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08 約束のお時間

 ドラゴと会った日の帰り道。

「ドラゴはなんで龍を全部狩りたいんだ?」


 率直な質問だった。

 俺はまぁ……とんでもない理由だけど。


「んー、なんて言うか、みんなのためにだ!詳しいことはいつか教えてやるよ」

 多分ドラゴにも事情があるのだろう。

 そこでこれだけ言っておくことにした。


「そっか。ドラゴ。俺も全部狩るつもりだ」

 ドラゴの足が止まる。

「まじかよ! でも、なんでだ?」

「今は言わねぇーよ。いつか教えてやる」

言えないんじゃなくて、言っていいのかわからなかった。言って軽蔑されるんじゃないかって考えてしまった。

 俺たちは笑った。

「ライ君教える時はちゃんと私にも教えてよね?」

 上目遣いでこちらを覗くマナ。見とれそう。


「分かってるよ。マナには1番お世話になりそうだし」

 いつも通りマナは「ふふ」と笑い僕達は歩き出した。


 ―――――――――――――――――――――――


「じゃぁ。明日もまたここでなライ」

「あぁ。じゃーな」

 俺とマナはドラゴに手を振り歩き出した。

 辺りはもう暗い。いつもどうり道の真ん中は暗くなっている。


歩いていると、

「ライ君は本当に9匹の龍を倒すつもりなんですね」

 マナはボソッと呟く。

 その声にはなんと言うか力が籠ってなかったって言うか、いつものマナではなかった。


「そ、そうだけど、どうしてだ?」

「私、やっと友達が出来ました。一緒に居てすごく楽しい友達が」

 俺は感が悪い。自分でもわかっている。


「そうだったのか。今度紹介してくれよ」

 すると、少し怒ったようにマナは、


「ライ君ですよ!今のライ君最低ですからね!」

 少し赤く染った頬を膨らませこちらを下から睨む。

 はぁ。俺ってやつは。


「す、すまんすまん。マナがそう思ってくれてたなんて嬉しいよ」


 ――嬉しい。

 途端に出たこの言葉がマナには強く刺さったらしく

 涙を抑えながら、

「ライ君は私のことどう思ってますか」

「もちろん。頼りにできる友達って思ってるよ」


 マナは涙をこらえきれなくなり、ポロリと雫が目から垂れた。

「私……私……! 嬉しかったんです。私のことを思ってくれて一緒に居てくれて……龍討伐の話も真摯に受け止めてくれる人がいて……でも……緑龍を倒したらライ君は別の国に言ってしまうんですよね……」


 俺はいつもみたいにどうすればいいか分からなくなった。だから俺は泣きじゃくるマナを両手で抱き寄せギュッと抱きしめた。


 恥ずい……


「大丈夫だよ。俺はいつでもマナを忘れないし感謝してもしきれない存在なんだ。だから俺がどっか行っちまってもまた会いに来るさ」


 これが正解だったのかは分からない。こんな俺が抱きしめてよかったのかも分からない。

 ただ、マナの震えは少しずつ収まっていくのがわかった。


「約束……ライ君約束ですよ……」

 マナは俺の胸の辺りで顔を埋めながら震えた声を押し殺してそう言った。


 俺はマナの肩をもち、体から離した。そして……

「約束するよ。だって俺の友達だからな」


 俺はにっこりと笑ってマナになげかけた。

 するとマナは、嬉しそうな顔で

「ありがとう」

 そう言った。


「もう暗いし帰るか」

「そうだね」


 現実世界でラノベとアニメに少し手を出していてよかった。手出してなかったらこんなこと言えねーよ……


 でも俺の言葉には偽りはひとつも無かった。

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