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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第三章 騎士編
92/310

Ep:92 再会

 王様は、僕の拳を受けて大きく仰け反る。


「ぐッ…!」


口の端から血を垂らし、青くなった頬を触る。


「今のはフォルジュロンさんの籠手(ガントレット)の分だ…!まだ僕は怒り足りない!」


僕は右手を握り締めて言う。


「流石は英雄の末裔だ…同じ()()()()者として羨ましい限りだ…」


王様は少し脱力した様に立ち、口から垂れる血を拭う。


「同じ血を持つ者…?それってどういう事…!?」


エルが僕の後ろか王様に聞く。


「言葉の通りだ。英雄の血を引く者は皆、そなたらの様に白銀の髪か、深紅の瞳の要素を受け継ぐ。我の父は灰色の髪をしていた。それが英雄の血と混ざり、我の銀の髪になった…」


「それは可笑しい…陛下の御父上…先王陛下は黒い髪だった筈…!それがどうして…」


「我は母の…()()()の前妻の隠し子だ。王族の血を引き、女性優位のこの国において母の推薦した我の王位は揺るがなかった。義父上にとって、自ら作った女性優位の法律を最も恨んだ瞬間だっただろう」


王様は淡々と語る。


「先王陛下への無礼は幾ら陛下でも許される事では無いぞ…」


ダギル大尉は拳を握り締め、怒りで逆に冷静になり言う。


「何を言う?義父上は既に死んでいる。我等の手によってな」


「団長は…アードラー団長は、俺達の銀鷲を作った先王陛下を慕っていた…そんな御方を侮辱するな…」


ダギル大尉は歯を食いしばる。


「言っておけ。所詮、武器の無い小隊長程度に出きる事など無い」


「くっ…!」


王様はそう言って余裕の表情を見せ、ダギル大尉はその言葉に言葉にならない声を出す。


「安心しろ…少なくとも、気を逸らす事くらいはできた…」


いつの間にか王様の後ろにアカネとアオイの姿があった。二人はカタナを抜き、それを王様に向かって振る。


「何時の間に…!?」


王様は咄嗟に振り返り、二人のカタナを剣で止める。しかし、勢いに押されて一歩後退った。


「強敵なので、私も葵も出し惜しみはしません!暁刀流(あかつきのとうりゅう) 秘技の壱、旭日昇天!」


アカネは一瞬で王様の懐に潜り込み、カタナで王様を斬り上げる。その一撃は、王様の体に傷を付けた。血を垂らし、弾き飛ばされながら王様は指を鳴らした。そうして生成された黒紫色の魔力の塊を、王様は僕に向けて放った。


「なッ…!速い…ッ!」


「間に合わない…!」


アカネとダギル大尉が呟く。僕にも何故か反応できなかった。本来なら第二段階(フェーズツー)で遅く見える筈なのに、僕の右眼には、既に魔力の塊が到着した映像と、まだ向かってきている映像の両方が映っていた。僕は覚悟して目を瞑る。


「おらあぁッ!」


声が聞こえ瞼の奥が朱く光った後、熱風が僕達に吹き付ける。


「そこそこ久しぶりに会おうと思ったら、何かヤバい事になってんな…敵は国王で良いのか、ライト!」


目を開け、眼前の朱い影が揺らめく炎だと気付いたのも束の間。僕の耳には聞き覚えのある声が届いた。


「ブルート!?」


「挨拶は後だ。今はやるべき事をやるぞ!」


ブルートは、灼熱に燃える剣を王様に向けて言った。

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