Ep:148 馬車
僕とブルートは、機巧都市へ調査に向かう準備をする為にドミヌス団長の酒場を出る。ブルートの後ろをついて行くように出ると、僕の後ろで扉が閉まると同時にブルートが口を開く。
「機巧都市か…」
そう言ってブルートは足を止める。
「故郷なんでしょ?帰る機会だと思えば良いんじゃない?」
「そう考えられれば気が軽いんだけどな…前に言っただろ…?俺が騎士を志した理由」
そう言われて思い出す。
「うん…でもあの時は小さな町だって…」
「小さな町には変わりないんだよ。ただ、生産業が盛んで、王都に輸入してるからか、いつの間にか機巧都市って呼ばれるようになったんだよ」
「そうなんだ…」
僕は呟きながらブルートの横を通り過ぎる。そして振り返った。
「もしブルートが機巧都市に後ろめたさを感じてても、行かないと調査できない。僕は関係無くブルートを連れてくからね」
僕がそう言うと、ブルートは顔を上げて言った。
「あぁ、分かってる。自分で行くって言った以上、勿論遂行する…!」
そう言ってブルートは拳を前に突き出す。僕はそれに自分の拳を打ち合わせた。
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二日後、僕とブルートは機巧都市に向かう為、馬車に揺られていた。既に王都からはかなり離れ、周りには長閑な集落ばかりがあった。
「こっから二日掛かんのか…ずっと馬車ん中か…」
「ブルートはいつから王都に居たの?」
「入学する少し前だよ。そっから一年半くらい帰って無いな…そういや、騎士になったって報告もしてねえな…」
「一年半か…」
僕は呟く。
「お前からしたら短い期間だよ…」
ブルートはそう呟いた。それからはあまり会話も無く、馬車に揺られながら外を眺めているだけだった。
やがて日が暮れると、馬車は町に入り、宿屋の前で停まった。馬車を降りて宿屋の中に入り、名簿に名前を記入する。部屋の鍵を預かると、僕とブルートはそそくさと部屋のある場所まで向かった。
「後で飯食いに行こうぜ。準備終わったら知らせるわ」
そう言ってブルートは、僕が泊まる部屋の隣の部屋へと入って行った。
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明日の朝には宿屋を出るからあまり荷物は広げず、軽く必要な物だけ出してベッドで寛いでいると、部屋の扉が叩かれる。
「ライトー、飯行こうぜー」
何と言うか、ブルートにしてはパッとしない声を掛けられる。
「今行く」
僕は扉越しのブルートに聞こえる様に返事をして、夕食を食べに部屋の外へ出た。




