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序章-1

閲覧ありがとうございます。

新作になります。


とりあえずは1章完結まで走りきりたいと思います。

雲一つ見当たらない暗闇で月明かりのみが照らす中、ガタガタと音を立てながら馬車は街道を闊歩する。



昼間は妻と娘が道中を担当してくれたから、夜もこうして馬車を動かせる。

魔物の危険性はあるが、森から離れた街道では見晴らしもよく、魔物が出現したとしても、すぐに気がつける。



従者が座る椅子に座るおっちゃんは、今運んでいる馬車の荷台に座る青年を見る。



ちょうど、地方の村に荷物を届けた際に、乗せて欲しいと言われた。

今回みたいな事は少なからずあったが、この地方の村では初めてだった。



それに何度か尋ねたことがある村だったが、今乗せている青年を見た事はなかった。



腰の辺りまで伸びた銀色の長髪。身長は高く180cmを超えており、私より頭一つ大きい。

顔はかなり整っており、すらっとした体型。痩せているという訳ではなく締まっている様な印象。あの村には似つかわしくない印象を覚える。

月明かりに髪が反射して、どこか神聖な印象を受ける。



だが、それより目に付くのが、茨の様な数多の蔦に巻かれた棒状の物を持っているという事。

恐らく、武器かなんかだと思うが、何故あんなに厳重に封印しているのだろうか。と考えても答えは見つからなかった。

一応、腰に別の剣を持っている辺り、形見なのかわからないが特別なものだというのはわかる。


本来なら、乗せることはなかっただろう。道中とて危険が無いわけではない。更に彼が万が一金品を奪うために私を襲うかも知れない。だが、彼からは全くの敵意も害意を感じなかった。

「…それでも、襲われたら私の勘も鈍ったという事か…」

ぼそっと周りに聞こえないくらいの声で呟くおっちゃん。



そよそよと風が優しく吹くのどかな街道を馬がのんびりと歩く。






ガタガタと馬車から聞こえる音だけが響く中、おっちゃんがふと気になった事を聞く。

「なぁ青年?えぇ~っとそういえば名前を聞いていなかったと思ってな?」


声をかけると少し顔を上げた青年は頬を掻いて申し訳なさそうに

「そういえばそうでしたね。乗せて頂いているのに名乗らなかったのは申し訳ない。このような事はなれていなくて…。ソウカ…ソウカ・リヴィオンです。」



名を教えて貰ってびっくりした。

「名字持ち?これは失礼した。長く商人をやっていますが、把握しておらず申し訳ありません。後で妻と娘にも忠告しておきますよ。」



謝られた事を申し訳なく感じたのか、青年は

「謝らないで頂きたい。名字と言っても、師たちから継いだものですし、名字と言っても私しか名乗っておりません。」



青年の言葉に少し不思議さを覚える

「ほう?あなたしか名乗っていないと?では貴族のような爵位を持たぬという事ですか?」



「そうですね。私がただ名乗っているだけなので爵位と言った大それた箔は持っていませんよ。」

にこやかにそれでいて、貴族と言われても遜色ないような振る舞いで謝る青年。



「そうですか…これは商人としてのアドバイスですが、あまりおおっぴらに名字を名乗るのは控えた方が宜しいかと。貴族を敵に回す可能性があります故。」



青年は少し驚いた顔をして

「わかりました。ご忠告ありがとうございます。名字については少し露出を控えますね」



「その方が宜しいかと。そういえば、もう一つおたずねしたい事が」

私は確認したかったもう一つの事を確認する。



「蔦が巻き付かれている…棒状の物の頂点に付いているのは……造花ですか?」

青年が持つ棒状の物の上には小さな白い花が付いていた。青年は少し蔦に目をやると、少し目を細めて

「…えぇそうです。今時珍しいとは思いますが造花です。イカリソウという造花ですね」

青年は少しはにかむ



「やっぱり造花でしたか…。確かにこのご時世では造花でも珍しいですね~」

私は少し前の事を思い出しながら、














「花か…。世界に余るくらい溢れていた花はもう無くなりましたからね~」


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