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38 VS固有スキル

 そこにはダボさんとリクが立っていた。


「間に合ってよかったね父さん」

 ダボさんとリクを一緒に見ることが初めてだったので、少し違和感を覚えた。ましてや家族だなんてまだ信じられない。


「なんだあんたらは」

 相手のひとりがメンチを切る。


「まぁ、その少年の知り合いと言ったところかな」

 ダボさんが俺の前まで歩きながらそう答える。


「立てるか?」

 ダボさんは俺に手を差し伸べる。


 俺はダボさんの助けを借りながら立ち上がった。

 身体中が痛い。立つのも辛い。でも立ち上がらなきゃ行けない気がした。


「ダボさん……俺もまだ戦えます……!」

 それみ聞いたダボさんは「そうでなくっちゃ」と言った。


「おめぇら死にたくなかったら大人しくここから去りやがれ! やるってんなら容赦しねぇぞ!」

 物凄い大きな声で一人が叫んだ。傷が痛む。


「痛い目を見るのは君たちかもしれないよ」

 リクが半笑いでそう言い返した。

 それが相手の引き金となった。


 瞬間移動の固有スキルを持つ男がリクに向かってナイフを振りかぶった。


 それをわかっていたかのようにリクは相手の攻撃を避ける。


 ……すげぇ! 俺には攻撃は読めても受け止めることしか出来ない。それを全て避けている。


「父さんライ。僕はこいつを捕える。残りのふたりを頼んだよ」


 それを聞いた俺たちは返事をし、「ライはあの岩野郎を頼む」とダボさんが言った。


 しかし、もう岩野郎は岩石を準備していた。

「ライ。あの岩を俺がぶっ壊す。そしたら一気に距離を縮めろ」


 俺は首を縦に振り、加速の準備をした。


 岩石が飛んでくる。

 それに合わせるようにダボさんが大きな炎を発生させ、岩石を粉々にした。


「ライ! 今だ!」

 俺はその合図と共に走り出した。痛みに耐え、今の全力を出した。


「雑魚は大人しく死んどけ!」

 空気を操る固有スキルを持った男が俺に向かって怒鳴り散らす。体が重い。


 やばい……俺は固有スキルを持ってない。この空気野郎をどう突破すれば……


 と、考えていると、

「あんたの相手はこの俺だよ」

 手に炎をまとったダボさんが空気に向かって拳を振った。


 すると、体が軽くなり、スピードを取り戻した。


 俺は岩野郎まで一直線に向かった……が、


「また、あの岩石か……」

 また、岩石を作っていた。しかもさっきよりも何倍のでかさもある岩石。


 ダボさんは空気野郎と戦っている。リクも瞬間移動野郎を見てる……


 俺がこの状況を打開しなくちゃいけない。


 でも、どーすれば。今から進行方向を変えても逃げ切れる気がしない。かと言って俺のナイフでダボさんみたいに粉々にできる訳でもない。


 どーすれば……俺にも固有スキルがあれば……!


 そんなことを考えているともう目の前に岩石が迫っていた。


 ……クソっ!


 岩石に気が付いたダボさんが叫んだ

「ライ! 避けろ!」


 避けるなんてもう無理だ。

「どーにかなれぇぇぇぇえ!!」


 俺は岩石に向かってナイフをぶつけた……その時


 ピキピキ……


 俺のナイフの先から氷の壁が現れた。その氷は壊れることを知らず、岩石を氷が飲み込み始めた。


「……これって……」

「何っ!?」


 岩石は完全に固まった。

 俺がナイフを下ろすと、


 パリン!


 岩石が粉々に砕けた。


「「ライ……」」

 ダボさんとリクが驚いたように俺の名前を呼ぶ。


 これって……これって……固有スキル!!


 でも今は喜んでる場合じゃねぇ。走れ!

 俺はまた走り出した。


 自慢のスピードで岩野郎の後ろに回った。

 男が振り向いた時にはもうナイフが首に突きつけられていた。


 俺はがっちり腕を固定し、

「痛いようにはしない。大人しく捕まってくれ」


 それと同時にダボさんとリクも捕獲を完了させた。


 俺は無事、任務を完了することが出来た。


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