モブから見た物語
前作の続きと言っていいものか分からないため、後日他の人目線の話を書きます。
文章だけで会話文は一切ありません。
それでもいいとおっしゃる方のみ読んで下さい。
誤字脱字などあれば教えてください。
皆さん、こんにちは。
えー、まず自己紹介をさせていただきます。
私は鈴木聖奈です。
私が通っている学園は桜華学園と言いまして、ある乙女ゲーム世界に出てくる学園なのです。
…何バカなことを言っているんだと思いましたよね。
分かりますよ、えぇ。私だって他の人がこんなことを言ったらそいつの頭ひっぱたいて精神科に連れて行きますよ?
ですけど、これは事実なんです。『輝く君と恋をする』という通称輝恋と呼ばれる乙女ゲームに出てきた学園に通っているんですよ。
攻略対象は全部で八人。
俺様生徒会長、腹黒副会長、無口な書記、チャラい会計、風紀副委員長、不良な同級生、幼馴染な同級生、そしてもう一人は隠しキャラらしいけど私は知りません。
乙女ゲーム好きな友人が前世?で私にもやらせていたみたいで覚えていますけど詳しくは知りません。というか興味ありませんし。
攻略対象の髪は何故か色が違っていて、会長は赤、副会長は青、書記は深緑、会計は黄、副委員長は紫、不良は灰、幼馴染は橙です。カラフルすぎますし、一部は目に優しくない色ですよね。……イケメンだからってなんでも似合うと思うなよ、コノヤ……コホン。スイマセン、取り乱しました。
えー、このゲームの攻略対象のほとんどには婚約者、または恋人(一人はセフレ擬き)がいるためその人たちがライバルキャラ(いわば悪役)になります。
特に印象に残っているのは会長の婚約者の有賀咲麗華さんと書記の婚約者の月原桃里さんの二人。
有賀咲さんは会長を熱狂的に愛しているのに報われない人。高慢で取り巻きとかを引き連れてヒロインを苛めて、最後には死亡エンドか家の会社が倒産しての家庭崩壊エンドが主な悪役。胸元までの金茶色の髪に吊り上り気味の碧色の瞳で、悪役らしく髪は縦ロールにしていました。
月原さんは書記のことを幼い頃から密かに思い続けていたヤンデレな人。有賀咲さんと違って苛めというよりも嫌がらせが多く、最後は包丁を持ち出してヒロインを殺そうとし、警察に捕まるか自殺する悪役。腰までの黒髪に吊りあがり気味の黒い瞳で肌が白いというより青白く、無表情のため本当に病んでいる印象を受ける見た目でした。
この二人は基本報われなさすぎて、泣きたくなりました。だって、好きな人に振り向いてもらえず、いきなりやってきた女に惚れられて、そりゃ暴走しますよ。まぁ、やりすぎな所もありましたけど、エンドの扱いが基本生きていないってどういうことですか。……友人はヒロイン派だったため、悪役を嘲笑っていましたけど。
さてさて、いきなりこの話をしたのには訳があります。
最初に言いましたよね?私はこのゲームの舞台となる学園に通っていると。
つまりはこの学園で起こっている出来事をお話ししたいのです。
まず、四月。私が通う学園にヒロインが入学してきました。デフォルトネームのままだったのですぐに分かりました。名前は姫川光。腰までのピンク色の髪にパッチリとした大きなピンクの瞳。背が高く、スタイルが良し、さらに可愛くて綺麗だなんてまさにヒロインでしかありえません。
まぁ、本当にヒロインという名が正しく、彼女は夏休みに入る前までに攻略対象を隠しキャラ以外は全員攻略したのです。そう、彼女も私と同じく転生者なのではと思います。
さて、攻略されたということは悪役が苛め、もしくは嫌がらせをして来るだろうと思っていたのですが、全くそれがありませんでした。
何故私が知っているかって?…ヒロインと同じクラスだったんですよ。ただのモブですけど。
さて、苛め、もしくは嫌がらせが無いと逆ハーレムは成り立ちません。それがあることで一気に愛が加速するのです。
ヒロインは自作自演をしようとしていましたが、それはやんわり止めておくと、次の行動に移りました。
まぁ、簡単に言うと攻略対象の婚約者に別れろと言いに行ったみたいですね。やー、行動力ありますよね。このゲームのこと知っていたら、なかなか出来ない気もしますよ。だって、言いに行ったのは有賀咲さんと月原さんですよ。そりゃ、バ……頭が弱い人でも敵に回したくない人たちですからねぇ。
でも、驚いたことに婚約解消したらしく、一週間後にはすっかりその事実が広まっていました。そもそも婚約解消したと公言してはいなかったですけど、会長の周りに他の令嬢が群がっていましたから、その所為でバレたと言ってもおかしくはないですね。
しかし、さらに驚いたのは夏休みが終わってからです。夏休みが終わり、再び学園に行くと有賀咲さんが一人の男性と歩いていました。
その人は紫ノ宮楓さんで性格的には穏やかでどちらかと言えば気弱な人だと思っていましたが、その人が何故か仲睦まじく歩いているのです。しかも、有賀咲さんは以前の高慢的な態度が一気に無くなり、嘘のように穏やかな、少し抜けている人になっていました。新聞部の知り合いに聞いたところ、この性格が本来の性格らしいということでした。
トレードマークであった縦ロールも無くなり、一本にまとめ上げています。
紫ノ宮さんと一緒にいるときは比較的笑顔が多く、幸せそうな表情をしていますし、紫ノ宮さんも有賀咲
さんを大切にしているのがよく分かります。…リア充爆発しろと言いづらいですね。
月原さんは特に変化はなかったのですが、最近は何やら風紀委員長の綾嗣空翔さんと一緒にいることが多くなっています。どこで接点があったかは知りませんけどある意味お似合いな気がするんですよね。お互い人に弱みを見せないというか感情を表に出さなく、誤魔化しますけど一緒にいるときは力を抜き、感情を出しているように見えますし、何より月原さんは綾嗣さんに惹かれているように見えるんですよね。必死に誤魔化しているようですけど、たぶん綾嗣さんにバレていますし、くっつくのは時間の問題でしょうね。
あー、二組の幸せそうなカップルの話をしていたら、私も彼氏に会いたくなりました。
スイマセンけど今日はこの辺で失礼します。
彼氏のところに行ってきまーす。
モブ 鈴木聖奈
前世で友人にやらされていた乙女ゲーム世界に転生してしまった少女。
敬語口調だが口が悪く、よく毒を吐く。
肩までの青みがかった黒髪に真ん丸な黒い瞳の和風美少女。
彼氏がいるが攻略対象ではなく、こちらもモブ。しかし、攻略対象には及ばずともイケメン。
綾嗣空翔
攻略対象ではないが、弟が攻略対象(隠しキャラで病弱少年)。
チャラ男と同じように笑顔で軽い印象を与えるが性格は生真面目。
感情を読み取らせないために笑顔でいる。
桃里とは弟が仲良かったため、密かに交流があった。
きっとここはモブの言う通り付き合う。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。




