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「うわぁぁぁあぁぁぁぁああぁあぁぁぁぁぁ!!!!!」
槍を起点に先程よりも猛る激しい炎が吹き出す。これまでの炎が遊びであるかのような炎を携えて、身を焦がしながら彼女は槍を構える。
「属性の暴走か…」
猛々しい炎を見ても平然とした素振りで彼女を見つめながら、剣を構える。
片手で持つための武器ではない長剣を片手でたやすく持つ。右手を剣の刀身に添え、左手を引き剣と地と平行になるように構える。
誰しもが彼を見て突きと判断する構え。
「突き?槍に対し、剣が勝ろうなんて…私を何度バカにしたら気が済む!!」
彼女の問いにソウカは
「バカにする?逆だよ。これは師から教えてもらった技の一つだ。極めた者の技。君にそれを見せてやる。」
ソウカは構えを解かずに語る。
……師が教えてくれた技。かつて異国の反乱分子を封ずるために産まれた組織の技術。数多くの流派がひしめきあった場所で、最初から見てきた彼が教えたくれた。
『最後は裏切られちまった。がははぁ』と何でもないように語る師の顔が浮ぶ。
殺された事に対し、なんとも軽く話すものだなと思った。
だが、彼の技術は素晴らしかった。猛々しい動き。そして、…殺す事に特化していた。
「ふざけるなぁ!それがバカにしているって事だぁ~!!」
リムルは槍と一体となり
「クリムゾンハスタァァ!!」
ソウカは彼女が繰り出す本気の突きに応えるように真っ向から対峙する。
「教えてあげるよ…。上には上がいるという事を…。」
本来ならば紅槍と言われる彼女が放つ槍が勝るであろう。観客達は去年、彼女が魅せた槍の技術を知っている。そして今年の彼女をみて、より洗練された技術を目の辺りにした。
だからこそ、彼女が先程から圧倒されている事に驚きを隠せなかった。名前もこれまで聞いた事のない選手。冒険者として名を馳せていた?いや彼は何処でも聞いた事がない。
それこそ情報通と呼ばれる冒険者達も聞いた事がなかった。
そして彼らは同時思う。「ついに彼の快進撃もおしまいだ。」「彼女のあの攻撃は去年、前風剣ですら手こずったのだ。」「決勝は彼女と前風剣のリベンジマッチだろう。」と
そんな観客の期待など知ったことではないソウカは構えを解かずリムルに向けて
「ミブのオオカミと呼ばれた彼らの技を!」
師の友が極めたとされる必殺の剣。師はカタナと呼ばれる獲物でこそ真価が発揮されると言っていたが、生憎カタナと呼ばれる武器は存在しないし、師が持っていた獲物もしっくりこなかった。
それでも師は俺にこの技術を教えたかったのだろう。カタナのための技術を剣に変換し、俺に教えてくれた。己が悪だという存在を斬る技。
見せてもらった時に「避けられてしまえばおしまいだ。隙が多すぎないか?」と聞いた。師は大げさに笑い
『がははっ!避けられたらだと?バカだなぁ我が弟子は。避けられた後なんて気にするな。いいか…避けられる心配は必要ねぇ。外さなきゃいい…避ける隙さえ与えない程に、速く・鋭く・勇ましく突け。俺が教える技術は必殺だ。必ず殺すと書いて必殺だ。もしとかたらとかねぇ。それを使うなら必ず…………殺せ』
あまり真剣にならなかった師だったが、このときばかりは真剣な顔で言っていたことを思い出す。
(流石に鞘の状態でも必殺を貫かなければならない訳ではないよな…?ってか死なないよな?)
少しだけ不安になったが、雑念を払拭し教えてもらった技を繰り出すことに集中する。
「穿狼っ!!」
彼が繰り出す突きは音と世界を置き去りにする。
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