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5ショートストーリーズ4

お、おう…

神殿の前で真剣に祈っている少女と女がいましたが…

 一人の少女が、神殿の前で祈りを奉げている。


 美しい少女。年の頃なら十五、六。


 長い髪、白い肌、華奢な身体。

 

 大きな瞳に 影を落とす長いまつげ


 結んだ唇は桜色。


 先ほどからもう10分も微動だにせず。


 それを見ていた人々は思う。


「おお、なんと清らかな少女だろう。きっと世界の平和を祈ってい

るに違いない」

「美しい少女。神様のお使いに違いない。なんとありがたいことだ」


 片や、こちらでも一人の女。神殿の前でお祈りを。

 先ほどの少女とは距離を置いている。

 

 ただ、二人には違う点がある。

 その女はブサイクだった。年もとってる。

 

 パサパサの髪、色黒の肌、ふくよか過ぎる体。


 その小さい目に まばらなまつげ


 だらしない口元はへの字に曲がっている。


 先ほどから熱心に祈りを奉げているのは同じ。


 それを見ていた人々は思う。


「あいつは何を企んでいるのだ? もしかしたらこの世の滅亡

を?」

「おい、今、ニヤッと笑ったぞ? あれは間違いなく悪魔の手先だ」


 実は…心の読める能力者なら真実が分ったかもしれないのに…


美少女「あ~あ、クソめんどくせえ!これをやったら小遣いくれる

っていうからやってるけど、ホントめんどくせえ!もうそろそろい

いかな? 腹も減ったしな。ていうか、クソもしたくなってきた

わww」


ブサイク「この世の中が平和で、正しいものでありますように。神

様、もし私の命がお入り用でしたらどうにでもなさってください。

この世の平和の為に」


 30分後、美少女は皆から手を合わされ、あがめられ、ブサイク女

は皆から言いがかりをつけられ袋叩きにあった。


 それを見ていた神様、


「お、おう…なんというコトだ。しかし、庶民の感覚も分らないで

もない。確かにワシでもそう思っちゃうからの。スマン、汝ら…」


 神様が人々に与えた感覚、【美は正義、醜は悪】はいつでも正し

いとは限らないのだ。 





やっぱり、コメントは「お、おう…」です…

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― 新着の感想 ―
[一言] お、おう…。 いつの時代でも、人はそう思ってしまいますよね。
[良い点] 神様が罰でも与えるのかと思ったら、納得しちゃったところです。というか元凶だけど。お、おう……。
2014/12/16 20:04 退会済み
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