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37 3つの固有スキル

「……マナ!」

 俺は名前を叫び倒れるマナに近ずく。

 マナの頭を右手で支え、名前を呼びながら揺さぶった。


「マナ! マナ!」

 マナは頭から出血していた。体の至る所にも出血が見られた。


 呼びかけてもマナからの返事はない。


 クソ……どーしてこーなったんだよ!

「ドラゴ! マナをカルテさんの店に運んで治療させて貰ってくれ! 早く!」


 ドラゴは「で、でも」と心配そうに俺を見つめるが俺はドラゴを急かし、マナを預けた。


 ドラゴはマナを背負って走り出した。


 俺はゆっくりと立ち上がり、怒りを抑えきれていなかった。


「どうして……どうして! お前らは人の優しさがわからねぇんだよ」


 怒りで震える俺の声に耳を傾ける様子も無い三人。


「ははは……はははは。そんな薄っぺらい優しさなんかじゃなんも出来ないんだよ。さぁ、お前もさっさと逃げたらどうだ」


 逃げる? そんなことするわけない。ウィークさんのお願いだから? 今はそんなことじゃない。マナを理不尽に傷付けたこいつらを許せない。


 俺はナイフを腰から取り出す。

「うるせぇよ」


 俺は返事の間も与えず走り出した。


 三対一。明らかに不利な状況だ。さっき見た事も無い攻撃もされた。でも俺はやらなきゃ行けないんだ。


 俺はさっき岩石を飛ばしてきた1人の後ろをとった。


 ナイフを振りかぶり、切りつけようとした時、

「……くっ!」


 ……近ずけない! 何かが邪魔をして、空気が俺を押し返してるように。


 俺は空気に押し負け吹き飛ばされる。


「なんだ。口だけが。固有スキルを持ってる俺たちに一人で戦うなんて馬鹿なんだよ。まぁ、売られた喧嘩は買わなきゃだよなぁ? お前ら」


 三人は顔を合わせニヤニヤしている。


 ――固有スキル


 ダボさんが教えてくれたスキルのことか。

 見た感じ一人は石を自在に操ることができ、もう一人はよく分からねぇが空気が関係してる感じか。あと一人は知らん。


 この状況かなりやべぇ。


 吹き飛ばされた俺は立ち上がった。

 すると、


 ブオン!


「……ん!」


 俺のみぞおちの辺りに大きな衝撃が走る。


 痛てぇ……痛てぇ!


 俺のみぞおちには相手の腕がめり込んでいた。

 また俺は飛ばされる。


 なんなんだ。あと一人は瞬間移動かよ。

 絶体絶命。ここで死ぬのか俺は……


 一匹も龍を倒せず、マナの望みも叶えられず、こっちの世界に来た意味が全くないじゃねーか。

 ……それもそうか。こんな弱っちぃ人間がこっちに来たってなんも出来やしない。あの時のあいつは今の俺を見てんのかな。暗闇の中のあいつ。最後くらいは顔を拝んでやりてぇな。


 ……って、何俺諦めてんだよ。


 俺は立ち上がる。


 マナを傷付けられて、イキって戦い挑んで、負けて。


 そんなんじゃダメに決まってる。


 足掻け。足掻いて足掻いて足掻きまくれ。負けてもいい。動けなくなったっていい。さっきの怒りだけぶつけられれば……いい!


「ほぉ、まだ立つか」


 弱々しく立ち上がった俺に向かって岩石が準備されていた。俺にこれを避ける力が残っているのか。


 飛んでくるまでわからねぇな。


 マナ、諦めなかっただけ褒めてくれ。


 マナにぶつかった時の岩石よりさらに大きな岩石がこちらに向かって飛んできた。


 ……ダメだ避けれねぇ。


 目を瞑ったその瞬間。


 バゴン!


「……っ!」


 さっきまで目の前にあった岩石は粉々に砕け散っていた。


 そこには火花がちっている。


 周りを見渡すと、

「ライ、久しぶりだな。もう大丈夫だ」


 ……っ!


 そこには見た事のある二人が立っていた。

「タボさん……リク!」

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