13 会わなくても心が繋がってる?
……!
マナが倒れた。どうしてマナが。俺は心配で仕方がなかった。
「ドラゴ君とたまたまさっき会ってのう。最近マナちゃんが練習をたくさん頼んでくるらしいんじゃ。お見舞いに行ってやってはどうだ?」
マナも強くなろうとしている。理由は分からない。
でも、マナは理由を持って強くなろうとしているはずだ。
「それは出来ません。約束がありますから」
「ほう……。約束か」
「必ず強くなって戻る。まだ俺は強くもなんでもない。マナも分かっているはずです」
マナも分かってくれるはず。約束したんだから。マナもそれを望んでいるだろう。
……とは言ったが、実は明日ダボさんに「奥さんの誕生日プレゼント一緒に買いに行って欲しい!来なかったらこれからは修行無し!」って言われちゃったからこっち優先するしかないんだよな……
「おっさん頼みがあるんだが」
「ほう。なんじゃ?」
「ま……マナの様子を見てきてくれないか?」
でもやっぱり心配!
しょーがないよね?心配するのはね?
「やっぱ心配なんじゃな。明日行ってくるとするよ」
おっさんは笑いながらそう言った。
なんか俺の心見透かされてる気がする。
「あ……ありがとう」
早く強くならなきゃ……
―――――――――――――――――――――――
私は倒れた。ドラゴとの打ち合いが終わったときから記憶が無い。
「ここは?」
私は目を覚ました。
「残念ながら俺ん家だ。調子は?」
「大丈夫よ」
ドラゴがここまで運んでくれたらしい。
私ったら……もう嫌になっちゃう。
「さっきたまたまおっさんと会ってライに伝えるように言っといたから……」
……!
「ライ君に言ったの!」
「ま、まだ分からないが……」
これは私のプライドの問題だ。
次ライ君と会う時までに強くなる。そう決めた。
なのに今こんなに姿の私とライ君が会うなんて……
「お、おい。大丈夫か?」
「え、あ、ごめん。大丈夫」
ライ君なら分かってくれるかな。私がどうして戦い方を学んでいるのか。今ライ君に何をして欲しいのか。
ライ君ならきっと……
ライ君は優しいから……優しいからこそ私のプライド守ってよ……
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数時間横になり立てるようになった私にドラゴは安静にするよう念押しされおばさんの家に帰った。
「おかえり」
「ただいま。おばさん」
おばさんは倒れたことを知らない。
私がこんなに頑張っていることも。
でも私はいいんだ。ライ君のためなんだもん。
私は部屋に入りあの人のことを考える。
「ライ君と、いつ会えるかな」
私はつぶやく。ライ君が居なくなってから家がまた寂しくなった。
私はライ君に見合う人にならなきゃ。ライ君が強くなって戻る前に。
大好きなライ君のために。
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次の日。おばさんの家に朝、おじさんが来た。
「マナちゃん調子はどうだい。ライが俺は行かないというもんでね。おじさんですまんのう」
「いいえ。大丈夫ですよ」
私は笑ってしまった。
ライ君はやっぱり私のこと分かってる。
会わなくても心が繋がってる気がする。
私は終始ニヤニヤしていた。
ありがとう。ライ君。
―――――――――――――――――――――――
その頃俺は……
「これとかどうだ?」「これは?」「これもいいな」
ダボさんと街に出ていた。
はっきり言って俺はいらない。
「ダボさん。これ俺要ります?」
「要る」
即答かよ!
そして、プレゼント選びは昼までかかりました。
マナ怒ってないかな…
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