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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第五章 切札編
150/310

Ep:150 到着

 日が暮れて、ようやく宿屋に着いた。


「ハァ…ハァ…集落までじゃ無かったの…?」


僕は息を切らしながら、同じく肩で息をするブルートに聞く。


「だってよ…負けたままは嫌だろ…?」


「結局僕が勝ったのに…?」


「煩ぇ…」


そう言ってブルートは顔を逸らす。そこに、馬車が追い付いて来た。


「ようやく追いついた…」


御者はそう言って馬車を降りる。僕とブルートは馬車から荷物を降ろす。


「そ、それじゃあ私は馬を泊めて来ます…」


そう言って御者は、馬の手綱を引いて馬宿まで連れて行った。


「俺達は先に入ろうぜ…」


「そうだね…」


僕とブルートは宿屋の中に入り、鍵を預かる。部屋に入って、今日は早々に休んだ。


------------------------------------


 時間は大幅に流れ、もうすぐ機巧都市に着く。機巧都市に近付くに連れて、ブルートの表情が険しくなるのを見て取れた。


「もうすぐ着くよ…?」


僕はブルートに聞く。


「あ、あぁ…」


ブルートは気の抜けた返事をする。


「もうすぐ着きますよ」


御者の声が聞こえて少し経つと、周りの景色が一転した。見た事の無い建物が立ち並び、金属が動く音の様なものが聞こえる。


「これが機巧都市…?」


建物に伝っている筒の様な物からは煙が昇っていたりもする。暫く進むと、馬車は停まった。外に出ると、より一層音が大きく聞こえる。


「遂に帰って来ちまった…」


「折角帰って来たんだから、挨拶しに行ったら?」


「あ、あぁ…でも…」


そう言ってブルートは僕の方を見る。


「僕は大丈夫だから」


僕が言うと、ブルートは少し表情を明るくし、顔を上げた。


「俺の実家、付いて来るか?」


僕は少し考えて頷く。


「じゃあ付いて来てくれ」


そう言ってブルートは機巧都市の複雑な道を右へ左へ進んで行った。


------------------------------------


「あれ、ブルートじゃん?」


突然声を掛けられ、僕とブルートは困惑する。でも、僕とブルートの困惑の種類は違う。僕は突然声を掛けられた事に困惑し、ブルートはその相手が知人だから困惑している様だった。


「何でお前…!こんな所に…!?」


「それはこっちの台詞だよ、何でブルートがここに?」


ブルートが会話する相手は、金色の長髪に、白いシャツ、茶色と緑の混ざったような色の大きめのズボンを履いている。特殊な部分は、左腕だけ長袖で、白い手袋もしている。それと、両足に黒いバンドの様な物を二本ずつ巻いていた。


「クリス…その…」


ブルートは普段からは想像もつかない程しどろもどろになる。


「誰…?」


僕は小さい声でブルートに聞いた。

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