断罪2
壇上から必死になって探している副会長の姿を鼻で笑いながら会長は総隊長を呼ぶ。
「島崎っ!」
それが総隊長の名前だと気づくのに時間はかからなかった。
「はいっ!」
透き通った声は意外にも副会長の近くから聞こえた。
ハッとして後を見れば、長い髪を束ねた黒髪に赤いメッシュの入った前髪。その中から青い瞳と耳には金色に光る小さなピアス。そして何よりも人目を惹く彼の容姿にみんな目を奪われた。
こんな容姿をした生徒がいたのかと誰もが思ったことだろう。
会長と親衛隊だけが知っている彼の存在。
目立ちすぎる容姿のためにいつもは隠れて過ごしていたため今初めて人前にその姿を現したのだ。
その彼にボーっとして見惚れる者が続出。
副会長までもがポカンと口を開けて見惚れている始末だ。
だが、そんな夢心地は一瞬で終わりを告げる。
「降谷会長・・」
会長の前で片膝をつき頭を下げる総隊長の姿に副会長の意識が浮上する。
「あ、あなたが・・・総隊長なのですか?」
後からそう声をかけたが、総隊長は副会長を見ようとはしない。
「答えなさいっ!!」
イラついて声を荒上げると、総隊長は会長が頷いたのを確認するとゆっくりと副会長の方に振り向いた。
「いかにも、私が親衛隊総隊長の島崎蓮です」
にこやかに笑みを浮かべる総隊長の名前に驚愕する。
「島崎蓮って・・・まさか」
いや、そんなはずはありません。だって彼はここを退学したはずです。
「フフフ・・思い出しましたか?」
意地の悪い笑みを浮かべながら近づいて来る総隊長に副会長はガクガクと震えだした。
「私はあなたに無実の罪をきせられて退学になった生徒ですよ」
彼の告白に体育館全体がどよめき大きく揺れた。
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