反撃2
モニターが消え、照明が点灯する。
明るくなったことで生徒会メンバーに視線が集中した。
「これは、どういうことですか?」
「仕事をしていなかったのは会長ではなく、副会長たちだったのですか?」
「会長が倒れたなんて聞いていますん」
「酷いっ!」
さっきまでひと言も言葉を発しなかった生徒たちが次々と彼らに非難を浴びせる。
それらを檀上から眺めていた会長の目はどこか寂しそうだ。
「ち、違うんです・・」
「何が違うんですか?」
言い訳をすればするほど彼らは追いつめられていく。
だが、転校生は・・
「お前ら、オレたちは悪くない!悪いのは瑞穂だ!あいつがオレたちを騙したんだっ!!」
ざわつく体育館の中で彼のその声だけはハッキリとみんなの耳に届いて、それが増々彼らの立場を揺るがした。
「琉浮・・」
庇ってもらって嬉しそうにほほ笑む副会長だが、親衛隊は慕っていた彼の情けない姿に失望した。
「日向さま・・」
冬矢琉浮が来るまではお茶会なども開いて親しい関係が続いていたのにそれがプッツリとなくなり、それどころか親衛隊を罵倒するようになった。
あの優しくて思いやりのあった日向美咲の見る影もない。
そう、純粋に彼らの変り果てた姿に絶望したのだ。
書記の親衛隊も庶務の親衛隊もみんな同じ気持ちだった。
だが、それは日向美咲の偽りの姿。
そのことにまだ誰も気づいていない。
もう、いい―――
もう、やめよう―――
「降谷会長!お話があります」
手をあげて発言したのは、三人の親衛隊隊長だ。
「どうした?」
深刻な話だと察知した会長は彼らを手招きした。
そんな彼らが、自分たちの親衛隊隊長だと気づき不愉快そうに顔を歪めた。
「何の話ですか?あなたたちに話なんてありませんよ」
だが、彼らは副会長を無視して会長の前まで来ると彼にしか聞こえない地小さな声で話を進めた。
眉間にしわを寄せながらそれを聞いた会長は小さく息を吐いた。
「それでいいのか?」
「はい、もう私たちは彼らに未練はありません」
「そうか・・わかった。じゃあ、みんなの前で宣言しろ!」
「ありがとうございます」
涙目で頭を下げる三人に会長は同情した。
そして、檀上から――――――こう、宣言した。
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