Ep:155 工房
「た、助かったぜ…!何だったんださっきの…?」
クリスは僕とブルートに向かって聞く。僕とブルートは戸惑い、顔を見合わせる。それを見てクリスは言った。
「また守秘義務の事気にしてんのか…?それなら絶対に誰にも言わないって約束する。それでも教えてくれないか…?」
クリスの真剣な表情に、僕とブルートはたじろいでしまう。
「分かった…でも、絶対に誰にも言うなよ…?」
ブルートは諦めた様に言い、クリスは深く頷いた。僕とブルートは、クリスに今まで起こった事、僕が現状何者なのか、そしてJokerが敵であることを教えた。
「大変だったんだな…オレなんかがその気持ちを分かるなんて言っても、信じて貰えないだろうけどよ…」
クリスは真剣な表情で言う。
「クリス、お前…!オレなんか何て言うなよ…!」
ブルートは、何故かそこに反応していた。
「簡単では無いし、今すぐに騎士になれないのは分かってる。それでも、ブルートの為に、アンタの為に…いや、この国の為に力を貸す事くらいはできるからよ。一協力者として手伝わせてくれ。ここに居る間だけでもな」
そう言ってクリスは手を差し出した。僕はそれを握り返した。
「さてと…改めて、ここがオレの工房だ!」
クリスは、さっきまで僕達が居た建物を差して言った。
「ラボ?」
「ああ、ここで色んなものを作ってるんだぜ」
確かに、よく見てみると道具や材料が沢山並んでいる。
「お前、まだ機関作りしてんのか…?」
「当たり前じゃねえか。最近新しい武器が出来たんだぜ!」
クリスは嬉々として笑っていた。
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息を切らしたJokerが、覚束ない足取りで、トイフェルとヘルツ、そしてエルの居る謎の屋内に帰って来る。
「お帰り」
トイフェルはJokerに一瞬だけ視線を送り言うが、直ぐに目を逸らす。
「お帰りじゃ無いよ…!何だいあの強さは…あれが魔王の力なのか…?」
「いや、彼の場合は魔王の力だけじゃない…彼自身が力を使い熟し、技を作り、強くなっている」
「たかが人間が、魔王の力を使い熟せる筈が無いだろ…!?」
「魔王の力を持っている時点で、只の人間じゃ無いのは分かり切った事だろう?」
トイフェルはJokerに対して、少し厳しいあたりを見せた。




