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ブロックごとに振り分けられた会場では、各々がやる気に満ちあふれていた。
どうやら、ブロックごとに一度にやるのではなく、順番に行う様だ。
AからHブロックまであるそうだ。
会場の下見がてら、他のブロックの戦いを観戦しにいくと、ちょうどリムルが会場に向かっていた。昨日持っていた槍を強く握り、気合い十分そうだ。
声をかけようと思ったが、
(それほどの仲ではないから不要だな…)
少し自虐気味に伸ばした手を引っ込める。
そうしている内に、次のブロック参加者が出そろった様だ。
審判が合図を出す。と同時に激しい爆音が鳴り響く。
あまりの爆音に観客達は驚き出すが、俺は別の意味で驚いている。
爆音を出した音源はまさかのリムル。開始と同時に真上に飛び上がると、持っていた槍を真下に穿ったのだ。
槍には火の属性が込められていたのか、着弾と同時に爆炎と爆音を巻き起こし、参加者へと降り注ぐ。
「「「「「「っつ!!!!!!!」」」」」」
おそらくかなりの人数が今の衝撃で気を失ったり、場外へと運ばれた。
リムルは煙が消える前に穿った槍を手元に戻すと、煙の中へかけていき、残った参加者へと猛威を振るう。
誰かの悲鳴が聞こえた瞬間、他の参加者も気を取り戻し、周囲に残る参加者同士でやり合う。
リムルの穿った衝撃から乱戦へと発展するが
(これはリムルで決まりかな?開口一番で会場を掌握している。煙の中を迷いなく駆けることができる辺り、この手の手法は馴れているのだろう。)
そうこうしている内に、リムルが最後の1人を打ち倒し、Eブロックの代表が決まった。
「おめでとう。」
舞台から降りてきたリムルに拍手で出迎える。彼女は俺を見て呆れた風に
「はぁ…とりあえずありがとうと言っておくわ。…そんな事より、あなた大丈夫なの?」
俺を見ると心配そうに話しかけてきてくれる。
「ん?大丈夫かって?何かあったか?」
全く心当たりがなく、彼女が俺を心配する理由がわからない。
「何かってあんたね…。Fブロックには風剣と呼ばれている…「呼んだかい?」」
リムルがバッと振り向くと、風剣と呼ばれる青年、ネイルが立っていた。恐らく自分の獲物であろう直剣を携えて颯爽と歩いてくる。
「紅槍に噂されるとは光栄の極みだね…。」
自信の現れなのか、キザったらしく声をかける。己が勝つことが当たり前という我が物顔。
そして俺の前に立つと、俺を指差し
「ところで…紅槍ともあろう方が、何処の馬の骨か知らない雑魚に執着しているなんてね…」
馬の骨…俺の事か?
「馬の骨…って」
俺の事を馬鹿にしたことに少し憤りを感じたのか、俺の代わりに反論しようとするが、風剣は俺たちの話を聞こうともせずに
「はっはっはっ!そんな覇気のない雑魚と馬の骨と表現するのは妥当だよ。…それよりも君は僕を見ておくべきさっ!!」
ビシッと決まったと思っているのだろうか。笑いながら俺より先に舞台へと向かって行く。
風剣…確かに力はあるだろうが、ただそれだけ。まだ遊戯の域を抜けていない。
「ちょっと!言われてばかりで良いの?」
無言で反論しなかった俺を責めるように問い詰めてくる。
そんなリムルを窘めるように。俺は手にもっている武器を手渡す。
蔦の方と腰に付けた長剣二つともを
「ちょ…ちょっと何よこれ?」
急に渡されたので、慌てながら武器と手に取る。
「持っておいてくれ。」
「はぁ?」
不審がるように俺と武器を交互に見る
「…はっきり言おう。あんなガキ、それに他の参加者もそうだが、武器はいらない。風剣…あんなの世間を知らないガキだ。」
手をひらひらさせながら、手ぶらで舞台へと向かう。
そんな俺を見て、フッと笑うと
「…はいはい。ちゃ~んと預かっておきますよ~だ。……いってらっしゃい。」
いってらっしゃい…か。そんな事言われたのは、師との別れの時以来か…。
少しむずがゆくなり、ぶっきらぼうに
「おうよ」
これが今の俺にできる限界だ。
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