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花亡き世界で~唯一の花属性で、裏切って廃棄した家族だった奴らにたむけを贈る  作者: アロ紙
火の英雄編

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閲覧ありがとうございます。

会場に着くと、ほとんどの参加者が集まっていた。

入り口の受付に昨日もらった紙を渡す。

「Fブロックですね。名前は?」



「ソウカです。」



「ソウカ殿ですね。…はい、確認できました。……Fブロックの受付はあなたが最後ですよ」

「あはは…」

さりげなく、遅くなった事をとがめられる。申し訳なさそうに、俺はFブロックの集合場所へ移動する。



最後と言われたこともあり、他の参加者からの視線が刺さる。

(ふ~~ん。あんまり強そうな奴はいなさそうだな…ん?)



同じブロックの人達を見ているとさっきみた顔がいた。

彼は1人で壁にもたれかかり、周囲を監視していた。

(世間しらずの若者かと思っていたが…)






彼は…現風剣と呼ばれる青年、ネイルは周りを見て失望する。

(やはり…このブロックはハズレだ。特に名を馳せた参加者はいなさそうだ。これなら本戦には楽勝で進出といったとこだろうか…)



彼は昨年も出場し、師で祖父である前風剣ガストルに敗れている。一応、彼から風剣の座を譲り受けているが、まだまだ及ばなかったと言わざるを得ない。

今年こそはっ!という思いで必死に特訓を重ね、今では前風剣に並び立つとも言われていた。



だからこそ、今回の大会でガストルを倒し、実力と名声共に風剣を手に入れるつもりでいた。しかし、何が起こるかわからないのがこの大会。去年は大剣使いのガルフィードとは僅差で勝つことができた。

(あれは僕も驚かされた…。僕の風でなぎ倒すことのできない程の実力なんて、師以来だった。今年は僅差ではなく圧倒的に勝利を飾らせて貰う!)



そう考えていた時、入り口から最後の参加者が入ってくる。その者は参加者にしては覇気がなかった。腰には長剣を、そして何故か手には草みたいな物がグルグルと巻き付いている棒を持っていた。

(はん。どうせ記念の参加者か…。他の参加者と比べても一段と弱そうだ。最後の参加者だから少しは期待したんだけどな…)

そう思うながら、目を閉じる。彼の中では既に本戦に出場した時の事を想定していた。






(風剣だったか?あいつも同じブロックか…。)

自信に満ちあふれた青年は同じブロックのライバル達なんぞ気にする必要はないっといった姿勢で待っている。



「おい見ろよ…Fブロックは風剣で決まりだな…」

「そのようだな…他に目立った参加者は1人もいない。こりゃ当たりを引いたな風剣は…」

他のブロックからはFブロックの参加者を見てそんな声が聞こえてくる。



「まぁそんなもんか…」

そんな事を思いながら、大会が始まるまで時間が経つのを待つ。





30分ほどだろうか…会場のほうから叫び声にも近い、歓声が鳴り響く。

どうやら、この大会の主催者が挨拶をする様だ…

「よく来てくれた!野郎ども!!」

獅子を模した鎧を身に纏い燃ゆる様な赤を基調とした大剣を担いだ者が舞台の中心に立つ。奴は観客達に向けて大声で更に観客の盛り上がりに誘う。

「お前達も楽しみだろ?これから起きるのは腕に自信のある猛者だらけの巣窟だ!!一瞬たりとも目を逸らすんじゃねぇぞ!?」

その声に反応する様に、観客達は声を張り上げる。



「俺も楽しみだ!!……おっと、俺の話よりも猛者達の活躍を楽しもうじゃねぇか…。リオ・パドラックスがここに宣言する!てめぇら存分に闘いやがれ!!」

奴の宣言と共に、会場の熱気は最高潮になる。




参加者の猛者達も奴の声に応えるように雄叫びを所々であげている。

「…やっとここまできた…お前はどうやって死にたい?」

小さく呟く声は、誰の耳にも入る事なくかき消されていく。


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