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義教の野望  作者: ペロリん千代
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転生?

初投稿です。少し歴史が好きというだけなのでもしかしたらおかしいところが多々あるかもしれません。連載はできるだけ止めないようにしたいですが、止まったらごめんなさい。気づいた所があれば感想にて報告してください。

1428年 (応永35年) 義円


俺はかつて、どこにでもいる唯の社会人だった。なぜ過去形なのかと言うと現在はそうではないからだ。俺が何を言っているかわからないっていいたい人もいるかもしれない。だけどわからないのは俺も同じだ。今も混乱している。いろいろな疑問が浮かんでくる。なぜ俺は坊主になっている?ここはどの寺だ?考えても埒があかない。少し前に起こった事を確認してみよう。


重ねて言うが、俺は唯の社会人だ。室町時代が好きだったな。特に足利将軍が、だ。まあ自分でもマイナーだと思う。ある企業で働いていたが、特に有名な企業というわけではない、唯の中小企業だ。年は35歳、顔が怖いかったので彼女なんてできなかった。京都の東山に住んでいた。


その日、俺は車で10分ほどの会社に向かっていた。いつもなら健康の為に歩いて行くのだが、その日は寝坊してしまい、車で行っていた。思えばそれが悪かったのかもしれない。焦っていて、車のスピードはかなり出ていた、市街地なのにだ。


運転には自信があったがさすがに道路に飛び出して来た子供には反応が遅れてしまった。急いでハンドルをきってなんとか子供を避けることは出来た。だがそれでほっとしてしまい、一瞬注意が散漫になった。



目の前には大型トラックが突っ込んで来ていた。



そして気づけば俺は坊主になっていた。全くわけわからん。しかもなんか寒い。夏だったはずなのに。もしやこれは転生なのではないだろうか、という考えが頭をよぎる。でもここは明らかに日本だ。せめて異世界にして欲しかった。ハーレム作りたかったのに。


とにかく現状確認だ。俺はとある一室から外に向かう。外の風景は全く見慣れないものだったが、一つ俺の関心をひくものがあった。それは山だ。あの山の形はどうも見た事がある。いつも家から見たものと寸分の狂いもなかった。ああ、思わずため息をついた。



ここは京都だ。



眩暈がした。よく見ればこの寺も見覚えがある。青蓮院だ。


「あの、義円様」


びっくりした。誰だこの坊主。内心の驚きとそいつの顔を知らないことを隠しつつ、返事をする。


「な、なんだ?」


いかん、全然隠せてないな。ほら見ろ、目の前の坊主も訝しんでる。びっくりしたり焦ったりすると口調がすぐ乱れる。このせいで彼女ができなかったに違いない。決して顔が怖いからではない。


少し心にダメージを負ったがこれでわかったことがある。俺の名前は義円というらしい。しかも「様」をつけて呼んでいることから結構偉い人っぽいな。ここは堂々としておかないと。


「どうかしたのか?」


「あ、はい。実は幕府から使者が来ていまして」


「なに、幕府だと?」


聞き捨てならんな。非常に重要なことを聞いた。幕府ということは鎌倉幕府、室町幕府、江戸幕府のどれかだろう。坊主に顔を近づける。


「幕府とはどういうことだ、なんと言っている?」


「ひぃ、え、ええとどうやら将軍の後継についてのことらしいです」


なんで怯えているんだ、こいつは。まさか顔か、俺の顔のせいか?せっかく転生したというのに怖いままなのか。へこむわー。体もよく見たら全く変わっていない。どうやら事故前の姿をしているようだ。折角なら宇喜多秀家とか足利義尚みたいなイケメンが良かった。まぁ、イケメンでハゲってのもなかなかシュールだとは思うが。


にしても将軍ねぇ。なんかひっかかるんだよな。何か忘れてる気がする。もう少し聞いてみよう。つぎは笑顔で、だ。


「ほう、そうかそうか。将軍の後継がどうしたのだ?そして私になんの関係があるのだ?」


「ひぃぃぃっ!そ、それが石清水八幡宮で籤引きを行った結果、義円様が6代目の将軍に決まったとの事です」


何?俺の笑顔でこいつがとんでもなくびびっているのは置いとこう。こいつは今、石清水八幡宮での籤引きで俺が6代将軍に決まったと言ったか?ま、まさか俺は………



足利義教なのか⁈



なんてこっだ。よりにもよって足利義教とは。この人物は足利将軍の中ではマイナーな方だ。大学入試とかでもでてくるが、短期な性格で他人を処罰しまくったせいで恐れられ、それが原因で嘉吉の乱で赤松満祐に殺された、ということぐらいしか習わない。


そう、殺されるのだ。暗殺、まさか自分にそんなフラグが立っているとは…。普段の行いが悪かったのだろうか。あまりにも酷すぎやしないか。しかし、考えてみる。足利義教はその性格が災いして殺されたのだ。


だが今の人格は足利義教のそれではない、俺なのだ。ここで俺が仁君っぷりを発揮すれば史実エンドは回避できるのではないか。そうだ、そうしよう。なんだかできる気がしてきたぞ。義教にもできなかった事をやってやる。


もともと義教の政策は非常に優れたものだったのだ。九州、関東を征伐し、将軍権力を強化した。俺はこのことを非常に評価している。決して暗君ではない。ただ性格が苛烈すぎただけで損をしている人物だと思っている。治世の絶頂期で殺された義教。無念だったろうな。このままいけば義満を越える事すら出来たかもしれないのに。


義教くん、お前の無念は俺が晴らそう。そして父親(義満)を越えるのだ。よし、やってやる。使者に会ってやろう。誰だろうな。まぁ誰であれ散々に焦らしてやる。名付けて上杉謙信作戦だ。




まさかの義教。戦国じゃねーのかよと思った方もいるかもしれません。今回は練習という意味合いが大きいので、平和?な時代の主人公としました。10話くらいで終えられたらいいなあと思います。

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