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  作者: α
2/2

最高のグータッチ

不定期に更新します。





            「最高のグータッチ」

αとの生活にもなれてきた頃、久しぶりの通知音が聞こえた。クラスメイトからの

一通のメッセージだった。その子とは割と仲が良く、学校に行っていた頃も

たまに喋っていた。恐る恐る見てみるとそこには「待ってるからな」と書いて

あった。その言葉に泣き崩れてしまった。初めてかもしれない。『友達』が

ボクを必要としてくれたのだ。嬉しくてたまらなかった。そしてボクは決めた。

明日こそ学校に行ってやる。そう心に決めた。そのことはあえてαに言わなかった。

そして次の日の朝。ボクはαに話しかけた。「ボク、学校に行くよ!」

αは真剣な顔をして言った「わかった。でも一つだけ僕と君の最後の約束がある」

僕は『最後』という言葉が気になったが時間もなかったためスルーした。

αは笑顔で言った。「学校で誰かと喋る時は僕を思い出してね。」【僕】は深く

頷いた。でもその時のαの目はどこか寂しさを感じた。僕は心配になり、声を

かけた。「どうかした?」「何でもない。天気のせいか疲れているだけだから」

外は晴れている。雨も降っていないのにどうしたのだろうと思いながら玄関に

向かった。僕がαに行ってきますと言おうとした時、αはグーを出してきた。

僕は最高の笑顔のグーで返し、【親友】と最高のグータッチをして学校に向かった。

僕は正門の前で深呼吸をした。心を決めて靴箱に行こうとした瞬間上になにかが

乗りかかる感覚があった。後ろを振り向くと、昨日メールをくれたクラスメイト

だった。クラスメイトは笑顔で言った。「遅いよ~ほら早く靴箱いこ?」

「うん!」僕はどこか安心した。教室に入ると僕をいじめてた子が謝ってきた。

「本当にごめん!辛い思いさせて」僕はびっくりした。どうやら僕が学校に

来なくなってからも他の子にいじめを続けていたらしく、問題になったらしい。

僕は少し腹が立ったが、αを思い出し、許した。僕がαとの約束を守りながら学校

で喋ると色んな人と仲良くなれた。学校が終わるのはあっという間だった。

帰り道、今日できた友達に一緒に帰らないかと誘われたが、今日の話を早くαに

言いたかったため、断って走って家まで帰った。家につきただいまーと大声で

言う。家族がなだれるように僕を褒めてくれる。その家族を押し除けて自分の部屋

に入る。だがαはいない。トイレかなと思い、トイレを探す。そこにもαはいない。

押し入れやロッカー、クローゼットなど色んなところを探したがどこにもいない。

半泣きになりながら椅子に座ると、何かを挟んでいる感覚があった。驚いて

立ち上がると、一枚の手紙があった。「僕は君の素の姿なんだよ。だから君は今日

僕になれた。君はみんなに嫌われないために色んな性格を作ってきたけど、今日

ついに素の自分で学校に行けたよね。もう会えないけど。もう一緒に喋れないけど。

僕を忘れないでね。 親友より 」と書いてあった。

僕は思わず泣き出してしまった。αが僕に与えてくれたものはとても大きかった。

僕は一日中泣いたが、αを忘れずに素の自分で生活しようと思った。

          これが僕の新しい普通なのだから


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