表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/47

09 念願の打撃スキル体得

 家に帰り、ご飯を食べ、風呂に入り、さぁ寝るぞ!

 と思った瞬間、


 コンコン


 ドアをノックされた。

「はーい。どーぞ」


 ドアを開けたのはマナだった。顔を赤く染め、モジモジしていた。


「あ、あの少しだけライ君にお話が……」

 なんの事だろう。もちろん今日は風呂で居合わせて居ない。


「あ、大丈夫だよ。入って」


 マナを部屋の中に入れるとマナがモジモジしながら

「あの……帰り道の時のことは忘れてください!今になって私……ライ君を涙でぐちゃぐちゃにしちゃったし……あってまだ2ヶ月なのにあんなこと言っちゃって……」


 赤く染った頬を両手で隠すマナ。

なんだそんなことか。俺は気にしてもいなかった。それはそれで失礼かな?

 しかも、抱き寄せたのは俺なんだしぐちゃぐちゃにしたのは俺のせいだろ。

ふとあの時を思い出した。急にまた恥ずかしくなってマナの気まづい雰囲気が移った。


「だ、大丈夫だよ。さっき俺が言ったことも嘘じゃないし、マナの気持ちもしっかり分かったから」


 そう答えるとマナは「本当ですか!?」「明日も頑張りましょう!」と言って部屋を出ていった。


 かなりニコニコしていた。

 ご機嫌そうで何より。


マナは転移した俺よりももっともっと辛い思いをしてたんだ。龍のせいで。

俺は龍を絶対倒さなきゃ行けなさそうだ。


 ―――――――――――――――――――――――


 それから半月、俺とマナとドラゴはオーク狩りを続けていた。


「はぁ……はぁ……ドラゴは打撃どれくらいで体得したんだ?」

「半月くらいだったからもう少しの辛抱だぜ」


 そういうドラゴは防御を体得してから適当にオークを狩っている。


「そーか……頑張るか。てか、ドラゴお前打撃と防御しか体得してないんだろ?他はいいのか?」

「パーティも組んだし俺は要らねぇよ。力と硬さがあればそれでいい!」


 はぁ。なんてやつだ。

 例えるなら最強主人公がハーレムを構築してそのグループにちゃっかりいる1人の男みたいな感じだな。


 例え下手すぎかよ!しかも、俺今のところ最強じゃなくて、最弱だわ!


 ま、まぁいい。ドラゴも俺よりは戦えてるし大丈夫だろう。


「まったく。ドラゴも少しはマナを見習っとけよ」

 そう言いマナの方を見ると……


「もう無理ですよ〜」


 あちゃー。心が折れていた。

 それもそうだ。3ヶ月近くオークを狩っているだけなんだ。

 なんならマナはもっとかもしれない。


「諦めるな! マナ! 次のオークを倒せば体得出来るかもしれない! そー思って頑張るんだ!」

「うん……うん! そうだね! 頑張ろー!」


 チョロい。


 やる気を取り戻したマナはオークを狩り始めた。

 2、3匹オークを狩ったあげく、

「やっぱり無理じゃないですかー」


 また心が折れた。

 こうなったら俺が体得してやる気を出させるしかない!


 ―――――――――――――――――――――――


 1ヶ月後。


「やりました……やりましたよ!」

 マナは打撃を体得した。


「すごい! オークを一撃で倒せます! 頑張ったかいがありました! ライ君! ドラゴ君!」

「や……やったじゃないか……」


 ん?なんでこんなにテンションが低いのかだって?


「……なんで俺は体得出来ないんだよ!!!!」

 ドラゴの通り気持ちを込めているのに!

 てか、ドラゴ半月って言ったよな?半月x3かかっとるぞ!


 俺は心の中でドラゴを睨む。

「まぁまぁ、マナが体得できたんだ。ライも次倒せば体得出来るかもしれないぞ」


 そんな言葉に惑わされてたまるか。

 こうなったらこの平野のオーク狩り尽くしたろうか。モンスター生成が追いつかないくらいに


 そう言って俺はオークにナイフを切りつけると、


 なんと……なんと……

「オークが一撃……」

 ライは打撃を体得した。


「やったよ! やったよ! 俺もついに打撃体得だ!」

「ライ君やりましたね!」

「ほーら言ったとうりだろ」


 ドラゴお前には感謝するよ。逆フラグってやつか。


 いや……まてよ……

 さっきも思ったがドラゴ半月って言ってたよな……


 いーやそんなこと考えてもしょうがない!

 今を喜べ! 俺!


 あれ?……なんで俺は打撃を体得したんだっけ


「これでドラゴン討伐に一歩前進ですね!」

 あー、ドラゴン討伐のためにか。


 …………完全に忘れてた。


 まだ俺はスタートラインに立っただけなのだ。


 いや……加速まだ体得してないから……

 まだ俺はスタートラインに座っているのだ。

広告の下の星マークのところで評価が出来ます!是非励みになるので評価のほどお願いします!

期待を込めたブックマークもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