ヒューイの人化!?そして…冒険者ギルド!!
後書きにアンケートを用意しています。ご協力頂けると幸いです。
朝の肌寒い空気で目が覚める。
あぁ、昨日はベッドに倒れこんでそのまま眠ってしまったのか…と、布団も掛けずに寝ていた理由を思い出す。
「ん~っ!はぁ…もう起きるか。サーラ達も見送らなきゃいけないしな」
俺は1つ伸びをすると、ベッドから体を起こす。
窓の外をちらりと窺うと、今日も青空が広がっていた。
俺は自室を出て、1階へ向かう。
階段を下りると玄関では支度を整えたサーラと、見知らぬ美青年が立っていた。
身長は俺よりも少し高く、おそらく180cmくらいだろうか。
引き締まった体つきが服越しでも見て取れる。俗に言う「細マッチョ」ってやつだろう…。
顔は小さく切れ長の目をしたイケメンさんだ…涼し気に笑みを浮かべているのが見て取れる。
髪は金髪…おそらく肩位までの長さだろうか、前髪は両サイドに流すように垂らし、後ろ髪は動くのに邪魔にならないように紐で1本に結っているようだ。
……うん、コイツは敵だ。間違いない!
俺は早速魔法の詠唱をするためイメージを始める。
ふむ…やはりここは、爆ぜる感じのものが良いだろう。
頭を吹き飛ばすイメージを浮かべ詠唱をする。
「リア充爆発しろ!『爆…』「「ちょ!ちょっと!!」」ん?」
俺が突然詠唱を始めるのを見て、慌ててサーラと美青年が俺に走り寄り、止めに入ってくる。
……あれ?美青年の声に聞き覚えがある様な…まぁ良いか。今はそれどころじゃない!
俺は再度詠唱を始める。
『爆…』
ゴズンッ!!
「だから止めなさいって言ってんでしょうが!!」
詠唱中の俺に向けてサーラが大きく飛び上がり、俺の頭上から叩きつけるように拳骨を放って俺を止めるとそう告げてくる。
俺は余りの威力に膝が崩れ、床に片膝をついた状態で蹲る。
「な、何するんだ…痛いじゃないか!」
「何するはこっちのセリフよ!!アンタいきなり何のつもりよ!」
俺が頭を押さえながら立ち上がると、サーラが俺の胸倉を掴みながら、もの凄い剣幕で詰問してくる。
美青年はサーラの後ろで苦笑しながら、俺達2人のやり取りを見ている。
「ま、まあまあ…サーラも落ち着け」
美青年がサーラを宥めるように声を掛ける。
「ん?あれ?もしかして、ヒューイか?」
俺はサーラに殴られて頭が少し冷えていた為か、ようやく声の主に気付く。
「アンタ、気付いてなかったの!?」
サーラが呆れ切った表情と声で俺に聞いてくる。
ヒューイは口元を小さく引き攣らせていた。
おぉ…表情があるって凄いな…皆の呆れ具合が手に取るように分かる。
「いや、ヒューイの人化した姿を見るのは初めてだったし…なぁ?」
「ま、まぁ確かにそうだが…」
ヒューイに問いかけると、頷いてくれるがどこか納得がいかないような苦笑いを浮かべる。
「はぁ…まぁ、ヒューイだと気付かなかったのは納得してあげるわ。でも、何でいきなり魔法で攻撃しようとしてたのよ」
サーラは大きく溜息を吐くと続けて俺に問いかけてくる。
「イケメンは全男性の敵だ!!」
思わず力が入ってしまった…。
「はぁ…さっきも言ってたみたいだけど、イケメンって何よ?」
俺の発言を聞きまたもサーラが溜息を吐くと、心底呆れた様子で聞いてくる。
ヒューイも呆れた様子でやれやれと首を左右に振っている。
「イケメンってのはヒューイの様に、顔の良い男性のことだ。奴らは周囲の女性達を根こそぎ持って行きやがる!奴らに何度煮え湯を飲まされた事か…ンン、ゴホン!まぁ、話が逸れてしまったがそういうことだ」
「……アンタそれって、完全に逆恨みじゃない…はぁ、本っ当に呆れるわね…」
サーラにまたも溜息を吐かれる。
ヒューイは完全に引き攣った表情をしていた。
「朝から一体何をしておるのだ?サーラ、ヒューイ、お前達は準備出来たか?」
ラバートが厨房から出てきてこちらに歩み寄り、俺達の様子をひと通り確認してそう問いかける。
「あ、えぇ、別に何でもないのよ。マサトの言動や発想の突飛さに呆れてただけ。準備の方はひと通り終わったわ」
「あぁ…問題ない」
サーラとヒューイがラバートにそれぞれ返事をする。間違ってはいないが酷い言われ様だ…まぁ仕方ないな…うん。
先程までの自分の言動を振り返って納得する。
あ、そう言えば疑問に思ってた事があった。
ついでだから聞いておくのも良いだろう。
「なぁ?ラバート達ってお金なんか持ってるのか?」
「ん?一応ある程度の金は持っておるぞ?」
ラバートは緊急時用にある程度は持っているらしい。
まぁ、何かあった時金が無くて困るのは多々あるからな。
「私とヒューイは持ってないわね」
サーラ達はお金があると、服や装備を整えるのに使ってしまう為、全然持っていないらしい。
「へぇ…じゃあ、今回はラバートに貰って行くのか?」
「いや、森の魔獣を狩っていく…」
ヒューイが簡潔に答えてくれた。
魔獣を狩ってどうするのだろう?と首を捻ると
「マサトには私達が冒険者だったって言ったわよね?街には冒険者ギルドってのが在って、街の人々からの依頼が集められているのよ。下は庭掃除の様な雑用から、上はドラゴン退治の様な大掛かりな討伐まで様々なものがあるわ。で、基本的に魔獣なんかを討伐した場合、たとえ依頼が出ていなくても討伐の証明になる討伐部位や、肉・爪・薬の調合に使われたりする内臓なんかはギルドが買い取ってくれるのよ。運よく依頼があった場合は依頼料も上乗せされるわ。通常は依頼を受けてから討伐したりするものだけど、私達は街に住んでるわけじゃないしね。あ、勿論街の肉屋に直接売ることも出来るわ。魔獣の肉は美味しいから結構な高値で売れるのよ」
「キター!!異世界物の定番!冒険者ギルド!!良し!早速登録に行こう!!」
テンション上がって来た!!待ってろよ…冒険者ギルド!!
「はぁ……マサト、ぬしは我と留守番だと言ったろうが…」
そうだった…。
俺はがっくりと床に手と膝を付き orz の体勢で項垂れるのだった。
あと数話で主人公の仲間として新キャラを投入予定です。そこで、新キャラの希望をアンケートの形で聞こうと思います。感想に番号を記入して作者まで送って下さい。締め切りは13日夜12時までです。是非ご協力下さい。
注)新キャラはいずれも女性キャラの予定です。
①獣人②エルフ③ドワーフ④妖精⑤魔族⑥人間
獣人を選んだ方は種族も記入して下さい
(例:猫、犬、狐、兎等)
宜しくお願いします。




