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つい口走る

軍港に着くと、巨大な鉄の影が視界いっぱいに広がった。

灰色の船体は鋭く、甲板には大きな砲塔が鎮座している。海面に揺れるその姿は、まるで眠る獣のようだ。


「これが我が国の新造戦艦だ」

父が誇らしげに言うと、周囲の将校たちが一斉に背筋を伸ばす。


「……主砲、あれ多分二百ミリ級? 有効射程は二十キロ以上あるやつだよな……」

思わず口から出てしまった瞬間、全員の視線が俺に刺さる。


「さすが若殿! 一目で性能を見抜かれるとは!」

「あ!いや、その、…て、適当に言っただけ!」


案内は続き、次に見せられたのは飛行甲板の端に並ぶ小型機械。

細い脚とプロペラを持ち、腹部に何かを搭載している。


「これは…無人機?…偵察……いや爆撃もいけるかも…こんなものまで…」

「若殿!初見でそこまで!?やはり軍略の天才!」

(しまった!!いらんことを言ってしまった)


さらに倉庫には、円筒状の発射装置がずらりと並んでいた。

俺の脳内で思わず名前が浮かぶ。

「……ミサイルランチャー……」

「ほう、貴様これを見ただけで――」

「いやほんと違うの!俺は平和主義なんだって!」


……なのに、父は腕を組んで満足そうに頷いていた。

「やはりお前には軍の才がある」

「だから違うってば!」


ああ、ついいらんことを口走ってしまった…。前世でミリオタじゃなかったものの、やっぱこういうの、“男の子”の血が騒ぐじゃん?

しまったなぁ。

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