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お互い昨日の意趣返しをした後、宿の部屋につく。リムルは相変わらず、ベッドに倒れ込む。
「…人気者だったんだな?…なんと言ったかな…あっそうそう、紅槍だったか。」
リムルの二つ名を呟くと、イヤそうな顔をして
「聞かれてないと思ったのに…」
「いいじゃないか。実力を認められた証だろ。」
「…どうかしらね…」
イヤそうにベッドの上で転がる。
「ねぇ…あんたってどうしてこの大会に参加したの?」
そう訪ねてくるリムルは少しだけ、影がさしていた。
「…そうだな…とある人に会いたくて参加したのさ」
彼女…リオ・パドラックスに会いたい。そして、殺したい。会いたいという事は変わりないので、そう答えると。
「ふ~~ん。…私も同じようなものね。私も彼女、リオ・パドラックスに会いたいのよ。」
「そうだったのか。どうして会いたいんだ?」
リオの様な人間が誰かに崇拝されるとは思えない。話半分に聞いていると、リムルは
「…………憧れよ。」
淋しそうに、そう呟くと。
「明日も早いわね…。もう寝るわ。…絶対負けないから。」
戦線布告すると共に布団を被り眠りに入る。
「そうか…」
リムルは俺に声に反応する事なく。俺の言葉は中にかき消される。
眠りに入る彼女を余所に部屋の外にでて、階段を降りて、併設された酒場について飲み物を頼む。飲み物はすぐに届けられたので、口を潤すために少し口に含む
「ふぅ…」
先程のリムルの問いを思い出す。
「…憧れね~」
もう一度、飲み物を口に含み
「………憧れっていうのに、どうしてあんな顔してんのかね?…あれじゃまるで…」
(復讐したいくらい憎い顔だろ…)
この言葉は口にすることなく、思うだけにしておく。
俺はその後、もう少しだけ飲み物をおかわりして、部屋に戻っていく。
「…相変わらず、起きるのは遅いのね?」
目を開けた早々、意識がはっきりしていない俺にリムルは問いかける。
昨日の事はもう良かったのだろうか?
「…はぁ~。仕方がないだろ?いつもはあまり熟睡出来なかったんだから。」
俺は一時期、寝ている時も特訓と評して攻撃をされる時期があった。
おかげ様であまり熟睡する事が出来ないというの始末だ。
「あっそ。早く着替えて行きましょう。」
リムルは俺の準備を待つことなく、先に朝食に向かっていった。
俺は欠伸をかみ殺し、食堂へ向かっていった。
「リムルがおかわりなんてするから…」
少し小走りで俺とリムルは走っている。
「う…うるさいわね!…人のお金で食べるご飯は美味しいのよ…」
少し恥ずかしそうに、顔を紅くして走るリムル。
お互い走った事もあり、早めに会場へ着く。
着くやいなや、俺ではなくリムルが多くの観客に囲まれてしまった。
俺には全く人だかりは出来なかった。
(…それもそうだな。無名の奴なんて人気ないよな。)
昨日と同じようにリムルとは別々に行こうとすると、ふと誰かに服の袖を捕まれた。
「ん?」
引っ張られた方向を向くと、昨日迷子になったニーチャがいた。
「ニーチャじゃないか。」
「おはよう!お兄ちゃん!」
元気な声で笑ってくるニーチャ。俺を唯一応援してくれる人だ。
遅れて、ニーチャの両親がやってきて。
「おはようございます。ソウカさん。」
「おはようございます。…」
そういえば名前を聞くのを忘れていた…
それに気がついた両親は
「ふふっ自己紹介がまだでしたね…私がパノマです。こちらが妻のウェンターです。」
自己紹介と共に頭を下げてくれるので俺も合わせて頭を下げる。
「ねぇねぇ!見てみてお兄ちゃん!」
挨拶を余所に、ニーチャは俺にバスケットを見せてくれる。
「ん?それはなんだい?」
「えへへ~。これはね!お兄ちゃんのお弁当だよ」
ニーチャはバスケットを開けると、サンドイッチや肉など色とりどりの食べ物が敷き詰められていた。
「…ニーチャがどうしてもプレゼントしたい。って聞かなくて…」
ウェンターは微笑ましくニーチャの昨日の様子を説明してくれた。
どうやらニーチャは俺が決勝トーナメントに進出した事を祝うのと、両親としても何も返すことが出来なかったという思いからニーチャの要求をのんで今にいたるとの事だ。
バスケットを受け取ると
「ありがとう…。昼食が欲しかったんだ。」
「ほんと!?じゃあお兄ちゃんはきっとこれで勝てちゃうね。私の作ったサンドイッチで元気でるよ!」
他より少しだけ形の悪いサンドイッチを指差して嬉しそうに笑うニーチャの頭に手を置いて
「あぁこれで百人力だ。」
「えへへ~。」
ニーチャ家族に別れを告げて、選手用の入場口から入っていく。
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