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20 ドラゴとの模擬戦

 次の日。

「マナ!今日も走るぞ〜」

「はい!」


 元気よく返事をしたマナは平野を走り始めた。

 女子には一日50本でも気づいたはずだ。また、無理して倒れないように気をつけないと。

 まぁ……50本の命令を出したのは俺なんだけど。


 走るマナを横目にドラゴが俺に話しかけてきた。

「ちょっとライいいか」

 俺は「ん?」と返事をする。


「俺と一回模擬戦をしてくれないか」

 ドラゴからのお願いだった。ドラゴは俺よりも強い。そのドラゴが俺と模擬戦をする必要があるのか。

「お、俺はいいけど、ドラゴ。俺と模擬戦をしても何も得られないんじゃないのか?」

 そう聞くと、


「いや……得られるもんしかねぇよ。ライ。昨日のライを見て分かっちまった。お前の努力と俺と開いたその差をな。だから……一回でいいから俺と模擬戦をしてくれ」

 俺は少し考えた挙句、

「分かった。でも、やるからには本気でだ」

「あぁ。もちろんだ」


 俺はナイフを、ドラゴは大剣を握った。

 13本目が終わったマナがいったん走るのをやめ、俺たちの模擬戦を見に来た。


「でもよ、ライ。大剣とナイフじゃちょっと分が悪いんじゃねーのか?」

「いーや、大丈夫だ」

 俺はこいつと約半年間ずっと一緒にいた。このナイフと。


「行くぞ」

 前の俺だったら100パー……いや、1000パーセント勝てなかった。

 でも今の俺なら……


「ライ!全力で来い!」

 その言葉を聞くと同時に俺は一気に距離を詰め、ナイフを頸動脈辺りを切り裂こうとする……が


 やべぇ! 勢い付け過ぎた!

 このままじゃまじで切っちまう!

 と思った矢先……


 ……!やるじゃねーか。


 ドラゴは走ってきた俺をかわした。

 勢いで飛んでいく俺をドラゴは追いかけ、大剣を振り下ろす。


 早い……!


 明らかにドラゴの瞬発力、機動力共に上がっている。

 でも……負ける訳には行かねぇ。


 俺は足でブレーキをかけ、ドラゴの大剣をナイフを滑り台のようにし攻撃を受け流した。

 ドラゴは攻撃の勢いで体制を崩す。


 今しかない!


 俺は攻撃を受け流してすぐ走り出し、ドラゴの後ろに回った。

 そして俺はドラゴが振り返る前に首に腕を回し、ナイフを首に突きつける。


「俺の負けだ。ライ」

 ドラゴは力が抜けたようにそう言い放つ。

 それを聞いた俺は、体の力が一気に抜け落ち首に回した腕を解いた。


「ドラゴ……お前は明らかに強くなってる。すげぇよお前!」

 俺はそう言うと

「でも、それ以上にライは強くなってるじゃねーか。なんか……今の俺ってだせぇな」

 ドラゴは小さくそうつぶやくとマナが拍手をしながら近づいて来る。


「すごい……すごいです!二人とも!」

 笑顔でそう俺たちに言いよる。


 二人とも。


 それを聞いたドラゴは

「俺は……俺は全然だ。もっと……もっと強くならなきゃ」

 それは昔の俺を見ているようだった。


「ドラゴ。お前は充分強い。でも、ひとつ言うとしたら攻撃の時力みすぎだ。そのせいで簡単に受けれちゃうんだ。俺みたいなナイフ相手だと中途半端な攻撃が一番きついんだ。次、模擬戦やるときゃあればもっと強くなってこい!」


 それを聞いたドラゴは笑いながら

「はははは。全てお見通しか。ライはすげぇな。次は負けねぇよ」

「何度でもこい!」


 俺は笑顔で答える。

 ぶっちゃけの所ドラゴが加速を体得していたら負けていた。

 ドラゴも成長している。みんな強くなってる。

 これなら龍だって……!


フラグを立てるのはやめておこう。


 ―――――――――――――――――――――――


 それから二週間がたった。

マナが俺にいつもとは違う雰囲気でこう言ってきた。

「ライ君…加速がまだ……体得できません……」

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