44 勝利への突破口
メインストリートを抜け、森へと出る。
さっきまでの暑さは新緑へと消え、涼しくなっている。昼間なのにかなり暗い。
「えっと……確かこっちだったよな」
地図も道もない道を進む。なんせ行ったことがないからな。細かい場所がよく分からないんだ。
「まて、ライ。祠はこっちだ」
ドラゴが指さした。
「ドラゴ君場所分かるの?」
マナが問いかける。
それは俺も思った。ドラゴも行ったことないはず。分からないのが当然なはずなんだが……
「……あ、いやまぁ、かんだよ。かん」
……かんってふざけてんのかよ。まぁ、行ってみるか。
「はぁ……じゃそっち行くか」
俺はため息をつきドラゴが指さした方へ歩いていく。
五分ほど歩くと、
「ここ……か?」
今まで木々で全く見えなかったが、大きな山が現れ、その山のふもとには小さな入口がある。
目の前に現れた山はとてつもなく高い山だ。しかも坂が急。断崖絶壁。
「多分ここだな」
「……行ってみよっか」
薄暗い入口へと俺たちは恐る恐る入っていった。
中は入口以上に暗く前が見えるのがギリギリだった。すると、
ガシャン!
後ろから大きな音がした。その瞬間
「……!」
大きな光が俺たちを照らす。その光に目をくらませていると、
グラァァァア!
目を開けると辺りは明るくなっていた。後方の入口は塞がれていた。そして目の前には……
「ドラゴン……ドラゴンがいるぞ!」
外から見た山の中を全部くり抜いたようなこの空間に美しく緑色に輝く龍が目の前を飛んでいた。
「ドラゴンが……飛んでる」
ドラゴンが不自由なく飛べるほどの空間。めちゃくちゃ横にも縦にも広い。東京ドームで表すと……分からん! 五個分くらい? もっと? なんてことはどーでもいいだろ!
そんなしょうもないことを考えていると……
グラァァァア!
「……来るぞ! 戦闘準備!」
俺たちは各々武器を取り出す。
その瞬間ドラゴンから尻尾が飛んでくる。
俺たちはバラバラに避ける。
「すげぇ威力だぞ」
尻尾が叩きつけられた地面は軽く凹んでいた。こんなん食らったらワンパンだぞ……
でも怯んでは居られない。……とりあえず攻撃だ!
「マナ! 行くぞ!」
俺とマナは加速で一気に間合いを詰める。そして高く飛ぶ。飛んでいるドラゴンの翼を狙い、俺は右翼、マナは左翼を一発殴った。しかし……
グラァァァア!
「効いて……ない! 全く効いてない!」
ダメージが入るどころか逆効果。めちゃくちゃキレてる。
ドラゴンの飛行が翼の音を大きくたて、荒々しくなる。
すると、ドラゴンは口を大きく開く。
ドラゴンの口周りが緑色に輝く。そして、
ゴゴゴゴゴ……
「みんな! 下だ!」
地面から植物のようなものが生えてくる。そして、それは生きたようにこっちに突っ込んでくる。
俺たちは走る、飛ぶなどして避ける。だが、避けるだけじゃどーにもならない。
クソっ……どーすれば……
避けようと思えば避けられる。だが、永遠と付いてくる。避け続けていたらいつ、ドラゴン本体から攻撃を仕掛けられるか分からない……
すると……
「どりゃぁあ!」
ドラゴが大きく大剣を振り上げ、植物にな叩きつける。
スパン!
大きな音を立てることなく植物は切れた。
「ライ! マナ! これめちゃくちゃ柔けぇぞ! 全然切れる!」
それを聞いた俺たちは植物を避けるのでなく、切った。
植物攻撃を全て受けきり、次の攻撃フェーズは俺たちだ。でも、ダメージが通らなきゃ意味が無い。
考えろ……考えろ……勝利への突破口を……!
すると……
「ライ! また来るぞ!」
ドラゴンがまた口を開いている。次は地面からは何も来ない様子だ。口からビームか……
と、ドラゴンを見つめていると……
「……! もしかしたら……」
俺は攻撃など見向きもせず走り出した。
「ライ君危ない!」
マナが注意喚起する。
「マナ! ドラゴンに着いてるあの光ってるやつ見ろ! あれがあいつの弱点かもしれねぇ!」
頭に一つ、翼左右に一つずつ、背中に二つ光るコアのようなものがあった。
マナが話す前に立て続けに俺はマナに伝える。
「試しに二人で右翼のあれを叩くぞ!」
その声に感化されたマナは走り出した。だが、ドラゴンはもう攻撃準備万端。俺にビームを吹き飛ばしてくる。
「そう簡単に当たるかよ!」
俺は体をひらりとまうように動かしビームを避ける。
着地と同時に高く飛ぶ。マナも俺に合わせて飛ぶ。
「行くぞ……! せーの!」
息を合わせ二人で右翼のコアを叩く。すると……
パリン!
ガラスが割れたような音が鳴り響くと同時に、
グラァァァ
痛がるような声を出すドラゴン。
「よし! ダメージ入ったぞ!」
これが勝利への突破口だ!




