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二話 前日入寮

 涼しくなってきた秋の夕日の中。ライアス王国の王都にある、ライアス王国学園の校門前に一人の少女と一頭のドラゴンがいる。

 少女はブロンドの髪を頭の上でまとめている。明るい茶色の目は校舎を眺めている。ドラゴンは銀色に輝いており周りの視線を少なからず集めている。


『シュリー?聞いているのか?早く入ろう!』


 ドラゴンが念話で話しかけているが、隣にいるシュリーは学校を見て驚いていた。そこで、シュリーの気をこちらに引くためにシュリーの足元に居たドラゴンは尻尾で膝を叩いた。いわゆる膝カックンである。


「っわ!ナル、何するのよ!」


 突然やられたシュリーはしりもちをつき痛みを抑えながら一度ドラゴンのナルを見たが、すぐにもう一度目が学校の方に戻っていった。


『いやいや、お城より広いけど、ここで驚いているようじゃ敷地の大きさを見たらもっと驚くよ。』


 シュリーはライアス王国第2王女である。そのため王城に住んでいるがこの学園は管理している森なども含めると王城より敷地面積が4倍はある。


『それに、寮に行ったときは逆にシュリーの部屋の四分の一の大きさで二人ずつ使うらしいから驚くよ。』

「えっっ!こんなに広いのに?すぐに帰れるから荷物少なくしてきてよかった。同じ部屋の人誰だろうね?仲良くなれるといいな。」

「君、大丈夫?はい。お手をどうぞ。」


 二人が話していると後ろから声をかけられた。

 男の子が立たせてくれた。隣には赤いドラゴンがいる。また、その隣には大きな鞄があった。


「ありがとう。貴方も新入生?」

「うん。僕は、アベル。こいつはヴェスタ。よろしく。君の名前は?」


 ヴェスタはアベルの胸の高さくらいだ。ちなみに、ナルはシュリーの腰の高さくらい。シュリーはこの大きさが気に入っている。

ドラゴンは魔力を抑え大きさを変更できるので、それぞれ好みの大きさになっている。


「私はシュリー。この子はナル。よろしくね。」


 二人と二頭はお互い頭を下げた。


「すごいね。フリーズドラゴンだ。」

「そう?でもヴェスタも真っ赤できれいな色だよ?」

「まあね!じゃあ、僕は行くよ!また会ったらよろしく。」


 アベルはスタスタと歩いていった。

フリーズドラゴンは銀色のドラゴンで、ドラゴンの中で最も強いとされている。また、契約時に現れる確率も少ないため相当珍しいドラゴンなのだ。


「ナル。私たちも行こう!」


 そう言って二人は寮に向かった。

 しばらくして寮に到着すると、入り口に寮母さんと思われる人が居た。


「こんにちは。私は寮母をやっているレナよ。お名前は?」

「こんにちは。シュリーと言います。」

「シュリーさんね。はいよ。部屋の鍵と、寮の地図と、寮での規則が書いてある本。地図は見られるかい?」

「はい。大丈夫です。ありがとうございます。」

「中等部一年生は三階だよ。」

「はい。」


 シュリーとナルは階段で三階に上がって、右側の手前から五つ目の315号室だった。

 戸を叩き、開けると先客がいた。


「お邪魔します。あ、こんにちは。」

「こんにちは。私はセシリア。この子はコリー。よろしく。」

「私はシュリーで、この子がナル。こちらこそよろしく。」

「すごい、フリーズドラゴンだ!珍しいね。あっそうだ、場所勝手に決めたけどよかった?」

「いいよ。じゃあ、私はこっちね。コリーは、キレイな緑色だね。」

「そうだけど、一番多い色だからね。競争も激しいの。」


 そうして、シュリーは、部屋に入って右側の机の所で荷物を広げた。ベッドは高床式のロフトベッドでベッドの下には机がある状態。クローゼットもベッドの下にある。個人で使うものはベッドの下にある収納スペースに入れることになっている。


「荷物少ないんだね。シュリー。」

「私は家が近くで休日に取りに行けるからね。セシリアはどこにすんでいるの?」

「私は北領で、王都までは馬車で一日の所だよ。コリーで飛べばすぐだけどね。」

「そっかー。でも、足りないものがあったら言ってね?持ってくるから。」

「ありがとう。」


 普段はドラゴンを自由にさせている人が多いため大陸から連れてきた馬で馬車を作りそれに乗ることが多い。

 1時間ほどで片づけが終わったため二人は食堂に行くことになった。

 四人で食堂に行くと、まだ少し早い時間だったがすでに何人か生徒がいた。


「セシリアは、なに食べる?私はお祝い飯にしたよ。」

「じゃあ、私も!」

「じゃあ、ナルもコリーもそれでいい?」

『『それでいい。(です。)』』

「じゃあ、私が言うね。寮母さんお祝い飯四つください!!」

「ああ、シュリーちゃんにセシリアちゃんね。ちょっと待っていて。」



「はいよ。お祝い飯四つね。そういえば、その子達の名前聞いてなかったね。」

「あっ、ナルです。」

「コリーです。」

「ナル君にコリー君か、宜しくね。じゃ、みんな沢山食べてね。」


 寮母さんは、次の人のために、奥に行ってしまった。


「美味しそうだね。いただきます。……美味しい!セシリアはどう?」

「うん!美味しい!やっぱりお祝いと言えばこれだよね。」





 食事を終えて部屋に戻ってきた二人は明日の準備をして眠った。





 この寮での1日目が過ぎていった。

ありがとうございました。

誤字脱字等ありましたらお伝えください。


これを書いていたときは膝カックンがマイブームになっていた時期でしたのでそのまま記載することにしました。

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