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43 行ってらっしゃいと行ってきますと頑張れよ

 時刻は九時過ぎ。

「ふぁぁぁあ。二人ともはえぇな。おはよ」


 寝癖が酷いドラゴが眠そうに起きてきた。本当に今日ドラゴンを倒しに行くのか不安になるほどいつも通りのドラゴだった。


 俺とマナはドラゴに「おはよう」と挨拶を交わす。


「ドラゴ寝癖酷いし風呂でも入ってくれば?」

 俺が聞くとドラゴは「そーだな」と言って風呂場へと向かった。


 俺は準備を進める……って言ってももうほとんど準備は出来ていた。


「ナイフよし、装備よし」

 ……持ち物これだけか。もう何回確認しただろう。


 その時俺はあるものが目に入った。

 「これは……魔法の杖か」

 俺は全くもって魔法は使えない……が一応持っていくことにした。腰にでも付けとこ。


 準備が終わった俺とマナはドラゴが戻るまでリビングでゆっくりしていた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 現在時刻十時半。

 ドラゴも風呂から戻り、準備が完了した。


「遂に……だな」

「そうだね」「そうだな」


 俺たちは向かい合う。

「準備はいいか?」


 二人は「うん」「おう」と答えた。


 ぐぅぅ


 ……お腹がなった。

「ご飯食べてから討伐にしよっか」


 マナが俺の腹の音を聞いて笑いながらそう伝える。

「……そうだね。とりあえずじゃぁ、行くか!」


 俺たちが玄関へ向かうとおばさんが二階から降りてきた。

「あら、もう行くのね」


 俺たちは「はい」と答えた。

 おばさんはニコっと笑って「行ってらっしゃい」とそれだけを伝えた。


「「「行ってきます!」」」

 そう元気よく答え、俺たちは外に出た。


 朝よりもには強く照りつけている。少し暑い。


「ご飯どこで食べよっか」

 その問いに解答したのはドラゴだった。


「やっぱ肉だろ! メインストリートのあのステーキ屋行こーぜ!」


 昼からステーキ……なんて思ったけど今なら食べれそうな気がしてしまった。

 でもさすがにマナは……


「ステーキいいね! ライ君は?」

 思ったよりも乗り気だった。戦ってる時横腹痛くなっても知らんぞ。


「まぁ、二人がいいならそうしよっか」

「やった! んじゃ行こっか!」


 こうして俺たちはメインストリートにあるステーキ屋さんへと向かった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 チャリーン


 肉の香ばしい匂い。アンティークな感じなお店。

 真昼間にしては人が沢山いた。


「三名様ですか? こちらへどうぞ」

 俺たちは定員の後ろに付いていき、席に着いた。


 席に座るとドラゴが直ぐに、

「なぁ……あのおっさん見たことあるよな」


 ドラゴが視線を送った先には……

「……うん。ある」


 いつしか俺がボコされ、ボコし返した男だった。

 なんか気まずい……気付いてない振りしよ……

 と思ったその時、男の視線がこっちに向く。


 目が合う。少女漫画なら恋に落ちてるところだなこれ。


 パッと目を逸らそうとすると、

「おい、無視すんな」

 男が話しかけてきた。でも、昔みたいな敵対してる感じは見られなかった。


「……なんですか」

 そう答えると、

「……まだ、倒そうとしてんのか。ドラゴンを」


 またこのパターン? またやめろって言われるやつ? これ何回やるの?


「ま、まぁ、なんなら今から倒しに行きますけど」

 少し躊躇いながらそう答える。すると、


「……そうか。別にもう止めたりはしねぇよ。俺はお前を認めた。努力も実力も。……でも、薄っぺらい気持ちで望むんじゃねぇぞ。気引きしめていけ」


 意外な返事だった。俺たち三人は呆然とする。

「……え、あ、はい。それは分かってます」


 俺がそう答えると男は笑いながらこういった。

「頑張れよ」


 その言葉には今まで俺たちに向けたことの無い感情が混じっていた。


 それを俺たちに言って直ぐ、「会計だ」と言ってお金を払って帰っていった。


「……意外といい人?」

「そうみたいだな」


 なにかモヤモヤする気持ちが残ったが嫌な気持ちではない。


「あー、腹減った! 食うぞ! 肉!」

 そして俺たちも肉を食って店を出た。


「これが最後の晩餐にならないといいな」

 俺は冗談混じりにそう言うと、


「……さいこーのばんさー?」

 マナはわかってないみたいだった。

 ……可愛い。


「あ、なんでもない。いつか教えてあげるよ」

 そう言って俺たちは歩き始めた。後ろから「さいこー? ばんさー?」と聞こえてきたが、今だけ耳を塞いだ。


 確かこのメインストリートを抜けた辺りが龍の祠だったっけな。

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