風呂場、そして…
今回予約投稿初挑戦です…1度即投稿するというミスしましたが…
ラバートに連れられて向かった場所は脱衣所の様な場所だった。
奥には風呂場に繋がっているのか、中が見えないようにすりガラスの引き戸が据えられている。
試しに引き戸を開けてみると…そこは紛う事なき風呂場であった。
風呂場全体が大理石の様な石材で造られていて、水を流す為の排水口のような穴に向かって緩い傾斜を描いている。
浴槽自体も大理石の様な石材を加工して複数人が一度に入れるほどに大きく造られているようだ。
浴槽の一部には金属の蓋がついていた。
恐らくあそこに浴槽の排水口があるのだろう。
浴槽の直ぐ傍にはライオンの頭を模した彫刻が据えられている…勇者、絶対同郷だろ…。
シャワーや蛇口こそ流石に無いが、全体的にかなり手が込んだ造りになっている。
それより…城の大きさもそうだが、この浴槽の大きさで確信した。
勇者…もしやとは思っていたが…作った、作りやがったな…ハーレムを!!
うぅ…俺なんか周り皆骸骨だってのに…なんて羨ましい!
「…マサト、何に一喜一憂しているのかは分からんが、これが風呂で間違いないのか?」
「ん?あぁ…間違いない。この部屋は風呂だ」
俺はラバートの問いかけに、逸れていた思考を戻して返事をする。
「しかし、どうやってお湯を溜めるんだ?一々魔法で溜めていたのか?」
「ふむ、あの生き物の彫刻は、もしかすると魔道具かもしれん。微かに魔力を感じる。試しに、あれに触れて魔力を注ぎ込んでみてはどうだ?」
俺の疑問にラバートが少し考えると、そう答えてくれる。
俺は言われた通りにライオンの彫刻に触れ魔力を流す。
しばらく魔力を流していると十分に魔力が溜まった為か、突然魔力を吸収しなくなる。
…代わりに、ライオンの口からお湯が湯気とともに勢いよく出てくる。
おぉ!!これなら10分位で浴槽一杯に溜まるだろう。
「凄いな…良くこんなモノを作ったもんだ…」
「うむ、これが風呂か…今まではどんな意味があるのか分からず、うかつな事はするまいと触れずにいたが、こうやって使うのものなのか……。お湯を溜めてどうするのだ?」
俺の言葉に同意し感心しているようだが、風呂場の使い方が分からないらしい。
まぁ、ラバートが使うわけじゃないし、後でも良いだろう…。
それよりも…
「なぁラバート、桶と身体を拭くモノは無いか?」
「ん?あぁ、あるぞ?今持ってこよう」
「すまないな」
俺の返事を聞くとラバートは脱衣所を出て行く。
俺はそれを見送ると、濡れた服をいつまでも着ているわけにもいかず、脱衣所で服を脱ぎ浴室に移動する。
まだお湯は溜まっていないが、お湯から出る蒸気で脱衣所よりは暖かい。
しばらく待っていると脱衣所のドアを開けてラバートが入ってきたようだ。
「ありがとうラバート、そこに置いておいてくれるか」
すりガラス越しに声を掛けるが、ラバートはそのまま浴室に入ってくる。
「おい…何で入ってくる?」
「いや、その…な?我としても風呂に興味があるというか……。その…つまり、我も風呂を使ってみたいのだ!」
俺の言葉に初めはモニョモニョと口ごもる様に答えていたが…興味が振り切れたのか若干テンションを上げて、詰め寄るように反論する。
「あ、後で1人で入れば良いだろう?」
「どう使うのか分からん!…って、何故全裸になっている!?」
ラバートは今更俺の恰好に気付いたのか、突然顔を手で覆ってアワアワする。
「いや、脱がなきゃ風呂入れないだろう…。ってか男同士なんだから変な反応するなよ…」
女子か!!と、どこかで聞いた様な突っ込みを心の中で入れる。
「な…!?失礼な!我は女だ!!『変身』」
と言いながら人化魔法の詠唱をする。
「は?」
俺はラバートの言葉に理解が追い付かず、気の抜けた声を出す。
サーラの時と同様にラバートの身体が眩しい光に包まれる。
余りの衝撃に目を覆う事を忘れていた俺は、目が眩んでチカチカしてしまう。
ようやく目が回復すると、絶世の美女がそこにいた。
身長は俺と同じくらいだろうか…ローブのせいで体型はハッキリとしないがローブ越しでも分かるほどの巨乳。
見えている肌は透き通るように白く美しい。
顔は見たことないほど小さく、やや垂れがちな目は大きくパッチリとした二重。
鼻もスッキリと高く、唇はやや肉厚で何故か艶々している。
怒っている為かやや頬を膨らませている様に見えるが…そんな様子でさえ美しく感じられる。
髪は赤み掛かった茶髪で腰ほども長さがあるロングのストレート。前髪は目にかからない程度に切り揃えられている。
「………えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!???」
風呂場に俺の絶叫が木霊した…。
はい、すいません。新キャラ前に出しておこうと思って出しました。
反省はしています。後悔もちょっとしています。が、何故か達成感も感じています。




