私は勇者。
私は勇者。元さすらいの女戦士だ。そして今、柱の陰でドラゴンをどう倒すか考えてる。
ふらっと立ち寄った国の王子がドラゴンが守る塔に閉じ込められているので助けてほしいという依頼を受けたのだ。
そして、思いついた。手元にある爆弾を口を開けた時に放り込めば隙が出来るかもしれない。
そして、実行した。ブレスを吐こうとしたところに爆弾を放り込んだ。ブレスの炎で爆発し、怯んだ。隙が出来た。剣を抜き放ち、跳躍。脳天に剣を刺した。
やっとのことでドラゴンを倒した。24時間もかかった。
でも、これで玉の輿と結婚できる。
やったね!私!!
国王からの報酬で王子と結婚させてくれるらしい。私はそのためにこの命がけの依頼を受けたのだ。
そして、王子が閉じ込められている部屋に来た。
この先に王子がいる。私は粗野ないつもの自分を隠し、ブリっ子になって部屋に入った。
うつむきながら、入ったので王子の足だけが見えた。
そして目の前に来た時、わざと躓き、王子によりかかった。
「きゃあ!?」
わざと私は奇声を上げた。
「だ、大丈夫かい?」
私は王子の華奢な体に受け止められた。
「は、はい。大丈夫です」
と、いいながら、私は顔を上げて王子の顔を見た。
……そこには、怪物がいた。
斬ってしまった。王子を。どうしようか。
今思いかえすと、この国の住民は皆、顔面偏差値が異常に低かったな。
国王なんか、トロールみたいな醜悪な顔だったし、王妃はスライムみたいな顔をしてたからなぁ。
国民のほとんどが馬面とか豚みたいな顔だったしね。
……うん。とりあえず逃げよう。
もうすこしで、塔にくる予定の兵士たちも来るからな。
私は勇者。元さすらいの女戦士だ。そして今、柱の陰で兵達が通りすぎるのを待ってる。あと、もう少しで国境なのだ。ここで捕まるわけにはいかない。
END