第2話:「戦場の教師、兵士たちを鍛え直す!」
1. 王国の兵士たち、その実態
「これが王国軍の兵士たちか……。」
藤堂誠は、王の命を受けて城の訓練場にやってきた。
そこには、剣を振るう兵士たちの姿があったが、その動きはお世辞にも洗練されているとは言えない。
「掛かれー!」
号令とともに、訓練用の木剣を持った兵士たちが模擬戦を開始する。
だが、すぐに問題点が見えてきた。
・剣の振り方が無駄に大振りで隙が多い
・防御の意識が低く、敵の攻撃に対する反応が遅い
・体力が持たず、すぐに息が上がる
・陣形がバラバラで、連携が全く取れていない
「おいおい……本当にこれで戦場に出てるのか?」
藤堂は腕を組み、眉をひそめる。
これでは戦争に負け続けるのも当然だ。
「教師殿、いかがでしょうか?」
藤堂の隣には、王国軍の騎士団長であるレオナード・グランディスが立っていた。
彼は歴戦の戦士であり、王国軍を束ねる責任者だ。
「正直、ひどいな。」
「やはり……。」
レオナードも苦い顔をする。
「兵の質が低いのは、我々も認識している。しかし、十分な指導者がいないのだ。私も可能な限り訓練を行っているが、戦争続きで余裕がない。」
「なるほどな。」
藤堂は納得した。
「つまり、兵士たちは戦う力をつける前に、戦場に送り出されているわけか。」
「そういうことだ。」
レオナードは重い口調で答えた。
「このままでは、次の戦争も敗北は避けられない。だが、陛下は教師殿に希望を託している。貴殿の教育で、王国軍を鍛え直せるか?」
藤堂は笑みを浮かべた。
「任せろ。俺は教師だからな。」
2. 戦場の教師の教育方針!
「お前ら、整列!」
藤堂が声を上げると、兵士たちは戸惑いながらも並んだ。
「まずは基礎から徹底的に叩き込む!基礎ができていない兵士に、戦場での勝ち目はない!」
「基礎……?」
「そうだ。まずは『正しい戦い方』を教える!」
「戦術」「体力」「武器の使い方」「連携」
藤堂は4つのポイントに重点を置き、訓練を進めることにした。
3. 実践指導、開始!
① 剣技の基礎訓練
「お前ら、剣を持って前に出ろ。」
兵士たちは訓練用の剣を握り、藤堂の前に立った。
「まず、お前たちがやっているのは“剣を振り回している”だけだ。戦場ではそんな動きは通用しない。」
「え……?」
藤堂は兵士の一人に剣を貸し、彼の動きを真似してみせた。
そして、横にいたレオナードにこう言う。
「ちょっと一撃、俺に向かって本気で斬ってみてくれ。」
「……よろしいのですか?」
「いいからやってみろ。」
レオナードが木剣を振るうと、藤堂はそのまま軽く剣を交差させ、無駄のない最小限の動きで受け流した。
「……!?」
兵士たちが驚く。
「お前らの剣は大振りすぎるんだよ。**攻撃のたびに無駄な動きが多すぎる。**これじゃあ、スタミナが切れるし、隙が大きすぎる。」
「そ、そんな……!」
「戦場では『素早く、的確に、最小の動きで攻撃と防御を繰り返す』ことが重要だ。無駄な力を使うな!」
この言葉に、兵士たちは衝撃を受ける。
今までの戦い方が間違っていたのかと。
「今から、正しい剣の使い方を教えてやる。」
② 体力強化訓練
「戦場で勝つには、まず“持久力”が必要だ!」
「え、ええ!?持久力……?」
「そうだ。お前ら、全員走れ!」
「えええええ!?」
「戦場では、長時間戦うこともある。息が上がるようじゃ戦えない!」
こうして、藤堂式の“持久力特訓”が開始された。
③ 連携戦術の授業
「個人の強さだけで勝てるわけがない。チームワークが大事だ!」
「チーム……ワーク?」
「そうだ。戦場では一人で戦うんじゃない。仲間との連携こそが、戦局を大きく変える要因になる!」
藤堂は、「陣形戦術」「囮の使い方」「複数人での攻撃の仕方」を基礎から教えていく。
4. 訓練の成果と兵士たちの変化
それから3週間――
兵士たちは見違えるように変わった。
剣技は的確になり、無駄な動きが減り、持久力も向上。
何より、彼らは**「戦うことへの理解」**を深め、戦場での生存率を高める術を学んだ。
「信じられん……あの戦えなかった兵士たちが、ここまで成長するとは……。」
レオナードは、訓練の成果に驚愕していた。
そして、藤堂は満足げに頷いた。
「これで、最低限の基礎はできたな。」
しかし、彼はすぐに次の課題に目を向けた。
「次は、実戦だ。」
王国の存亡を賭けた戦争が、もうすぐそこに迫っていた――。
次回予告
次回 → 第3話:「兵士たちの適性を見抜く!教師の極意発動!」
藤堂の教師スキルが発動し、兵士たちの適性を見極める能力を手に入れる!?
剣士、弓兵、魔法使い、それぞれの個性を活かすための新たな指導が始まる!