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軽食でもらってきたシチューにパンを付けて、堪能するリムル。生きているという実感を堪能しているようだ。ひとしきり食事を堪能した彼女が少し落ち着いたタイミングで話を切り出す。
「ふぅ…ねぇソウカはバスラ村って知っている?」
突然切り出された村の名前、正直に応えることにした。
「…すまない。聞いた事のない名だ。」
少しだけ知っているのではないか。という期待があったのだろうか、少しだけ悲しく笑い
「…気にしないで、バスラ村…聞いた事がなくて当然よ。もう地図にない既に滅んだ村ですもの。
リオ……いや、十二英雄と呼ばれる彼らの唯一の汚点として挙げられる村。魔王軍と十二英雄が激突した村。
そして…私の大切な故郷。」
リムルは少しずつ、自身の過去を。リオを恨まなければならなかった過去を語る。
バスラ村は大陸の南に位置する場所に存在した。ちなみに魔王軍は今の王都やこのコロセウルがあるヨーロレ大陸の最南端に城を構えていた。
構えていたという過去の表現になってしまうのは、十二英雄と魔王軍の激戦により、ヨーロレ大陸の最南端部は寸断されてしまっている。
そのため、魔王軍の基地は海を隔てた先で滅んだ。と伝えられているそうだ。
生憎、魔王軍が君臨した時、俺は別の所にいたので全く情報が入ってきていない。この知識もコロセウルに来る途中にロバートさんから教えてもらった。
人伝の知識。それも当事者でない人の知識に限りがある。そのため、ロバートさんからバスラ村の話は聞いた事がなかった。
ソウカの考えを知らず、リムルは過去を語る。
「バスラ村はそこまで大きな村ではないわ…」
『リムル!お父さんは嬉しいぞ。』
大きな手で優しくリムルを抱きかかえる。リムルの父親であるイトラだ。
『ホントね!まさかパパと私の属性を発現するなんて!』
2人に寄り添う様に、リムルの母親であるシャンナが笑う。
2人はバスラ村とは離れた場所で冒険者をしていたときに出会った。そして依頼でバスラ村に来たとき、リムルを身籠もった。
元々、冒険者としての限界にも達したと判断していたし、そろそろ引退を考えていた。なにより、バスラ村ののどかな雰囲気。そしてよそ者の2人を無碍にせずに扱ってくれた村の人となりに惚れた。
村としても、周辺にいる魔物を対処する腕っ節の立つ人がいなかった。幸い強力な魔物が発生したことのなかった村なので、冒険者を引退した彼らであっても問題なく守ってもらえるだろうという思いもあった。
そんな経緯で2人はバスラ村に歓迎された翌年にリムルが産まれた。
過疎が進んでいるバスラ村で、新たな生命の誕生は村一丸となって祝福した。
皆が皆、孫ができた。ひ孫ができた。等といってリムルを可愛がっていた。
イトラとシャンナが魔物を狩りに行く時は、村人達でリムルの面倒を見ていた。
村総出で可愛がられたリムルはすくすくとおおきくなり、
『えいっ!』
幼い手が握るのは刃も突いていない木の棒だ
『良いぞリムル!…ほらっ!』
木の棒を受け止めて、あしらうように木の棒をひったくる
『きゃぁ!…もう~パパ痛いよ~』
『はっはっはっ。まだまだリムルには負けられないな。』
イトラは木の棒を肩に担いで豪快に笑う。
のどかな村の1日は今日も過ぎていった。
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