45 簡単には行かない討伐
俺とマナは地へと着地する。
ドラゴンはグルグルと旋回するように飛んでいる。
「マナ。こっからは一人ずつあの光ってるの狙おう。ドラゴは攻撃の受けを頼む」
俺がそう伝えると二人は頷いた。
グラァァァア!
その雄叫びと共に俺たちに向かって急降下してくる。
「危ない! 避けろ!」
ドラゴンは頭から地面へとぶつかる。大きな音が洞窟内に響く。
俺は攻撃をスレスレで避け、攻撃へと転じた。二人の安否は分からなかったが、あの二人なら大丈夫だろう。
ドラゴンはまた飛び立つ。
俺は大きく踏み込み、高く飛び上がる。壁をジャンプの二段目の踏み込み台として次は地面と平行に進む。ドラゴンの真上だ。
「おらよっと!」
俺は両手に持ったナイフを背中に二つあるコアの一つを殴った。
パリン!
そのコアは割れる。
一人でも割れる! 行けるべ行けるべ!
俺が降下していると、
「はぁぁぁぁぁあ!」
マナも大きく飛び上がり左翼のコアを叩いた。
パリン!
またこの音が鳴り響く。
「よし!」
マナは降下しながら少しガッツポーズをする。
このまま行けば……勝てる!
心が少し浮ついたその時……
グラァァァアアア!!!
今日一番の雄叫びが響いた。
その時、ドラゴンは口を開く。そして、植物の軍勢がドラゴンの背中から飛び出て来る。さっきよりも太く、早い。
「……やっべ。避けれねぇ!」
その植物は俺とマナを目掛けて飛んでくる。
瞬く間に目の前にその植物がやってくる。
「くっ……」
俺は右手のナイフで対抗したが、あっさりナイフごと吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
……痛え、痛え、痛え! ひっさしぶりにいてぇ!
吹き飛ばされたナイフは、はるか遠くに転がり落ちていた。
痛む肩を擦りながら立ち上がるともうひとつ壁にぶつかったような大きな音がした。
……! マナ!
マナが壁にたたきつけられる。俺なんか比にならないくらいものすごいスピードでぶつかる。
……マナに構ってる時間はないみたいだな。
俺の目の前には植物の残りがまだ沢山いた。身体がもう動けないと悲鳴をあげている。マナも同じだろう。
クソっ……俺はどーすればいいんだ? ナイフ一本じゃ到底太刀打ちできねぇ。この状況は今までみたいにどーにかなるとは思えねぇ……あぁぁー! もうどーにかなれ!
俺は一応持ってきていた魔法の杖を腰から外し、前に掲げた。すると、杖の先端に着いている水晶のようなものが光り出す。そして、
ズドーン!!
……魔法だ!
その場に煙が立ちこめる。煙が去ると、そこにはバラバラになった植物が落ちていた。すげぇ! 魔法だ! でもなんかどっと疲れたような気がする。
俺がピンチを乗り越えたことに感動していると、
「マナ! 危ねぇ!」
ドラゴが叫んでいた。
叫んだ先を覗くとマナが倒れている。剣を使って立とうとするが、力が入らない様子だ。そのマナをさっき襲ってきたあ植物が狙いを定めて飛んできている。
クソっ! 何度も何度も! 持っかいぶっぱなしてやる!
俺はまた杖を掲げる……が、
「……どーして……どーして出ねぇんだ!」
願うだけでさっきのように魔法は出せない。
植物は動けないマナへの狙いを変えず、直進する。やばい……やばい……
「出てこい! お願いだ! もう一回出てきてくれよ!! おい!!」
叫ぶ俺の掲げる手にはさっきのが嘘のように使い物にならない杖しかない。
ズバン!
「 マナ!!」
また、煙が立ちこめる。俺の頭の中にはバッドエンドしか浮かんでいなかった……が、煙が徐々に引いていくとそこには真っ二つ切れた植物があった。
マナを見ると無事のようだ。
「どう言うことだ……これ……」
マナのいる所よりももっともっと先。俺が見つめた先には大剣を振りかぶった後のドラゴが見えた。




