わせると、
『破っ!』
空に向けて振った槍は、纏っていた闇を飛ばす。
飛んでいった刃は目の前にあった数多の木を切り裂く。裂かれた木は刃が触れた場所から腐るように塵になっていく。そうして、直線上に大きく開けた道ができる。
『…行くぞ』
槍を担ぎキャプリコーンは、移動を始める。
『…へいへい』
せっかく抜いた大剣を戻し、リオも移動を始める。
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