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22 流れ星に願いを

 次の日の朝。ドラゴとの待ち合わせ場所に向かう途中。


「ライ君。昨日はありがとね」

 急に話しかけてきて少しビビったが俺は答える。


「大丈夫大丈夫。元はと言えば俺が悪かったし。これからは急いでじゃなくて、遠回りでもいいからゆっくり歩いて行こう」


 それを聞いてマナは「はい!」と元気よく答えた。


 ―――――――――――――――――――――――


 ドラゴと合流しマナは走り始めた。

 メニューも一日30本に減らした。


 マナが30本走りきった時、ドラゴは俺に問いかけた。

「ライ。この前まで50本だったのになんでいきなり減らしたんだ?」


 確かにドラゴには言ってないな。このまま昨日のことを言っても良かったのだがここはモラルに反すると思い俺はこう答えた。


「そろそろ俺もブラックからホワイトにしようと思ってな」


 それを聞いたドラゴは「はははは」と笑って、

「そうだな。ライ、俺にもホワイトでよろしくな」


 俺は「おうよ」と答えた。


 そして走り終わったマナに近づく。

「お疲れ様。マナ」


 そう行って俺はタオルを渡す。なんせ俺はホワイトだもんな。


「ライ君ありがとう。前まではこんなことしなかったのに急にどうしちゃったの?」


 タオルで顔や腕を拭きながら問いかけてきた。そこ聞くのか……まぁ、正直に答えるか。


「まぁ、これからはホワイトだからな。ちょーぜつ優しめで行くよ」


 微笑みながら俺たちは目を合わせた。

 これだ。これを求めていた。何の変哲もない楽しい生活。


「でも、あんまり甘やかしすぎないでくださいね? 私一人じゃ何も出来ないんで」


 俺とドラゴは笑う。そうするとマナは「笑わないでください!」と頬を赤く染めながら怒った。


 確かに俺は笑えないな。俺も独りじゃ何も出来ないから。マナとドラゴが俺には必要なんだ。


「じゃ、帰るか」

 ドラゴが言った。俺はそれに待ったをかけ、

「ちょっとこの後行きたいところがある」


 2人は首を傾げ「どこに?」と聞いてきた。


「まぁ着いてこい」

 俺は2人を連れてある場所に連れで行った。


 ―――――――――――――――――――――――


「ここは?」

「ここはこの国でいちばん高いところだ。空にいちばん近い丘の上」


 もう辺りは暗くなっている。俺は空を見上げ、指を指す。指を指した方向を見るとたくさんの星空が拡がっていた。どこまでも続いている綺麗な空。手を伸ばせば星が掴めそうだった。


「ここ、修行中におっさんに教えて貰ったんだ。ここは星が綺麗だからみんなと見に来るといいってな」


 マナとドラゴが俺の指さした方向に首を向ける。マナとドラゴは目を見開き、「うわぁ」と感動したように声を漏らす。


「あ、流れ星!」

 マナが興奮する。


「俺の前居たところにはな、流れ星に願い事をすると願いが叶うって言われてるんだ」


 前いた所とは地球のことだ。あと、ちなみに、この話はこの世界には無い事をおっさんで確認済みだ。


「じゃぁ、次流れ星が流れたらみんなで願い事しましょう!」

 マナが俺とドラゴに問いかける。俺たちは「そうだな」と答えた。


「何願おっかなぁ。やっぱ強くなりたいとかかなぁ」

 ドラゴが呟く。

 俺も話を出したは良いが、何を願おう。この願いは勾玉よりも遥かに効力は低いだろう。でも、願い事するとしたら……


 そう考えていると、

「あっ! 流れ星!」

 マナが叫ぶと俺とマナは手を合わせ目を瞑った。


「龍を全部倒せますように!」

 それを言ったのはドラゴだった。


「おいおい。こういうのは口に出さず心に秘めとくものなんだぞ」

「げっ、そうなのか」


 俺とマナは「うんうん」と2回頷く。


「俺言っちゃったんだから2人も教えてくれよ〜」

 両手を合わせドラゴがお願いしてきたが、


「嫌! 内緒です!」

「俺もだ」

 そう2人して答える。そして俺たちは向き合い笑った。


 俺の願いは現在進行形で叶ってるんだけどな。


「それじゃ、もう暗いし帰るか!」

 俺たちは丘を降りた。

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