表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/145

2人の過去

本日2話目です。

ひとまず、説教が終わったので魔法の練習を再開することになった。


「なぁ、ヒューイとサーラに魔法撃ち込んで大丈夫なのか?」


今更ではあるが、お互い話せる相手と分かっているだけに攻撃しにくい。

だって、せっかく知り合ったのに魔法撃ち込んで消滅とかしたら嫌だしな。


「心配いらん。我と契約してこの2人は不死になっておる。例え身体が消滅しても他のスケルトンに意識を移し即座に復活出来る為、ある意味不滅でもある。そもそもこの2人は元人間の冒険者だ。今のマサトでは逆立ちしても敵わん」


ラバートの説明にホッと胸を撫で下ろす。

さりげなく俺を名前で呼ぶようになっている辺り説教が大分堪えたのだろう。

…ん?聞き流してしまっていたが、結構大事な事をサラッと言っていたような…


「…あれ?元人間って言った!?」


俺は思わず2人を見る。


「うむ、この2人そこそこ実力があったようでな、無謀にもこの未開の森の奥地に足を踏み入れたのだ」


「実は、この森の近くの村に立ち寄った時にこの城の噂を耳にしてね。数百年前に勇者が建てた城があるって聞いたから、一攫千金を狙ってたのよ。でも、この城の近くまで辿り着いた時に運悪く手強い魔獣に襲われて、2人揃って致命傷を受けちゃってね…。死ぬ寸前のところをラバートが見つけてくれて、ラバートと契約し、今に至るってわけ」


ラバートの言葉を引き継ぎサーラが何があったか説明をしてくれる。

ヒューイは後ろでうんうん頷いている。

へぇ…かつての勇者が建てた城だったのか。後でラバートに確認しよう。

それよりも、今は2人のことだ。


「でも良かったのか?契約して不死のモンスターになるなんて、そもそも何でラバートは助けなかったんだ?」


俺にはラバートが2人を助けなかったことが疑問だった。

俺は、なんだかんだ言いながらラバートはお人好しだと思っている。

異世界に召喚してしまったからとはいえ、俺の面倒をキチンと見ようとしている辺りかなりのものだろう。


「可能な限りの手当はしてくれたんだけど、2人共傷が深すぎててね…やむをえずの処置だったのよ。初めはモンスターになったことにショックを覚えていたんだけど…」


「…今は感謝している」


ヒューイがボソッと一言告げる。


「我も悪いとは思ったが他に方法がなくてな…」


やはり2人をモンスターにしてしまったことに罪悪感を感じているのか、肩を落し黙り込む。

ラバートは思っていた通り、相当なお人好しの様だ。

しばらく皆が黙り込み暗い空気に包まれる


「今は感謝してるって言ってるでしょ、湿っぽい話はここまで!」


沈んだ空気を払拭するようにサーラが元気よく声を出す。


「ひとまず、これで問題ないことが分かったでしょ?遠慮なくジャンジャン撃ってきなさい」


サーラの言葉にヒューイも同意を示すかのように頷く。


「分かった。じゃあ2人共、俺の修行に付き合ってくれ」


俺は2人に向けて頭を下げた。

ラバートは2人が頷いているのを確認し、一つ頷くと皆に今回の修行の簡単なルールを説明する。


「さて、では今回の修行だが、マサトは2人に魔法が当てられるように工夫することと自分の魔力量の上限を把握することが課題だ。2人は魔法に当たらんよう防ぐ、又は回避すること。但し、反撃は禁止する。双方問題ないか?」


「あぁ、問題ない」


「えぇ」


「…ん」


俺たちはそれぞれ返事をする。

互いに意思を確認し、俺は2人に向き直る。


「来なさい」


「来い」


2人はそれぞれ俺から距離を置くと、構えをとる。


「それでは、始め!!」


ラバートの開始の合図が響く。

さぁ、修行開始だ!!

今回で2人の過去とラバートとの出会い。

また、ラバートの人間性?が少し描けたかと思います。

この出会いはいずれ、番外編として書きたいと思っています。


やっと、コメディパートから復帰出来ましたw

今日はもう1話くらい投稿する予定ですのでそちらもご覧ください。


ご意見、感想、誤字脱字報告どしどしお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