唐突にぶち込まれる非現実要素とクトゥルフ神話のソテー
先に言わせてもらいますと、このお話には人体及び動物への肉体改造(テラフォーミング的な意味での)が多数出現します。
もしそういう系のやつが嫌だ、という方がいらっしゃるのでしたら、七菜さんの方へお逃げ下さい(黒い笑み)
今回は謎物質が出てきますが完全に適当設定なので大学で研究とかしないで下さい。
私がやりたい。(変態)
みかんの白いとこ食べるかどうか論争が巻き起こったが、一通り叫んでケーレは落ち着いた。
「何だかんだ言うけど、美味しければ何でもいいや」
「何故それに早く気付かぬい」
ケーレはパラーチの指摘にうぐっ、と声を詰まらせる。料理上手としてのサガなのではぬいのだろうが、どうしても白いとこは取ってしまう。上手い利用方法があれば良いのに。いや、存在するしぬいはその人の知識に依存するのでなくて、その人の経験と技量に依存するのだ。無かったら作れば良い。そうだ、他の誰がやるとかじゃなくて私がやればいいんだ!そうだそうだ!うぃー!やるぜやるぜ私はやるぜー!
1人心の中で拳を突き上げていると、目の前から咳払いが聞こえてきた。パラーチがじとーっと見つめている。具体的には、人を喰うとか噂になっているヤバいでかさのグリズリーが目の前で転けて頭を打って泡吹いて倒れてたらその上から木が倒れてきて下敷きになってる、そんな状況を見つめているような感じの目で。1回で良いから見てみたいわそんな状況。
ケーレは気まずそうに座り直して聞く。
「で、何だっけ?」
「それを聞こうとしてるんだけど?」
「え?」
「え?」
「…」
「…」
「…あっ」
ケーレは気付いた。いや思い出した。何であそこに倒れてたのか聞こうとしてたのに、みかんが全て持ってったから何にも覚えてなかったことを。滝汗を流すケーレ。ますますじとーっとなるパラーチ。見つめ合う2人。空気は最高級に温かった。
ケーレは改めて聞き直す。
「ん、んー。えっと、パラーチは何であそこに倒れてたの?」
「うん、それね。話そうと思ってたし、丁度良かったかな」
パラーチはありもしぬい眼鏡をくいっと上げ、手を組んでテーブルに肘を突く。異様に様になっているそのポーズに、ケーレは少し圧倒された。
「まあ、まず前提の知識からいこうか。遊戯は知ってるよね?」
「うん。現代史でやった」
遊戯。
フランスへと降り立った邪神の配下による欧州の蹂躙。奴は『ザストーア=アストーザ』と名乗り、神の名の下に人類を屠った。
その神は深淵の邪神。現代社会へと神の存在を知らしめたザストーア=アストーザは、アザトースの加護による圧倒的な力を、多くが夢見てきた『魔法』の力で欧州に深い傷跡を残した。
ケーレはざっくりと既習事項を思い出すと、それで?と続きを促す。
「で、それが?」
「ザストーア=アストーザが使った魔法の原理は?」
「確か窒化深淵暗黒物質を使うんでしょ?」
「具体的構造は?」
ぐぐにににに、と詰まるケーレ。脂汗を大量に顎から滴らせてそっぽを向く。
パラーチが肩をすくめ、解説を始める。
「窒素にある種の暗黒物質が混ぜ込まれてるんだよ。電子殻とかぶっ飛ばして原子核に混じったり電子雲の間を飛んだりしてる」
「…えへへ?」
「もしや化学やってねぇなおめぇ?」
理科弱者のケーレがニコニコして理解をやめた。今の時代には最低限の知識は必要な筈であるのに。恐らくケーレは少しも理科を使わずに生きていくつもりなのだろう。
パラーチ先生は溜め息をこぼし、再びポーズをばしむっ、と決めた。
「この世の全てをそこにおいてき、もといこの世の全ては原子で出来てる。それは?」
「うん、知ってる。水素とかでしょ?」
「それは良いのね。じゃあ、構造は?」
ケーレは人差し指でぷにっとほっぺたをつんつんしながら記憶の海を漁る。
「確か陽子っていう正の電荷を帯びてるやつと電子っていう負の電荷を帯びてるやつ、あと中性子っていう電荷を帯びてぬいやつが組み合わさってるんだっけ?」
「完璧かよ」
「あれ?」
ケーレは完璧に思い出した。そうだったそうだった。よし、そうそう。
「ところで原子核って?」
「そこか!」
パラーチが首を傾げるケーレに叫ぶ。基本のキが分かってねぇな!出直しな!そう言いたいのだろう。
「陽子と中性子が混ざって原子の真ん中にいるの。それが原子核。その周りを電子が飛んでる。それを殻に見立てて、電子殻。実際は雲みたいになってる。それで電子雲」
「へーぇ」
初耳ー、すごーい、とケーレはおててをぱちぱちしてはくしゅする。あのさぁ…、理解してる君?
