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03 1人目の仲間

「あなた、龍討伐しに行くんでしょ」

 そこには紛れもない美少女が立っていた。金髪ショートで俺より頭一個分小さい女の子だ。すごく可愛いが、表情が無に近かった。

 当たりが暗くなり始めている中僕達は会話を始める。


「あ、あぁ。そうだがなんか用か?」

「私も龍を倒したいの。でも私一人じゃ無理だからあなたに頼みたくて」

 それは偽りのない主張だった。

 僕と同い年か、それよりも低い歳の少女が何故龍を討伐したいだなんて言っているのか。

 俺は疑問で仕方がなかった。


「でも、なんで討伐したいんだよ」

「勾玉を手に入れたものは一つ願いを叶えられる。私はこの国の差別を無くしたいの。お母さんとお父さんを苦しめたこの現状を……」


 涙ぐみながら彼女は話していた。その涙で俺は胸が締め付けられた。

「この国は酷いくらいの人種格差があるの。しかも、その格差は、龍の居る祠に近いか遠いか。ただそれだけなのに」


 彼女からは怒りと悲しみの感情が溢れ出ていた。

 俺はどうすれば分からなくなった。こういう時は優しさが大事なのだ!


「そ、そっか。お母さんとお父さんは元気なの?」

 慰めようと何も考えず放った言葉。

「もう……居ないよ……あ、初対面なのにごめんね」


 ――居ない


俺は驚いた。俺と同い年くらいの女の子がこんなにも苦しい生活を送っているなんて。


 俺は悪いことをしてしまった。

 俺の癖だ。ことを言いように進めるために何も考えずに行動してしまう。


「あ……悪いこと言っちまってすまん」

「ううん。大丈夫。あなたは悪くないもの。しかも、龍を倒したいって言ってバカにしなかったのはあなたが初めてよ。ありがとう」

 彼女は首を振ってから柔らかい声で僕に感謝を示した。俺を包み込むようなその声は俺を少し動揺させた


「そ、そりゃどうも。君はじゃ今はどこで暮らしてるんだい?」

動揺を隠すように新しい質問で切り返す。

「近くのおばさんに引き取ってもらったの。「龍の祠」に近いお家のね」


 龍の祠。

 それがどれほどのものなのか俺はまだよく分からない。龍がどれくらい脅威なのか。この国で暮らす人々にもたらしている影響は何か。

 でも、彼女と話しているうちに中途半端な気持ちじゃ勝てやしないことがわかった気がする。


「そっか。君お名前は?」

「私の名前はマナ。あなたは?」

 そっか。名前を聞いたはいいが、俺はなんて名乗るべきなのだろう。この世界では苗字がないのか?

 なら……


「俺の名前はライ。よろしくな」

「ライ君。よろしく」

 意外とこの名前は気に入っている。

 ライってカタカナ表記にするとかっこいいだろ?


「マナ。俺と一緒に龍を倒してくれないか? てか、マナの望みはそうだろう。まぁ、あの勾玉の権限で差別撤廃を求めることは保証する」


 これが一番だろう。俺は9つの龍全て討伐すればなんでも望みが叶うのだ。1つの望みくらい捨てたってどうって事ない。てかまず俺に望みが無い。

あと、俺は仲間が欲しかった。元々の世界でも一人では何もできなかった。出来るとしたらゲームだけ。だから、マナが居れば少しは大丈夫になると思った。


「え……? いいの?ライ君も望みのために龍を倒すんじゃ……」

 ここはいい人ぶることが大事なのだ!


「大丈夫大丈夫。マナほど深刻なものじゃないし、仲間が増えるとやっぱ嬉しいじゃねーか」

 もちろんここでの望みはない。少し悪いことをまたしてしまった。

でも、もし俺に願いがあったとしてもしょーもないものだし、マナの願いを叶えてあげようと思っていただろう。


「あ……ありがとう。よろしくねライ君!」

マナは何かから開放されたような顔で俺に感謝を伝えた。

"ありがとう"

その言葉が俺に刺さった。初めての感覚だった。ずっとひとりぼっちだった俺に一筋の光が見えたような気がした。

明日の待ち合わせ時間と場所を決め、別れようとした時、ふと俺の脳裏によぎったことがあった。

 ――俺どこに帰ろう。


「あ、ちょっとマナ!まって!」

家に向かって歩き始めたマナに向かって叫んだ。

 キョトンとした表情でこちらを振り向くマナ。


「お願いだ……居候させてくれ!」

「ほへ?」

鼓動が強くドクドクと跳ねる。こんなこと言うのは初めてだ。

 確かに俺はかなーり大変なことを頼んでしまった。

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