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11 またまた約束のお時間

 弟子になったはいいが、怪我がいえなければダメということで一週間おっさんの家で寝て過ごすことになった。


 寝て過ごして4日目。おっさんの家に俺の見舞いでマナとドラゴが来た。

「ライ君怪我の調子はどう?」

「あぁ。もう大丈夫だよ」


 それを聞いてほっとするマナ。

「俺がいたらまだ何とかなっかもしれなかったなぁ。すまんライ」


 頭を掻きながらそう言い放つドラゴに対して俺は「大丈夫大丈夫」と両手を振った。


 俺はまだマナとドラゴにおっさんの弟子になったことは言っていない。

 弟子になったということは2人とは別に修行をする事になる。その間、2人には待ってもらわなければならない。


 しばしの別れを伝えないと。

「じゃ私たち行くね。バイバイライ君」

 2人は俺に向かって手を振り振り返った。


「ちょっとまって!」

 俺は呼び止める。

 この声を聞いて2人はこちらをまた向く。


「俺……おっさんの弟子として修行することにした。だから……俺が強くなるまで待っててくれるかな……」

 俺は不安だった。


自分勝手

 

この言葉が一番今の俺にぴったりだろう。


 ソワソワしていると、

「約束。強くなって必ず私たちの前に戻ってくること。これが条件。いいよねドラゴ君も」

 マナの問いかけにドラゴが頷く。


 俺は嬉しかった。単純に。俺の自分勝手な考えをこんなにすぐ受け入れてくれて。


「ありがとう。その約束絶対守るよ。必ず強くなるから」

 絶対強くなってみせる。

 あの男にも、龍にも勝てるくらいに強く。

 大切な人を守るために。


 もう一度マナとドラゴは笑顔で手を振り帰っていった。

「よーし! やってやらぁぁあ!」


 ―――――――――――――――――――――――


 おじさんの家からの帰り道。

「マナ? でも本当に良かったのか?」

「うん。ライ君が決めたことだから」


 実際のところ私は悲しかった。もっと頼りにして欲しかった。


 ――友達だから


「ほんとのほんとにか?」

「本当の本当にだよ」

「でも、マナお前……泣いてるぞ」


 私の頬には大粒の涙が零れていた。

 ライ君があんな目にあったのに私には何も出来なかった。

 ライ君があんなに強くなろうとしてるのに手を差し伸べられなかった。

 こんな私が友達でいいのか。

 ライ君に見合った友達なのか。

 色んな疑問が湧いてくる。


 私は涙を脱ぐって

「ううん。泣いてない。私は大丈夫」


 強がりを見せる私。

 本当は離れて行って欲しくなかった。

 でも、しょうがないよね。


 私も頑張らなきゃ


 ボケーっとしてるドラゴに

「ドラゴ! 一つお願いがあるの!」

「な、なんだ?」


 私は小走りで3歩前に出てドラゴと向き合う。

 驚いた様子で聞き返すドラゴに私はこう言った。

「私を強くして!」


 ―――――――――――――――――――――――


 修行1日目。

 ここは近くの広場。あまり人のいない修行スポットだ。どんな修行があるのかな。


 ドキドキワクワク……

 はしなかった。


「ほっほっほっ。逃げてないのう。偉い子じゃ。とりあえず加速の体得をしようかのう」

「どーやって体得するんだ?」


 俺は首をかしげ聞き返した。

「加速はスタートダッシュが肝心なんじゃ。だから短距離を沢山やってもらおうかのう」


 それなら楽勝だ。長距離より短距離の方が楽だしな。


「わかった。何本やるんだ?」

「体得するまで1日100本かのう」


 ……!


あと何週間生きていられるだろうか。


 こうして地獄の修行が始まった。


 ―――――――――――――――――――――――


「はぁはぁ…99…」

「ラストじゃのう」

 今日で走り始めて三日目。

 今日もダメだった…と思ったその時


「100…!」


 ビュン!


 すげぇスピードが出た。

「おっさん!もしかして…」

「体得完了じゃ。意外と早かったのう」


 よっしゃ! 体得出来たぞ!

 これでやっとスタートラインに立てた!


「明日からは戦い方をみっちり叩き込もうかのう」

 ここからが本題だ。戦い方なら俺が志願した。やる気はある。ちゃっちゃと強くなってマナとドラゴに会いたいなぁ。


 ―――――――――――――――――――――――


 加速を体得した日の夜。

「ライ。少しいいかのう」

「あぁ。どうした」


 おっさんが部屋に来た。

 何を言い出すのかと思うと……


「1日腕立て、腹筋、背筋100回ずつじゃ。これをしなかったら次の日の修行はなしとする良いか?良いな。物分りが良くていいのう」


 ……


 まだ何も言ってないよ!

 えぐいこと言いすぎて脳内の処理速度が追いついてなかったよ!?


 筋トレとは全くの無縁だった俺にとって、このメニューは地獄でしか無かった。


 ……


 100!


 またまた地獄の日々がスタートした。

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