パラーチは話を戻す。
「で、窒化深淵暗黒物質なんだけど、原子核から出るエネルギーで熱を出したりその過程で光を出したりするの。だから光線、熱線ができる」
「なるへろー」
ケーレはうんうんと頷く。理解してんのか?
「で、私はそれを使える」
「なるへ、ふぁっ!?え!?まっ、え!?」
焦るケーレ。微笑むパラーチ。見つめ合う2人。龍に睨まれたクマムシみたいな圧倒的格差がそこにはあった。
穏やかな表情でパラーチはケーレに話しかける。
「ほれ、ひっひっふーひっひっふー」
「ぴっぴっぽーぴっぴっぽー!」
「ぽぺー」
「ふぺー!」
脳内が交通渋滞にあるケーレにはこの方法は逆効果だったようで、目を回しながらわちゃわちゃし始めた。
苦笑してパラーチは右肩を前に向け、切れ込みの部分を彼女へと見せる。
「ほら、私の瞳を見て」
ぱくりと切れ込みが開いて、その間から2つの瞳が覗く。それは真っ直ぐにケーレを見つめており、不思議と視線が吸い寄せられる。瞳孔の深淵を見ているだけで昂った気分が落ち着いてくる。
瞬きもせずに右肩の瞳を見つめる彼女にパラーチは再度話し始める。ゆっくりと瞳は右肩の中に隠れていき、元のように切れ込みが走る。
「落ち着いた?」
「ん、うん。あ、ありがとう?」
「じゃあ、続けるね。今のも私の権能の1つだけど、窒化深淵暗黒物質…もう邪粒子でいいか。邪粒子を操るのは理論上は誰でもできるんだよ」
「にゃっ!?」
ケーレが目をカッと見開く。あの邪神の配下がしたことが誰でもできる?そんなこと絶望でしかぬい。危険極まりぬい。
しかし、人間誰でも魔法に憧れる日はあった。使えるのならば使ってみるのが我々の在り方だろう。
「私も?」
「もちのろんろんだよ」
「っしゃぁぉるるぁ!」
ケーレも当然その1人だった。パラーチの告知にちょっと荒れた声を出して喜ぶ。
「で!それで!?どうすればいいの!?」
「落ち着きなさい」
テーブルをばんばこ叩いて催促するけぇれちゃん。大きいお友達である。どこが大きいとかは言えん。パラーチのためにも。
「あ?」
「?」
まな板はどこか虚空を睨み付けた。この子は第4の壁を突破できるのだろうか。
「で、邪粒子ね。これね、邪粒子に対抗できるのなら誰でも使えるの。使い方は簡単、イメージするだけ。以上おしまい。閉廷!解散!」
「閉廷?解散?」
「冗談です忘れて」
唐突に冗談を織り交ぜてきたパラーチ。ケーレにそれは通じず、ふえぇ?と首をこてんされてしまう。ちょっとだけほっぺたを赤くしてそっぽを向く。
ケーレはパラーチのことを気にせずに邪粒子をイメージする。どんなモノなのだろう、邪粒子。邪粒子っていうから紫とか黒とかかな。いや、もしかしたらピンクとかかも。うーん、ここはとりあえず青ってことで。ふーわふわーってしてるのかな。いや待って、粒子だからふわふわしてるわけぬい。だから…えっと…ぬるぬる?あれ?すいすい?ぬめぬめ?あれれ?
