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39 戦いのその後

 オーク狩りの三人を縄で縛り、ウィークさんの家に報告しに行った。


 ウィークさんは「本当ですか!?」と驚きと喜びが溢れ出したような顔で答え、あとはウィークさんに任せることにした。


 そして俺とダボさんとリクは足早にカルテさんの店へと向かった。


 カランカラン


 中に入るとソファに横になるマナとその看病をするドラゴがいた。


「ライ! 無事だったか……よかった」

 ドラゴが安心の顔を見せる。


 マナはまだ眠っているようだ。頭に包帯を巻いている。


 俺はマナに近付く。

「マナ……」


 俺がそう声を漏らすと、

「ドラゴ君がマナちゃんを運んできてくれてな、そんとき一緒にライがヤバいって教えてくれたんだよ。そんときちょうどカルテは装備作っててな。あいつは作ってる時部屋から出てこないんだ」


 だからドラゴがマナの様子を見ていたのか。


「ドラゴ、ありがとな」

 俺は立ち上がりドラゴにお礼を言った。

 その後、後ろを向き、


「ダボさんもリクもありがとうございました。ぶっちゃけあの時二人が来なかったらどーなっていたことか……」

 今になって身体が震え出す。恐怖という感情だ。


 そんな俺を見た二人は軽く微笑んだ。

「いいっていいって。それよりライ、お前あの技いつ覚えたんだ?」


「あの技?」

 俺は疲れきっていたのか記憶が曖昧だった。


「あれだよあれ。多分固有スキルだと思うんだけど。ピキピキって凍らせたやつ」


 ……あ、あれか!

 あのかっこいいやつか! 自分で自分にかっこいいって言うのは初めてだな。


 って言ってもぶっちゃけどうやって使ったの分からない。


「あ、あれか。ぶっちゃけ俺も分からないんだ。今日初めて出た技だったから……」


 そう俺が下を向くと、

「だとしてもあれは絶対固有スキルだ! あの技使いこなせたら多分……凄い事になるぞ」


 ダボさんがそう答えた。

 確かにそうだ。あのでっかい岩石をいとも簡単に凍らせ、粉々に砕いた。これが使えればドラゴン討伐にも絶対役立つはず。


 そんな話をしていると、

「ライ、今の話なんだ?」

 ドラゴが質問してきた。


 俺はさっきあったことを全部話した。すると、

「……! まじかよ! いいなぁ! かっけぇじゃん!」

 ドラゴは目をキラキラさせて答えた。


 その声と同時にマナが目を覚ました。

「マナ!」

 俺は呼びかける。


「……ライ君。ごめんね、なんか……」

「マナは悪くないよ。傷の具合は?」

 そう聞くとマナは「少し痛むけど大丈夫」と答えた。


「ライ君こそすごい怪我してるよ! どうしたの? 大丈夫?」

「あぁ、全然大丈夫だよ」

 ……と答えたが実際かなり痛いし全然大丈夫じゃない。回復スキルとか持ってる人いないのかなここら辺に。


 すると、後方の扉が開く。

「おっと、こんなに人が居てどーしたんだい……って怪我人が二人も。ごめんね居留守しちゃって」


 カルテさんだった。俺たちの怪我には気付いたようだが、そこまで深刻そうではなかった。

 ちょっと悲しい。ちょっとだけね?


 俺は今まであった事をカルテさんに伝えた。すると、

「あら、そりゃ大変だったね。あ、あと、装備の為のゴールドって言ってたけど、私は最初っからゴールド取るつもりは無いよ」


 ……え?

「えぇぇぇえ!」

「んじゃ、タダで貰えるってことですか!?」


 そう聞くと「うんうん」と頷いた。


 まじか……カルテさんの事だからてっきりお金は貰うのかと思ってたな……


「え、それともゴールド払いたいか? 一つ……そーだな、150万ゴールドだが」

「遠慮しときます」


 俺は鬼のスピードで遠慮した。


 そして俺たちはカルテさん達にお礼を伝え、店を出た。


 今日からまたやることが無くなっちまった。ってことでこれから一ヶ月半、自由行動になった。


 ―――――――――――――――――――――――


 それからと言うもの一週間俺とマナは怪我の治療に専念した。


 怪我が完治し、久しぶりに平野に向かうことにした。


「なんか久しぶりだね」

「そうだな」


 俺は試したいことがあり平野に来た。

 それは、

「はぁぁぁぁ!」


「……ダメだ」


 固有スキルの確認に来たのだが……全く使うことは出来なかった。


「ライ君のその固有スキルってどんな感じなの?」

「なんか……初めは氷の壁ができて、そこから……こう……グワァって凍らせ初めて、腕の力を抜いたらその氷がバラバラって砕け散るんだよ」


 こんな説明しか出来ないのが悔しい。


「うーん……私からは練習あるのみしか言えないね。私自身固有スキル使えないし」


 確かにそうだな。固有スキルを使えたあの感じを思い出せ! 俺!


 こうして俺の固有スキル使用への特訓が始まった。

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