序章-2
閲覧ありがとうございます。
小分けして1章完結まで走りたい…
「もう8年くらい前ですかね…。あのときから様々な事が起きました…。」
少し目を閉じて過去を思いだす。生き残るのに必死で、誰もが足掻いていたあのときを…
8年前、世界に混乱が生じた。
突如世界の片隅から、「魔王」たる者が具現したからだ。
この世界には魔物という種が昔から存在する。時に人々を襲う彼らは時には人々の血肉となる存在でもあった。
ゴブリンと呼ばれる弱い魔物もいれば、ドラゴンと呼ばれる人々を滅ぼし兼ねない力を持った種も存在した。
そんな魔物を前に人々はただ指をくわえているだけだろうか?
否。
人々には、昔から抗うための力を持っていた。
それは「属性」だ。
10を数えた歳に人は世界から祝福される。という意味で個人に属性が宿る。
「火」を授かれば、火を用いた魔法や武器に火を宿すこともできる。さらには火を活用して、料理や陶器といった産物を生み出すこともできる。
人々は自らに宿った属性を活用することで、魔物に対抗し続けて来た。
時には同じ属性を持つ者同士が束になり、火を炎にした。またあるときは異なる属性を重ねて新たな属性を生み出した。
そうして人々は属性を駆使して、魔物達の侵攻に対抗していた。
その均衡に歪みが生じた出来事が起きる。…そう「魔王」だ。
彼の者は数多の魔物を引き連れていた。そして、魔物は今までとは比べものにならない強さを持っていた。
ゴブリンなのに知恵をつけて、作戦を持って人々を蹂躙した。ドラゴンは一夜にして、一つの街を火の海に変えた。
これまでの均衡が嘘かのように人々は蹂躙されてしまったのだ。
このまま「魔王」や魔物に怯え続けるのかと思った矢先。世界に一筋の光が落ちた。
それは幼い12人の子供達だった。
子供達は自らを「パドラックス一族」と名乗った。
「幻」のエリース・パドラックス
「雷」のトーラス・パドラックス
「光」のジェミナイ・パドラックス
「時」のキャンサー・パドラックス
「火」のリオ・パドラックス
「氷」のヴァーゴ・パドラックス
「付与」のリブラ・パドラックス
「土」のスコーピオ・パドラックス
「風」のサジタリアス・パドラックス
「闇」のキャプリコーン・パドラックス
「水」のアクエリアス・パドラックス
「音」のパイシース・パドラックス
子供達は与えられた属性と、授けられたであろう武器を持って魔物に抗った。
最初は小さな火種だった。
倒したのはゴブリンの群れ。そこからオーク、ウルフ、様々な魔物に抗い続けた。
小さな火種だったそれは、少しずつ大きくなっていき、何時しかそれは人々を照らす程の大きな火となり、「魔王」を焦がす程となったそれはついに成し遂げる。
魔王は滅んだ。
12人の子供達も何時しか大きくなり、5年の時が経っていた。
人々はこのことに喜び、そして12人の子供達を「英雄」と呼び称えた。
だからこそ、人々は気がつかなかったのだ。
魔王が産まれた時と同時に一つの出来事が起きていた。
全てが終わり、平和になった時、貴族の1人が思った
「愛する妻の好きな花の咲きが悪い?」
庭先に植えてある花の成長が悪い。使用人に聞いてみても、ここ数年余り庭に注力を入れることができていなかった事もあって、明確に花の付きが悪いとは気がつかなかった。
そこから、その貴族は調査と称して冒険者を雇い、付近の森に入った。
そして気がついた。
森にあふれかえっている花が少なくなっていると。
花の名所とされていた湖にたどり着いた。花吹雪が舞う程花が咲き乱れていると言われたそこは、貴族が知っている湖ではなかった。
青々しい草原としての新鮮さは見られるが、花はちらほらとしか咲いていなかった。
この事実は世界に轟く事になった。
そうして、この世界は魔王と共に花を失ったとされる。
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