「おーい」
「にゃっ!にゃんでしょうかパラーチ先生!」
「え?」
思考が交錯(1人で)したケーレはぴしっと敬礼しながらパラーチに応える。しかし先生とか言わてしまって困惑したパラーチはわちゃわちゃしてくる。わちゃわちゃしてるパラーチ、そして脳がオーバーフローしたケーレ。この空間にまともな人が存在しぬい。
色々混沌としてきたので、とりあえず紅茶をのんでまったりする2人。その顔は魔法領域に入って溶けきっている時のそれと全くもって同じである。
「それで、どうする?使う?」
「やりたいですぅ!はァい!」
なんだか小学生と教師みたいな感じになっている2人。勿論ケーレが1年生の子である。
パラーチ先生は眼鏡を上げるふりをしてふふふと微笑む。
「それじゃ、『私と契約して魔法少女になってよ』!」
「!?」
瞬間、ケーレの背筋に異様なまでの冷や汗が流れる。この世の全てをかき集めても及ばぬいであろう、暴力的な悪意、邪気、生理的嫌悪感を覚える。何故今のワードにこんなにも反応したのだろうか。
パラーチはくすくすと口を押さえ、手を差し出す。
「冗談。さ、一緒に魔法、練習してみよ?」
ケーレは胸を撫で下ろしてふにふにんと柔らかいマシュマロがふにょんと跳ねるもとい、胸を撫で下ろして安心する。
「あ?」
パラーチが再び虚空を睨み付けた。どこかで命が1つ消え去った気がするが、恐らく気のせいであろう。
ケーレはパラーチが伸ばした手を取り、満面の笑みで頷く。ここに1人、新しい魔法少女が誕生した。少女ではなく淑女の可能性が高いか。少女は目の前の子だろう。大きさ的に。
「…」
パラーチがまた虚空を見つめr6g313?6_n1346y:er3l6y0510101010110110101111010000000
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DANGER
コマンド:ワールドシステムへの介入
パスワードを入力して下さい
Password:Double double
さようなら、ザストーア様
β世界線のとある施設の一室で、1人の女性が目を閉じて胡座を組んでいた。その顔は完成され切っており、見るモノ全てを魅了する。白い髪に透き通る肌が調和して彼女を神の如き存在へと昇格させていた。彼女は軽く眉をひそめており、その表情には少し不機嫌な心情が見てとれる。
ふと胡座を解き、床に足を着けると彼女は目を開ける。その白い瞳は光を全く反射せずに瞳孔へと光を集め、その奥の深淵の腹を満たす。
「…これは難しいですね」
彼女が声を出して空気を揺らすと、部屋全体に冷気が広がる。物静かな陽子の女性と異なり、その部屋には触れるだけで他を殲滅する覇気が漂った。
「あの暴君の力を放っておいたのが間違いでした。しかし、もう過ぎたことですし、此方も利用させてもらいましょうか」
彼女が薄く微笑む。部屋に突如として雪が現れ、辺りを白く染める。宙に氷の粒が浮かび上がって床に白煙を垂らしたと思うと、彼女が鬱陶しげに指を鳴らす。瞬間、全ての氷が溶けて雪と混ざり、水となって消えた。
「はぁ、昂ると発動してしまうのがこれの改善点ですね」
溜め息を吐き、しかし口角を上げて彼女は嗤う。
「ふふふふ、楽しいですね。暴虐の主も含めて主様の贄にして差し上げましょう…ふはははは…!」
美しい顔を歓喜と狂気で歪め、嘲り、そして見下す。彼女は部屋の鉄格子の扉を開け、一匹の北極熊を蹴り出す。
舌を出して彼女はそれに手を突き立て、妖艶に血液を舐めとる。
「さあ熊畜生。お前は4匹目だ。あの蜥蜴と獏と豹に負けぬようにな」
蜥蜴…ドラゴン…原初…ウッ頭が
作者が模試でSAN値直送されたのでついでにこんなのどうぞ(いらない)
パラーチ「ほーらひっひっふーひっひっふー」
ケーレ「ぺっぺっぽー?」
パラーチ「ぴっぴっぽー」
ケーレ「ぺっぺけぺー」
パラーチケーレ「「んほほー!」」
パラーチ「…」
ケーレ「でゅへへはへひへふへ…!」
パラーチ「拳振ります」
パラーチ「ファンブルしました」
パラーチ「SAN値削れてケーレさんが発狂しました」
ケーレ「にゃへー!」
パラーチ「大団円でシリーズ終了しました」
ケーレ「は?」
パラーチ「え?」
北極熊「無駄な死亡したわ」