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30 強化開始!

 おばさんの家でのこと……


「ふぅぅぅ……」

 浴槽から湯が少しこぼれる。ここはお風呂場だ。

 やっぱり風呂は最高だな。至福の時間だぁ。


 今日遂に、特攻武器を手に入れた俺たち。あとは龍を倒すだけ……なんだが、それが一番難しそうだ。


 俺たちが真正面からぶつかって勝てる相手なのかなぁ。ボッコボコにされたらどーしよ……って満更でもないこと考えるな! 今までどれだけ頑張ったと思っているんだ! 俺を……俺たちを信じろ俺!


 そんな俺俺考えながら俺は風呂を出た。


 服を着て部屋に戻ると、ぱっと目に入ったものがあった。

「これ……本当に使えるのか?」


 そうして俺が手に取ったのは魔法使いが使いそうな杖だ。本当に魔法が使えてしまえそうなこの杖。木の棒のようなものの先端に緑色に輝く水晶が付いている。


 ぶっちゃけダンジョン内でマナ達にバレないように使おうと思ったんだが、まっっったく魔法は出なかった。やっぱりこれも練習が必要なのかなぁ。でも、今から練習するのもめんどくさいし今回は使わない方針で行こう。


 そう考えた俺はとりあえずベットの足に立てかけた。


 すると、


 コンコン


 ノックが響いた。マナかな?

「はーい」

「ライ君。マナです。これからの話をちょっと」


 初めての予想的中! やったね! ……しょーもない。

「あ、どうぞ。入って」

 そう声をかけるとドアが開き、マナが入ってきた。その姿は言葉にならないくらい可愛かった。水色のパジャマを身につけている。胸元は無防備だ。ダメだ見るな俺。


 こうして俺たちはベットに腰かけ、話しを始める。

「マナ、これからどうするかって言ってたけどどーゆーことだ?」

「あー、それは、このままもう龍討伐しに行くのか、それとも、もう少し強くなってから討伐しに行くのかってこと」


 確かにまだ龍の強さは全然分からない。もしかしたら今でも余裕で勝てるかもしれない。逆に手も足も出ず、返り討ちにされてしまうかもしれない。

 でも、それはやってみないと分からない。


「そーだな……マナはどっちがいいと思うんだ?」

「私は……もう少し強くなった方がいいかと。やっぱりギリギリ勝つより余裕を持って勝てた方がいいんじゃないかなーと考えているであります!」


 ん? であります? 気にせんとこ……

「そ、それもそうだな。やっぱもう少し強くなる方がいいよな……よし! 明日からもビシバシ強化していくぞ!」

「はーい!」


 そう返事をするとマナは部屋を出ていった。


 もっともっと強くなる。そして龍を倒す。ずっと龍を倒すって言ってるけど驚くことにこの世には龍が9匹いるのだ。さっき思い出した。

 でもまぁ……ドラゴもいるし……1匹目を倒しちゃえばその後も楽……かな! そう考えよう! そうじゃないと気が持たないからな!


 俺しかいない部屋で不敵な笑みを浮かべる俺。

 まだまだ俺の冒険は始まったばかりだ!


 地球は今も時間は進んでんのかな……異世界物の永遠の謎だ。


 ―――――――――――――――――――――――


 次の日。俺たちはドラゴと合流し、とりあえず平野に向かっていた。

「強化って言ってもよ? どこで何すんだ?」


 そう。強化するために何をするのか。俺は昨日寝ながら考えた。すぐ寝たけど。

「ふはははは。俺にはいい考えがあるのだ」

 俺は笑って2人にそう伝える。


「考えってなんですか?」

「まぁまぁ。着いて来い」


 こうして俺は目的地に向かった。


「ここって……」

「いつもの平野じゃねーか! ここで何するって言うんだよ」

 そう。ここは俺がこの世界に来てからお世話になっている平野だ。


「ここにはオークしかいませんよ?」

「マナ……忘れていないか? あの恐怖を……」

 みんなが一度首を傾げる。そして気づく。


「もしかして……あの……おっきい……」

 マナがドラゴの口を塞ぐ。

「これ以上言わないで! てか、ライ君本気……なの?」

 俺は「うん」と頷く。


 強化するにはこれしかないのだ!

「さぁ……大幅強化の開始だ!!」


 そうして俺はあのでっかいオークを蹴り飛ばした。

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