40 装備完成
マナとドラゴの装備が完成するまでの間、俺はずっとオークを狩り続けた。
お金になるオークを狩っていたからかなりのお金持ちになっていた。
でも、固有スキルを発動することは出来なかった。
できる気配もない。
そして装備完成当日。
「ライ君ついに装備完成だね!」
ワクワクするマナといつもの待ち合わせ場所に向かう。
待ち合わせ場所に着き、数分待っていると、
「ラーイ、マナー」
手を振って走ってくるドラゴの姿が見えた。
「久しぶりだな」
「そうだな!」
そんな会話をした後、俺たちはカルテさんの店へと向かった。
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カランカラン
「おぉ、いらっしゃい」
店に入ると、ソファにカルテさんが座っていた。その隣にはダボさんが居り、前にはリクが立っている。
「カルテさん。例の……」
「あぁもちろん、完成しているよ。ちょっと待っててくれ」
そう言ってカルテさんは奥の部屋へと入っていった。
その時俺はダボさんに話しかける。
「ダボさん一つ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
するとダボさんは「答えられることなら何でもいいぞ」と、すぐに了承してくれた。
「ダボさんが固有スキルを初めて使った時って……なんて言うか……どんな感じでしたか?」
ダボさんは腕を組み少し考え始める。
「うーん……確か、俺もライみたいに初めて固有スキルが出た時はいきなりだったな。そっからまた固有スキルが使いたくて、毎日毎日ダンジョンに潜ってたらいつの間にかできていたよ」
ダボさんは「為にならないな」と笑いながら言った。
やっぱり数をこなすしかないのか……
頑張るしかない!
「いえ、大丈夫です。これから頑張って行きます!」
その俺の答えと同時に奥の部屋の扉が開く。
カルテさんが両手に大きな箱を抱え出てきた。
それを床に置き、マナとドラゴを手招きする。
その手招きに寄せ付けられるようにふたりが近づく。
その後を追うように俺とダボさんとリクが歩き出す。
「こっちがマナちゃん。こっちがドラゴ君の装備だ」
二人が箱を開け、身につけ始める。
二人が身につけ終わると、
「凄い……軽い!」
「すげぇガチガチだぜ!」
二人は無邪気にはしゃぎ出す。
「うんうん。我ながら良い装備だ」
自画自賛するカルテさん。
まぁ、無理はない。
見るだけでわかる。
薄くて軽いマナの装備。厚くて重いドラゴの装備。
これらを作るのは容易じゃないだろう。
俺は一歩近づき、
「ありがとうございます」
そう言って深く頭を下げる。
それに釣られてマナとドラゴも
「ありがとうございます!」
と、頭を下げた。
二三秒頭を下げた後、俺たちは店を出ようと歩き出した。
その時、
「ライ! 絶対ドラゴン……倒してこいよ」
ダボさんの声が聞こえた。
俺はもう一度振り返り、
「もちろんです! もし倒した時には盛大に宴でもしましょう!」
そう宴の約束を告げ、また振り返り店を出た。
ついにドラゴンを討伐に行ける。
……固有スキルはとりあえず置いといてな?
俺は今すっげぇワクワクしてる。
今までやってきた事が脳裏にフラッシュバックする。
マナと出会ったとき、ドラゴと出会ったとき、男にボコボコにされた時、4つのスキルを体得した時、おっさんの弟子になった時、男にリベンジをしたとき……
こっちに来てから色んなことがあった。
それらも全部ひっくるめてドラゴン討伐までの道のりだ。運命だ。多分。
待っとけよ……一匹目のドラゴンさんよ!!




