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剣神〜時を超えた約束〜  作者: 日暮紅
序章 聖地ホルシオス
3/3

序章 聖地ホルシオス(3)

再び現在のシーンです。

もうすぐ、問題のキャラに会えます。

「アルシオン、早くおいでよお」

先を歩いていた、瑠璃色髪の少女が手を振る。

ぱっちりとした青玉(サファイア)の瞳をした愛らしい少女だ。

ただ、背中に天使のような白い翼と、魔物のような黒い翼が生えていることから、人間でないことは一目でわかる。彼女は幻霊獣(ヴァグア)なのだ。

少女にしては、豊かすぎる胸元は魅惑的であり、微笑むと小さな牙が見える。

歩くというより、ぱたぱたと、低空飛行しながら、目的地へと飛んでいった。

その無邪気なしぐさに微笑しながら、アルシオンは先を急いだ。

「ねえねえ! ここっ? ここだよね? アドさん!」

 先に来ていたスーンは、二人が来るなり訊ねた。

「ああ。確かそのはずだ。剣を目印にしておいて良かったな」

 アドは答える。

 ホルシオスの墓の周りには、氷華(ひょうか)が植えられている。とはいえ、その範囲は日が経つにつれて、広大なものになっていくので、すぐにホルシオスの眠る、正確な位置を見失ってしまう。そのため、何か他の目印となる物が必要だった。しかし、目印の剣さえも氷華(ひょうか)に埋もれ、侵食されようとしていた。

「……よくここがわかったな」

 ぽつりとアルシオンは呟く。

 スーンの熱意に、感心するよりも呆れてしまった。

「ほんとっ! お花がいっぱいで、困っちゃった。でも、剣がおいでって言うから、そしたら、ぼくね! ぼく、すぐにわかったよ」

  スーンは、はしゃいで言う。

「剣が? 不思議だな。オレは何も感じないが。おまえはどうだ? アルシオン」

 促すようにアルシオンに言った。

 ……剣……

 言われて初めて、アルシオンはまじまじとそれを見つめた。

 フィラ・デ・ルフィア。

 師は、そう呼んでいた。氷のように美しい剣。氷華(ひょうか)と絡み合っているその姿は、いかなる名画にも勝る図であろう。

 アルシオンの目は、その剣に釘づけになる。

 ……悪魔……

 見覚えは、無論あった。

 母の命を奪い、父の命を奪った悪魔。

 剣の持ち主である、師さえも失った。

 ……死神……

 憎悪が沸き上がるのが、不思議と自分でもわかった。

「アルシオン?」

 アドは、異様な形相でそれを見つめるアルシオンに気がついた。

 アルシオンの脳裏に、悪夢が蘇る。

 だが、彼は不思議とその剣に()かれていった。

まるで、吸い寄せられるように、彼は歩を進めた。

 一歩、また一歩と。

 そして……彼はそれに触れた。

 ……光が走った。



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